91.動き出す竜、そして物語の外側
ニリオン多元宇宙の第一層が再び振動した。
前回の爆発が完全に消え去らないうちに、二つの宇宙的な力が再び次元空間を押し合った。
巨人の重力がエーテルエネルギーと対峙する。
銀河がゆっくりと崩れ落ちる破壊の真っ只中、二つの存在が依然として向かい合って立っていた。
アルロ・アッシュヴァレンは依然として動かなかった。
彼の巨大な体は宇宙空間の一部を支える柱のようだった。
だが今回は何かが違っていた。
フェルダのオーラが変化したのだ。
以前は単なるオーラだったエーテルエネルギーが、今では濃い紫の宇宙的な霧へと膨れ上がっていた。
まるで生きた星雲のように。
フェルダの体に小さな亀裂が現れた。
だがその亀裂は傷ではなかった。
それは次元の裂け目だったのだ。
フェルダはゆっくりと両手を開いた。
「遊びはこれまでだ」
その声は第一層全体に響き渡った。
エーテルエネルギーが急上昇した。
彼らの周りの小さな銀河は、そのエネルギーの波に一瞬にして引き寄せられた。
「エーテル・ソブリン・フォーム」
フェルダの周りの紫の霧が巨大な渦へと変化した。
周囲の次元空間は永久に湾曲し始めた。
アルロはその変化を静かに見つめていた。
「ついに本気を出すか」
フェルダは冷ややかに笑った。
「本気を出さなければ…この戦争は退屈なものになる」
彼は片手を上げた。
周囲の宇宙的なエネルギーは一瞬にして一つの点に集まった。
だが今回のそれは以前よりもはるかに大きかった。
単なる星ではない。
単なる星系でもない。
そのエネルギーは3つの宇宙に匹敵する破壊力を形成していた。
フェルダはアルロを直視した。
「エーテル・カタクリスム」
その攻撃が放たれた。
フェルダの前の次元空間全体が、燃える紙のように崩れ落ちた。
アルロ:
「…チッ」
アルロはついに動いた。
戦いが始まって以来、初めてのことだった。
彼は両手を上げた。
宇宙的な重力が信じられないほどのレベルまで急上昇した。
「タイタニック・グラビトン・コラプス」
二つの力が衝突した。
一秒の間に
彼らの周りのいくつかの銀河が破壊された。
そしてその場所に宇宙の亀裂が生まれた。
破壊の波が第一層全体に広がった。
次元空間は巨大なハンマーで打たれたガラスのように砕けた。
だが二つの存在は依然として立っていた。
フェルダは低く笑った。
「面白い」
その頃
ニリオン多元宇宙の第二層。
四人のエーテル将軍が再び一斉に攻撃を仕掛けた。
ミロアは次元の影となって姿を消した。
パゴダは重力を湾曲させるエネルギーの槍を創り出した。
サストランは空間を切り裂くエーテルの嵐を解き放った。
グレーターは純粋な力で直接攻撃を加えた。
その嵐の真っ只中に一人の存在が立っていた。
ルータズ・リレズだ。
彼の宇宙的な竜の鱗の鎧が輝いていた。
だが今回、四人の敵はそれぞれ単独で戦っているのではなかった。
彼らは協力していたのだ。
ミロアの次元幻覚がルータズの周りの空間を歪めた。
サストランはその隙をついて、エネルギーの嵐を直接彼の体に送り込んだ。
パゴダは特異点の槍を投げつけた。
グレーターは全力でそれを打ち込んだ。
大きな爆発が起こった。
第二層の次元空間が裂けた。
エネルギーの塵が消え去ると
ルータズは依然として立っていた。
だが何かが違っていた。
彼の宇宙的な鎧に小さな亀裂が現れていたのだ。
ルータズはその亀裂を見た。
それからエーテル将軍たちを見つめた。
「なかなかの連携だ」
ミロアは笑った。
「ありがとう」
パゴダは再び槍を上げた。
「さあ、続けよう」
その頃
ニリオン多元宇宙の第三層。
そこでの戦いはさらに苛烈だった。
ウォルサー・ザギは黒い稲妻のように次元空間を駆け抜けた。
彼の剣は虚空の筋跡を残した。
シゲドンはエーテルの嵐で彼を攻撃した。
フジラは次元エネルギーで空間を切り裂いた。
だがウォルサーはわずかに笑うだけだった。
彼は再び剣を振りかざした。
「アビサル・ブレード」
その攻撃は音を立てなかった。
だが彼の前の次元空間はきれいに切り裂かれた。
シゲドンは間一髪で攻撃を避けた。
だがフジラが彼を攻撃の軌道から引き出したのだ。
切り裂かれた次元空間の破片は遠く後方へと滑り去った。
第三層を周回していた小さな世界がその影響を受けた。
その惑星は一瞬にして二つに割れた。
ウォルサーはあくびをした。
「まだまだ面白くないな」
彼は再び剣を上げた。
「もう一度やってみろ」
その頃
