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虚無王ザラビスは退屈している  作者: 釘宮・連
ザラビスの起源に関する注釈
89/95

89.三層宇宙戦争

最初の爆発は予告もなく起きた。


フェルダが放出したエテリアルエネルギーは、あらゆる方向を飲み込む紫の嵐のように次元空間を衝撃した。


その力の波は、ニューリオン多重宇宙第一層の空間を席巻した。


防御次元を周回する守護星々は瞬く間に揺さぶられた。


その一つがヴィレリオン星だった。


数千年にわたり次元の安定点として機能してきた青い結晶の星。


しかしわずか一秒で——


その表面に亀裂が入った。


亀裂は稲妻のように星の地殻全体に広がった。


そして……


バーン!


星は数千の宇宙結晶の破片に砕け散った。


だが破片が遠くに散らばる前さえも——


宇宙の光の中から巨大な手が現れた。


重い一振りで、アルロ・アシュヴァレンはそのエネルギー波をせき止めた。


彼の掌から宇宙重力が発せられた。


次元空間で荒れ狂うエテリアルエネルギーは、まるで突然見えない壁にぶつかった嵐のように強制的に静止した。


フェルダは目を細めた。


「面白いな」


彼は再び手を上げた。


エテリアルエネルギーは、虚無の中から生まれた紫の星のように彼の掌で回転した。


だが今度はアルロは待たなかった。


巨人の身体が動いた。


普通の生物から見れば遅く見える動きだが——


他の宇宙的実体にとっては流星の一閃のように感じられた。


バーン!


アルロの拳がフェルダのすぐ前の虚空に打ち込まれた。


宇宙重力の波が衝突点から爆発した。


第一層を周回する小さな恒星システムは塵のように瞬く間に壊滅した。


フェルダは後ずさりした。


だが彼の笑みはさらに広がった。


「よいだ」


彼のエテリアルオーラが躍動した。


「君のような強力な存在と戦うのは久しぶりだ」


彼の背後で——


エテリアル将軍たちは黙ってはいなかった。


ミロアが先に一歩踏み出した。


冷たい眼が次元の中を見つめていた。


「リーダー」


彼女は短く言った。


「我々に道を開かせてください」


フェルダは振り返らなかった。


だがわずかに頷いた。


それで十分だった。


一瞬のうちに——


エテリアル将軍たちは動き出した。


まるで悪魔の影が次元空間を貫くように。


彼らはアルロに攻撃するのではなかった。


戦いをすり抜け、多重宇宙の奥深くへと向かった。


アルロはすぐに彼らの目的を察した。


彼の眼が鮮やかに輝き出した。


「お前たちの目的は防御層を突破することか」


彼の声は自然の摂理のように響き渡った。


だがフェルダは再び彼の前に現れた。


彼の手のエテリアルエネルギーはさらに濃密に回転していた。


「君の相手は俺だ」


彼は冷たく言った。


「俺に集中しろ」


二度目の爆発が起きた。


エテリアルエネルギーと巨人の重力の衝突が第一層を揺るがした。


アルロたちが本気を出さないのは弱さ故ではなく、ニューリオン多重宇宙を安定した状態に保ち、混乱と崩壊から守るため、主であるニヒロードの多重宇宙の安定性を維持しているのだ。


その一方で——


エテリアル将軍たちは既に次の次元の境界に到達していた。


ニューリオン多重宇宙第二層。


だが彼らが次元の門を通過した瞬間——


突然宇宙的オーラが現れた。


そのエネルギーの圧力が彼らを虚空の中でせき止めた。


そこに一人の存在が佇んでいた。


背が高く、古代竜の鱗と暗い悪魔の怪物のような宇宙鎧で覆われた身体。


眼はまるで新生した星のように輝いていた。


彼は第二層の守護者、ルーザス・リレスだった。


彼はゆっくりと眼を開いた。


「お前たちは行き過ぎだ」


声は静かだった。


だが彼のエネルギーの圧力は周囲の空間を震わせていた。


彼の前に四人のエテリアル将軍が立っていた。


ミロア。


パゴダ。


サストラン。


グレーター。


ミロアは薄笑いした。


「ついに第二の守護者が目覚めたのか」


パゴダはすぐに一歩踏み出した。


無駄な言葉はなく——


最初の攻撃を放った。


巨大な槍の形をしたエテリアルエネルギーがルーザスに向かって疾走した。


だが攻撃が目標に届く前に——


宇宙エネルギーの壁が現れた。


コズミックバリアフィールド。


パゴダの攻撃は盾に衝突し、エネルギーの嵐となって爆発した。


衝撃波が周囲の空間を席巻した。


第二層を周回する世界の一つ、エルドラニス星。


広大な海と緑の大陸に満ちた青い星。


数百万年にわたり発展してきた古代文明の世界。


だが衝撃波が大気に触れた瞬間——


空は瞬く間に割れた。


山々は崩れ落ちた。


大海原は空中に舞い上がった。


ルーザスはそれを見た。


だが彼は阻止する暇がなかった。


バーン!


