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虚無王ザラビスは退屈している  作者: 釘宮・連
ザラビスの起源に関する注釈
77/95

77.眠りし災いの胎動

アクシス・ヴィタエは、扉と呼ぶにはあまりにも広大な光の中で終わった。


サタンの集団は、螺旋の次元からゆっくりと歩み出した。


最初に地面に足をつけたのは麗二郎だ。


靴の先が、虚空に埋め込まれた巨大な水晶のように、淡く輝く平らな面に触れた。彼は落ち着いて周囲を見回したが、眉間にわずかな皺が寄った。


「……ここは……」


次に現れたサタンは人間の姿で、手はまだポケットに入ったまま、いつも通り悠然とした足取りだった。だが彼の目はすぐに果てしなく広がる水平線を見渡した。


彼らがいたのは、太古の廃墟と宇宙的な風景が融合したような広大な平原だ。


巨大な柱があちこちに折れたまま立っており、支えもなく浮遊しているものもあり、不安定な重力の流れに従うようにゆっくりと回転していた。遠くには次元の亀裂が細い光の筋を作り、まるで空に刻まれた傷のように動いていた。


最後に螺旋から現れたソニアは、すぐに長い溜息をついた。


「……クソッ。神々の文明の墓場みたいだな」


タケルは小さく笑った。


「もしここが墓場なら、俺たちは巨人の墓所を散歩してるってことだな」


「そんなこと平気で言うなよ」ソニアは応酬し、警戒した眼で周囲を見回した。


ハルナはユカリをそっと水晶の面に降ろした。少女はまだ意識を戻しておらず、顔は蒼白で呼吸も細かい。


「ここのエネルギー……重たい」ハルナは囁いた。


白凪はしばらく目を閉じ、周囲の世界の流れを感じようとした。


「……ここは単なる廃墟ではない。結節点だ」


ユラは彼の横に立ち、表情は厳しかった。


「結節点……?」


「多くの運命の糸が交わった場所だ」


しばらく誰も話さなかった。


サタンは一言も発さずに彼らのそばを通り過ぎ、数メートル空中に浮かぶ折れた柱の一つに向かった。彼は手を上げ、その表面に触れた。


柱は静かに震えた。


そして刹那——


水晶の表面に淡い幻影が現れた。


戦いの光景だ。


巨大な生き物たちが光の存在と激突し、空間が引き裂かれ、時間は同時に逆行しながらも進んでいた。


やがて幻影は消えた。


ソニアは唾液を飲み込んだ。


「……あれ、君も見ただろ?」


サタンは答えなかった。ただ柱の表面を、読み取れない眼差しで見つめていた。


麗二郎が近づいてきた。


「アクシス・ヴィタエは、理由なしに誰かをどこかに連れて行くことはない」


タケルは静かに口笛を吹いた。


「つまり……ここは歴史的な場所ってこと?」


白凪は目を開けた。


「……もっと深刻だ。ここはかつて、非常に巨大な何かを創り出すか、あるいは破壊するために使われたのかもしれない」


風が吹き抜け、小さな光の粒子が星の粉のように舞い上がった。


ユラは突然身構えた。


「……悲鳴が……今、よりはっきり聞こえる」


ソニアは素早く振り向いた。


「前と同じ?」


ユラは静かに頷いた。


「……そして、だんだん近づいてきている」


──視点転換──


ソイティ市の空は、既に真っ黒な渦に完全に覆われていた。


ノロは人気のない大通りの真ん中を歩いていた。彼のローブは生きているような黒い液体のように動いた。


一歩ごとに現実の表面が細かく震え、まるで割れかけたガラスのようだった。


彼の後ろには五人の護戒衆が完全な隊形で従っていた。


「彼らの動きは安定しています」一人の護戒衆が報告した。


ノロは立ち止まった。


顔を上げ、エネルギーの渦で裂けた空を見つめた。


「そうだ……彼らは到着した」


仮面に亀裂の入った護戒衆の一人が少し前に進んだ。


「彼らがこの場所を理解する前に、阻止すべきでしょうか?」


ノロは長い間沈黙した。


それから静かに首を振った。


「いい」


地面に映った彼の影は、体よりも数秒遅れて動いていた。


「彼らには見せておかなければならない」


彼は手を上げ、前の空間が幕を開けるように開かれた。サタンの集団が立つ宇宙的な平原の光景が、まるで次元を超えた透明な窓のように空中に現れた。


ノロは落ち着いて彼らを見つめた。


「認識は観察から生まれる。絶望は理解から生まれる」


一人の護戒衆が静かな声で尋ねた。


「では、変容の対象は……?」


ローブの陰から薄い笑みが浮かんだ。


「彼は自身の存在を学んでいる最中だ」


