92.竜と悪魔、そして静観する者
ニリオン多元宇宙の第一層が再び震えた。
一つの力によるものではない。
二つの力によるものでもない。
宇宙の崩壊の中心で互いに向き合って立つ三つの宇宙的存在によるものだった。
先ほど崩壊した銀河の残骸が、虚空の中をゆっくりと漂っている。星の破片が宇宙塵のように回転し、次元の亀裂は現実の体に開いた長い傷のように未だに見えている。
その真ん中に三つの姿が立っていた。
アルロ・アッシュヴァレン。
これまでほとんど動くことのなかった巨大な宇宙的存在。
その前にはエテリアル悪魔の長であるフェルダが立っており、その体は今も濃い紫色のエテリアルエネルギーの霧に包まれている。
そして反対側には…
黒いオーラが宇宙空間を満たす巨大な竜。
ヴェルドラ。
その竜のオーラは目に見えない嵐のように広がっている。毎秒、そのエネルギーの圧力は強まり、ついには彼らの周りの次元空間が震え始めるほどになった。
遠くのいくつかの銀河さえ、その存在だけで揺れ動いている。
ヴェルドラは余裕の笑みを浮かべてフェルダを見つめた。
「そうだな…」
彼はゆっくりと翼を広げた。
「もしあの星を取り戻したいなら、俺を説得するしかないんだろ?」
黒い竜のオーラが突然急激に高まった。
そのエネルギーは大波のように宇宙空間を席巻した。
フェルダは目を細めた。
彼女の体の周りのエテリアルの霧が再び回り始めた。
「誤解するな」彼女は冷たく言った。
「我々はお前と戦うために来たのではない」
だがヴェルドラは小さく笑った。
「残念だが、俺は命令されるのがあまり好きじゃない。俺に命令できるのはニヒロード様だけだ」
彼は少し頭を傾げた。
「それに、お前たちの話し方…まるで挑戦しているように聞こえるぞ」
フェルダはすぐには答えなかった。
代わりに彼女は再び手を上げた。
彼女の周りのエテリアルの霧がさらに速く回り始めた。
先ほど少し収まっていたエテリアル・ソブリン・フォームの姿がゆっくりと再び立ち上がった。
その間…
アルロ・アッシュヴァレンは依然として静かに立っていた。
だが今回は彼は少し頭を回した。
彼の目は前に立つ二つの力を見つめていた。
まるで何かを評価しているかのように。
もしこの三つの力が本当に戦い始めたら…
ニリオン多元宇宙の第一層さえも無事では済まないかもしれない。
第二層
そのエネルギーの振動は次の層にまで感じられた。
第二層の次元空間が突然激しく震えた。
戦っていた四人のエテリアル将軍たちは、その圧力を直接感じた。
ミロア。
サストラン。
パゴダ。
そしてグレーター。
彼らの前には、エネルギーの嵐の中でも依然として落ち着いた一つの姿が立っていた。
ルータズ・リレズ。
彼の体は、次元空間で輝く竜の鱗の形をした宇宙鎧に覆われている。
先ほどまで四人のエテリアル将軍たちの攻撃が絶え間なく降り注いでいた。
だが突然…
彼らの周りの次元が亀裂した。
第一層からのエネルギーの圧力が嵐のようにその空間を席巻した。
ミロアはすぐに後ろに跳んだ。
「このエネルギーは…!」
パゴダは重力槍を回した。
「第一層だ」
サストランは上を見た。
「あの竜が出てきたようだな」
グレーターは逆に笑った。
「チッ…面白くなってきた」
「もしヴェルドラが戦いに加わるなら、この戦争はもっとずっと面白くなるぞ」
だが彼らが一瞬の隙を作ったその時…
ルータズ・リレズが動いた。
彼の体は立っていた場所から消えた。
「隙あり」
攻撃が来る直前に、彼の冷たい声が響いた。
彼の宇宙剣が驚異的な速さで次元空間を切り裂いた。
パゴダは槍を上げるのがほとんど間に合わなかった。
ドーン!
