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さくら

作者: 枝豆

桜。

毎年、春に咲き、散っていくたくさんの花びら。

俺は、そんな桜が大嫌いだ。

俺の家の前にある大きな桜の多すぎる花びらが毎年毎年、そこを通るたび俺に襲い掛かってくるからだ。

それと……

「あ、悠斗!!!」

彼女は、同じ学校、同じ学年の隣のクラスの女。

なぜか、知らないが毎朝毎朝、俺をここで待っている。

いつの頃からかは、忘れたけど。

俺の記憶の中では、中学から同じ学校。

特に、何も接点はない。待ち合わせをしていた覚えもない。

俺は、彼女に見つからないように学校へと向かう。

でも、彼女は俺を見つけ毎朝、話かけてくる。

俺は彼女に言う言葉が見つからず、俺は下を向いて学校へと向かって歩く。

彼女とある程度の距離を置いて。

傍から見れば、俺が彼女を無視しているように見えているだろう。

無視されても、されても、彼女は毎日桜の木にいる。

毎日、俺に話しかけてくる。

毎週、毎月、毎年。

俺は、不思議に感じながらも、彼女のことを気にし始めていた。



   何で毎日俺を待っていてくれるんだ?



俺は、ひいき目に見てもかっこいいとは言えない。

それに比べて、彼女は学校で一、二を争う美人だ。

学校では、滅多に話さない。

というか、男子の目が怖くて俺が、彼女を避けている。

俺は、優しくもない。

毎朝待っていてくれている学年一美人の彼女をシカトするぐらい。

よく今まで俺はこの学校の男子に殺されずにすんだものだと、最近実感している。

こんな俺を彼女が好きなわけがない。

どんなにプラス思考に考えても、この結論にしか行き着かない。


俺が、頭脳明晰でかっこよくて優しくてスポーツ万能で、

彼女の隣にいてもおかしくないような、素晴らしい人だったら。

俺も、学校中の女生徒から黄色い声を浴びれる様なモテモテ君だったら。


彼女が、桜の木の下で待っていてくれる事を素直に喜べただろうか。

好きになれてただろうか。

いや、間違いなくなっているだろう。

そして、調子に乗った俺は彼女に告白をするだろう。

そして……。

どうなるかは分からない。想像もつかない。

彼女が、こんな俺を好きになってくれても嬉しくはない。

それは、今の俺ではないから。

彼女が、毎朝桜の木の下で待っていてくれる俺では。





彼女は、明日も俺を待っていてくれるだろうか。


あの桜の木の下で。



嫌いだった桜が少しずつ好きになっていった。

朝になれば、彼女がそこに立っていてくれるから。


明日は、無視しないでちゃんと目を見て話をしよう。

今までは、顔すらまともに見たことがないが美しい彼女の心からの笑顔が見たいから。







読んでいただきありがとうございます。

小説と詩の中間を取ったような物語になってしまいました。中途半端なこの作品ですが、感想・評価お待ちしています。

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