ニリオン多元宇宙の中心部。
第二アルマゲドンの巨大な門の中。
数人の存在が依然としてその宇宙的な戦いを見守っていた。
彼らの中にニメロスが立っていた。
彼のそばにヴェルドラが立っていた。
ニメロスは第一層で起きている銀河の破壊を見つめていた。
「このまま続けば…」
彼は目を細めた。
「多元宇宙のいくつかの層が崩壊する可能性がある」
ヴェルキラは腕を組んだ。
「我々が介入しなければ」
ヴェルミラは頷いた。
だがニメロスはヴェルドラを見つめた。
「誰が動くべきか、お前は知っているだろう」
全員がヴェルドラを見た。
ヴェルドラは長くため息をついた。
彼は立ち上がった。
彼の体の周りに悪竜のオーラがゆっくりと立ち上った。
そのエネルギーはアルマゲドンの門の中の次元空間を振動させた。
第二および第一アルマゲドンの守護者たち全員が叫んだ。
「ヴェルドラ! ヴェルドラ! ヴェルドラ!」
第13門にいるヴェルザカールは、兄のそのオーラを感じ取った。
ヤイとスワールタは一瞬にして数歩後退した。
彼らは正常に呼吸することさえできなかった。
ニヒロードの10人の親衛隊もまた彼を叫んだ。
だがヴェルドラが外に踏み出そうとする前に
戦場から別の声が響き渡った。
フェルダだった。
彼は多元宇宙の中心部の方を見つめていた。
まるで遠くの何かを見ているかのように。
「ついに現れたか」
全員が驚いた。
フェルダはヴェルドラの方を指さした。
「俺たちの世界が一つあったことを、俺はまだ憶えている」
彼の目は冷ややかに輝いた。
「ヌルヴァガナだ」
ヴェルキラはすぐにヴェルドラを見た。
「見ろ」
フェルダは続けた。
「お前が半分破壊した惑星だ」
彼は笑った。
「お前がそれを代償に立つんだ」
アルマゲドンの門の中の全員が沈黙した。
ヴェルドラは頭をかいただけだった。
それからあくびをした。
「惑星一つくらいなら…」
彼は前に踏み出した。
「…二つでも代償に立ってやる」
彼の悪竜のオーラが爆発的に溢れ出した。
第一層の周りの銀河全体が振動した。
アルロは少し顔を向けた。
フェルダは笑った。
そしてヴェルドラが戦場に入ろうとしたまさにその時
遠くの何処かで何かが動いた。
多元宇宙でもない。
オムニバースでもない。
だが一つの隠された現実の中で。
それはほとんどの宇宙的存在さえ知らない現実だった。
その現実の名は
カミオン。
その中には数え切れないほどの空間が存在した。
巨大な本棚で満たされていた。
それぞれの棚には本が収められていた。
世界に関する本。
歴史に関する本。
かつて存在したキャラクターに関する本。
その部屋の真ん中に、大きな机の前に一人の人物が座っていた。
彼の名はヴィオリイエ・ミルン。
彼の手には自動的に動くペンがあった。
休むことなく書き続けている。
オムニバースに関する物語が一ページ一ページと生まれ続けていた。
ヴィオリイエはその文字をだるそうに見つめた。
「ああ…」
彼はあくびをした。
「この物語はますます騒がしくなるな」
彼の周りには他にも何千冊もの本があった。
予備の本。
オムニバースに生きたすべてのキャラクターの名前が記された本。
彼は第二アトラクル時代からそれらを書き続けてきた。
そして現代までそれを増やし続けていた。
ヴィオリイエは一冊の本を取り上げた。
その中には多くの名前が記されていた。
多元宇宙の守護者たち。
悪魔たち。
そして宇宙の王たちさえも。
彼はその本を再び閉じた。
「俺なら何でも変えられるのに」
彼の手はペンを回した。
「この物語を書き直すこともできる」
「プロットツイスト」
「削除」
「リライティング」
だが彼はため息をついただけだった。
「ああ…面倒くさい」
彼は自動ペンに物語を書き続けさせた。
物語を自分自身の流れに任せた。
誰が勝つかを決めることなく。
彼にとって
それがより公正だと思ったからだ。
ヴィオリイエは閉じられた一冊の本の方を遠く見つめた。
その表紙には一つの名前があった。
王ニヒル。
彼はわずかに笑った。
「久しぶりだな…」
彼はかつてその存在を知っていた。
だが今では物語が大きくなりすぎて、止めることはできなかった。
ヴィオリイエは目を閉じた。
自動ペンは書き続けている間に。
そして遠くでは
ニリオン多元宇宙の宇宙戦争が続いていた。
彼らは知らないまま…
ある隠された現実の中で…
誰かが彼らの物語を書き続けていることを。
「次回更新: 3月 14日 21:00」