エネルギーの衝突が第二層の空間を激しく震わせた。
ミロアはすぐに次元幻覚を作り出し、次の攻撃を防ごうとした。
だがルータズは止まらなかった。
彼は前に進み出た。
彼の目は依然として落ち着いていた。
「お前たちは集中力が切れやすすぎる」
彼の剣の周りの宇宙エネルギーが高まった。
戦いは再び激しくなった。
第三層
同じ振動が第三層にも届いた。
そこでは、二人のエテリアル将軍たちが、彼らよりもずっと余裕のある一つの敵に対峙していた。
シゲドン。
フジラ。
そして彼らの敵…
ワルサー・ザギ。
その姿は肩に長剣を担いで立っており、表情はほとんど退屈そうに見えた。
ヴェルドラのオーラがこの次元を席巻すると、彼らの周りの空間は薄いガラスのように亀裂した。
フジラは目を細めた。
「もしあの竜が本当に戦い始めたら…」
「第一層は崩壊するかもしれない」
シゲドンはうなった。
「この戦争はますますめちゃくちゃになってきた」
だがワルサーは逆にあくびをした。
「崩壊するならそれでもいいさ」
彼は剣を回した。
「俺たちは戦場を移せばいいだけだ」
フジラはすぐに攻撃を仕掛けた。
次元エネルギーの波が鋭い嵐のように飛んでいった。
だがワルサーは体を少し横に動かしただけだった。
その攻撃はあっさりと通り過ぎた。
彼はそれから剣を振り下ろした。
単純な攻撃だった。
だが彼の前の次元空間は、布が切られるように真っ直ぐに裂けた。
シゲドンは間に合うように後ろに跳んだ。
彼らの後ろの遠くにあった小さな惑星がその影響を受けた。
一瞬のうちに…
その惑星は二つに裂けた。
ワルサーは薄く笑った。
「まだまだ面白くないな」
彼らの戦いは続いた。
第二のハルマゲドンゲート
他の場所では…
数人のゲート守護者たちが、遠くから宇宙戦争を見守っていた。
ニメロス。
ヴェルキラ。
ヴェルミラ。
スレイズス。
そして他の者たち。
彼らの前の宇宙エネルギースクリーンには、第一層に三つの大きなエネルギー点が表示されていた。
ヴェルドラのオーラ。
フェルダのオーラ。
そしてアルロのオーラ。
ヴェルキラは眉をひそめた。
「もし彼らが同時に戦い始めたら…」
ヴェルミラが続けた。
「第一層は崩壊するかもしれない」
ニメロスは依然として落ち着いていた。
だが彼の目は少し細められていた。
「変数が多すぎる」
彼は他の何かを感じていた。
非常に遠くにあるが、馴染みのあるエネルギー。
そのエネルギーは…
ミジャルンから来ていた。
地球
ニリオン多元宇宙から遠く離れた場所。
別の銀河。
天の川銀河。
地球という小さな惑星。
夜が富士山の頂上を覆っていた。
山の岩を覆う雪の間を冷たい風が吹いていた。
一人の青年がそこに立っていた。
ミジャルン。
彼はまだ頭を抱えていた。
先ほどの痛みは徐々に引いてきた。
だが先ほど見た光景は今でもはっきりと記憶に残っていた。
崩壊する銀河。
衝突する宇宙エネルギー。
彼が完全に理解することのできない場所での大きな戦争。
ミジャルンは深く息を吸った。
「兄さん…」
彼は空を見上げた。
ここから見る星々は穏やかに見えた。
だが彼はそれがただの幻想であることを知っていた。
遠くの場所で何かが起こっている。
兄さんに関係する何かが。
彼の足元の雪が突然ゆっくりと亀裂した。
彼の体から薄いエネルギーが、彼の知らない間に流れ出していた。
ミジャルンは自分の手を見つめた。
「これは…何だ?」
だが一つだけはっきりしていた。
彼はここに留まっているわけにはいかない。
彼は夜の空に顔を上げた。
彼の視線は真剣に変わった。
「俺は戻らなければ」
富士山の風がさらに強く吹いた。
そして彼の心の奥底では…
彼がこれまで完全に理解することのなかった一つの力が、ゆっくりと目覚め始めていた。
第一層へ戻る
ニリオン多元宇宙の崩壊の中心では…
三つのオーラが依然として互いに衝突していた。
ヴェルドラはにやりと笑った。
フェルダは手を上げた。
アルロはついにその場に静かに立ち、彼らの主が創造した6番目のゲート守護者たちの戦いを見守ることにした。
彼らの周りの宇宙空間はますます大きく亀裂し始めた。
もしそのハイブリッドとエテリアル悪魔の女王が本当に戦い始めたら…
彼らの力の影響に耐えられず、多くの宇宙が消滅するかもしれない。
それがアルロに、数ワキルにわたる重い仕事を与えることになった。
そしてさらに大きな戦争が…
今まさに始まろうとしていた。
「次回更新: 3月 18日 21:00」