──視点転換──


静かな次元の巣の中で……


ショウヤは一人で立っていた。


エネルギーの霞が、従順な生き物のように彼を取り囲んでいた。


彼はゆっくりと手を上げ、まるで見知らぬものを見るように自分の指を見つめた。


「……これは……」


口から出た声は二重に響いて聞こえた。


一歩前に踏み出した。


足元の水晶の床が細かく割れ……それから数秒で修復された。


彼の目が震えた。


淡い幻影が彼の心に浮かんだ。


笑い声。


足音。


誰かが彼の名前を呼んでいる。


体が突然固まった。


「……名前……」


思い出そうとした。


しかし現れたのは、周囲の空間を鼓動させる激しい痛みだけだった。


エネルギーの霞は一瞬乱暴に回転したが、やがて静まり返った。


ショウヤは頭を下げた。


そして初めて——


表情には感情が現れないまま、涙が目から零れ落ちた。


──視点を主人公グループに戻す──


サタンの集団は廃墟の平原をさらに奥へと進んだ。


彼らは水晶の地面に埋め込まれた巨大な円にたどり着いた。太古の記号が周縁に刻まれており、薄い光を放っていた。


麗二郎は膝をつき、一つの記号に手を触れた。


「これ……私が見たことのある言語ではない」


白凪も近寄ってきた。


「……これは言語ではない。存在の公式だ」


ソニアは眉を上げた。


「人間の言葉で話せないの?」


タケルは薄くクスクス笑った。


「要するに、現実の暗号みたいなものだな」


「それでいいじゃん!」


ハルナは心配そうな表情で円を見つめていた。


「どうして……ここが何かを待っているような気がするの?」


サタンがついに話しかけた。


「だって本当にそうだからだ」


全員が彼を見つめた。


彼は円の中心に立ち、上の裂けた空を見つめていた。


「このような場所は決して死なない。ただ眠っているだけ……目覚めさせる者が現れるまで」


ユラは突然頭を抱えた。


「……悲鳴が……ここから出ている」


記号の円の表面が静かに震えた。


薄い光が一つずつ灯り始め、まるで長い眠りから目覚める星のようだった。


タケルは一歩後ずさった。


「……俺、これが好きじゃない」


ソニアは目を細めて円を見つめた。


「……何かが現れるの?」


サタンは静かに首を振った。


「いいえ」


彼は今やりっぱなしに輝く記号を見つめた。


「……何かが俺たちの存在に気づき始めている」


上空が突然大きく裂け、宇宙的な光の筋が音もなく走る稲妻のように横切った。


ハルナはユカリをもっと強く抱きしめた。


「エネルギーが……劇的に上昇している」


麗二郎はゆっくりと立ち上がった。


「アクシス・ヴィタエが俺たちをここに連れてきたのは、答えを探すためではない」


白凪は頷いた。


「……むしろ問いの一部になるためだ」


風が強く吹き荒れ、浮遊する柱たちはより速く回転し始めた。


そして円の中心で——


小さな亀裂が現れた。


亀裂はクモの巣のように広がり、見慣れた紫がかった黒い光を放った。


ソニアは息を呑んでそれを見つめた。

「……あの色は……」


ユラは静かに囁いた。

「……悲鳴と同じ……」


サタンは瞬きもせずに亀裂を見つめていた。


「……手遅れだ」


突然——


円の中から低い響きが鳴り響き、まるで巨大な心臓がやっと鼓動を始めたようだった。


平原全体が震えた。

亀裂はさらに少し開いた。

そしてその中から……


何かの存在を感じた。


生き物でもなく、エネルギーでもない。


しかし世界に気づき始めたばかりの存在だ。


集団は固まって立ち尽くした。


遠くの空にある次元の亀裂が一つに繋がり、まっすぐに彼らの立つ記号の円を指す一直線になった。


そして遠く離れた場所で——


ノロは笑った。


一方、次元の巣の奥深くで——


ショウヤはゆっくりと顔を上げた。


真っ黒な目が震え……理解できない呼びかけを聞いているかのようだった。


平原は再び鼓動した。


一度。

二度。

そしてだんだん速くなった。


まるで現実の中の何かが……ついに目を完全に開け始めたかのようだ。


そしてそこにいる誰一人、本当に気づいていなかったが——


彼ら全員は……もはや永遠に世界を変える災いの誕生の中心に立っていた。

「次回更新: 2月 10日 21:00」

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