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運命と光




入口には剣を象徴とした大きな紋章、魔法結界で守られた広大な敷地、四季折々に表情を変える庭園。賑やかな新入生たちの声と、舞い落ちる桜の花びらが混ざったこの光景。


「___やっと、ここまで来れたのね」


私は深く息を吸い込んで入学証をぎゅっと握りしめた。人間が混みあったこの空気は、地元よりも少しだけ息苦しく感じる。 



 魔法騎士。



 その夢を胸に、アークルヴェイル・カレッジの門をくぐろうとした。




 「認証手続きを行ってください」


 突如として機械音混じりの音声がそう鳴る。

 私は本能的に後退った。ただ、あまりの勢いに身体も止まらず、後ろの壁に背中と頭を思いっきりぶつけてしまう。頭をさすりながら小さなたんこぶを確認すると、真横から小さな笑い声が聞こえた。



 「く…ふふ…っ」



 めちゃくちゃ笑いを堪えている容姿端麗な男。本気で抑えようとしているのか、彼からは声帯をすり潰したような笑い声が広がっていた。




「これさ、俺のスマホから流したやつ」


 少し笑いが収まった彼が放った一言に対してつい間抜けな言葉が漏れた。どうしてそんなことを?と、疑問で頭が埋め尽くされる。

 彼はスマホを私に見せて、もう再び鳴らした。


「認証手続きを行ってください」「エラーコードが出ました」「気分悪いので今日はお引き取りください」



 色んなパターンの音声が鳴った。最後のはなんだ最後のは。

 奇怪げにそのスマホと男を交互に睨めっこする。



「うわ ぶっす。ブロブフィッシュかよ。」

「は?」

「ごめんごめん、ブロブフィッシュに失礼だったね」



 言葉を失えば、この男はニマニマと観察してくる。風が心地よく吹き、彼の金髪がサラりと揺れた。イケメンなのが尚更腹立つ自分がいる。


私を面白がっているのか、それともただいじめの対象にでもなっているのだろうか。きっと後者だろうけど。


 ふと、彼も自分と同じデザイン柄の制服を着用していることに気づく。


 こんな男が…魔法学園の生徒?

 幼き頃から夢見てた理想像が虚空へと出来上がっていく。そして代わりに生まれたのは、このタイプは無視するべきという謎の使命感。

 そう思えば、自然と超突破で門をくぐり抜け、学園内へと足を運ばせた。





 「おい、忘れ物…!って、もう聞こえてないか」


 その男は地面に落ちた彼女の入学書を拾い上げて、その名前を指で軽くなぞる。



「リヴィア・フィオナ…ねぇ。」


 仕方ないと言わんばかりにため息を付いた彼は、わざとゆっくり彼女を追いかけ始めた。





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