エルドラニス星は宇宙の光の爆発の中で壊滅した。


初めて——


ルーザスは眉を顰めた。


「……」


グレーターは小さく笑った。


「一つの世界を守れなかったな」


ルーザスは手を上げた。


彼の宇宙オーラが躍動した。


「全ての世界を救えるわけではない」


眼が輝き出した。


「だがお前たちはこの層を通り過ぎることはできない」


戦いが始まった。


その頃——


ニューリオン多重宇宙のさらに奥深く。


第三層。


三人のエテリアル将軍がルーザスの防御を突破していた。


ミロア。


シゲドン。


フジラ。


だが彼らがその次元に現れた瞬間——


すぐに足を止めた。


だって既に誰かが待っていたからだ。


宇宙銀河の黒い眼を持つ、角の生えたセンチュリー型ヒューマノイド悪魔。


手にはまるで彼自身の肉体で出来ているような長剣を握っていた。


彼は第三層の守護者、ウォルサー・ザギだった。


彼は退屈そうな表情で彼らを見下ろした。


「俺は眠っていた」


声は平板だった。


「そしてお前たちは俺を起こした」


フジラは眉を上げた。


「それが何か問題か?」


ウォルサーの答えは非常に簡単だった。


彼は剣を振りかざした。


ヴォイドセバランス。


一筋の黒い線が次元空間に現れた。


一瞬で——


彼らの近くに浮かぶ大陸並みの小惑星は二つに裂けた。


宇宙石の破片は遠くにある一つの世界に向かって落ちていった。


三つの太陽を持つ星、カリュトス星。


小惑星の破片が表面に衝突した瞬間——


星は宇宙の炎の海の中で瞬く間に焼き尽くされた。


シゲドンは大声で笑った。


「よくぞ」


彼のエテリアルオーラが躍動した。


「やっと戦争らしくなってきたな」


そして第一層では——


本戦は依然として続いていた。


アルロとフェルダは、光さえ追いつけない速さで攻撃を交わしていた。


フェルダは小さな星ほどの大きさのエテリアルエネルギー球を作り出した。


エテリアルスタースフィア。


彼はそれをアルロに向けて投げつけた。


巨人は回避しなかった。


片手を上げた。


宇宙重力が巨大な渦のように現れた。


エネルギー球は空中で静止した。


そして——


光の粒子へと崩れ去った。


フェルダは目を細めた。


「思ったより強いな」


アルロは感情のない眼で彼を見つめた。


「これは我々の多重宇宙に崩壊をもたらさないように守る、守護者の務めに過ぎない」


彼は一歩踏み出した。


彼の足取りの下で次元空間が震えた。


「第一層は決して陥落しない」


フェルダは冷ややかに笑った。


彼の周囲のエテリアルオーラがさらに荒々しく躍動した。


「だとしたら……」


彼は再び手を上げた。


これまでよりはるかに大きな紫のエネルギーが形成され始めた。


「……それを証明しろ」


ニューリオン多重宇宙全体に——


三つの宇宙の戦場が同時に繰り広げられていた。


第一層。


第二層。


第三層。


守護者の巨人たち。


エテリアル将軍たち。


そして退却を知らない悪魔のリーダー。


遠く……


遠く……


非常に遠く……


はるか彼方の多重宇宙で……


オメガ・アルファが創り出したホロノヴァ多重宇宙が見えた。


その多重宇宙の上空には、オメガ・アルファが誰かと話している姿が見えた。その人物は「虚無の王」と呼ばれる世界最古の存在だった。


そして


オメガはゆっくりと姿を薄くし、ホロウィングの防御を張り巡らせていた。


どうやら彼は現在、ザラビスがいる次元空間に入り込んでいたのだ。


その次元空間には数え切れないほどの世界への次元ポータルが満ちていた。


ザラビスはかつて自分が入ったことのある世界を指差していた。


それは彼が弟のミジャルンと共に行った世界だった。


そして……


彼がコトラットの世界に入る前に、既にその世界の悪魔王ヴァウを打ち負かしていたのだ。

「次回更新: 3月 10日 21:00」

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