77.眠りし災いの胎動
アクシス・ヴィタエは、扉と呼ぶにはあまりにも広大な光の中で終わった。
サタンの集団は、螺旋の次元からゆっくりと歩み出した。
最初に地面に足をつけたのは麗二郎だ。
靴の先が、虚空に埋め込まれた巨大な水晶のように、淡く輝く平らな面に触れた。彼は落ち着いて周囲を見回したが、眉間にわずかな皺が寄った。
「……ここは……」
次に現れたサタンは人間の姿で、手はまだポケットに入ったまま、いつも通り悠然とした足取りだった。だが彼の目はすぐに果てしなく広がる水平線を見渡した。
彼らがいたのは、太古の廃墟と宇宙的な風景が融合したような広大な平原だ。
巨大な柱があちこちに折れたまま立っており、支えもなく浮遊しているものもあり、不安定な重力の流れに従うようにゆっくりと回転していた。遠くには次元の亀裂が細い光の筋を作り、まるで空に刻まれた傷のように動いていた。
最後に螺旋から現れたソニアは、すぐに長い溜息をついた。
「……クソッ。神々の文明の墓場みたいだな」
タケルは小さく笑った。
「もしここが墓場なら、俺たちは巨人の墓所を散歩してるってことだな」
「そんなこと平気で言うなよ」ソニアは応酬し、警戒した眼で周囲を見回した。
ハルナはユカリをそっと水晶の面に降ろした。少女はまだ意識を戻しておらず、顔は蒼白で呼吸も細かい。
「ここのエネルギー……重たい」ハルナは囁いた。
白凪はしばらく目を閉じ、周囲の世界の流れを感じようとした。
「……ここは単なる廃墟ではない。結節点だ」
ユラは彼の横に立ち、表情は厳しかった。
「結節点……?」
「多くの運命の糸が交わった場所だ」
しばらく誰も話さなかった。
サタンは一言も発さずに彼らのそばを通り過ぎ、数メートル空中に浮かぶ折れた柱の一つに向かった。彼は手を上げ、その表面に触れた。
柱は静かに震えた。
そして刹那——
水晶の表面に淡い幻影が現れた。
戦いの光景だ。
巨大な生き物たちが光の存在と激突し、空間が引き裂かれ、時間は同時に逆行しながらも進んでいた。
やがて幻影は消えた。
ソニアは唾液を飲み込んだ。
「……あれ、君も見ただろ?」
サタンは答えなかった。ただ柱の表面を、読み取れない眼差しで見つめていた。
麗二郎が近づいてきた。
「アクシス・ヴィタエは、理由なしに誰かをどこかに連れて行くことはない」
タケルは静かに口笛を吹いた。
「つまり……ここは歴史的な場所ってこと?」
白凪は目を開けた。
「……もっと深刻だ。ここはかつて、非常に巨大な何かを創り出すか、あるいは破壊するために使われたのかもしれない」
風が吹き抜け、小さな光の粒子が星の粉のように舞い上がった。
ユラは突然身構えた。
「……悲鳴が……今、よりはっきり聞こえる」
ソニアは素早く振り向いた。
「前と同じ?」
ユラは静かに頷いた。
「……そして、だんだん近づいてきている」
──視点転換──
ソイティ市の空は、既に真っ黒な渦に完全に覆われていた。
ノロは人気のない大通りの真ん中を歩いていた。彼のローブは生きているような黒い液体のように動いた。
一歩ごとに現実の表面が細かく震え、まるで割れかけたガラスのようだった。
彼の後ろには五人の護戒衆が完全な隊形で従っていた。
「彼らの動きは安定しています」一人の護戒衆が報告した。
ノロは立ち止まった。
顔を上げ、エネルギーの渦で裂けた空を見つめた。
「そうだ……彼らは到着した」
仮面に亀裂の入った護戒衆の一人が少し前に進んだ。
「彼らがこの場所を理解する前に、阻止すべきでしょうか?」
ノロは長い間沈黙した。
それから静かに首を振った。
「いい」
地面に映った彼の影は、体よりも数秒遅れて動いていた。
「彼らには見せておかなければならない」
彼は手を上げ、前の空間が幕を開けるように開かれた。サタンの集団が立つ宇宙的な平原の光景が、まるで次元を超えた透明な窓のように空中に現れた。
ノロは落ち着いて彼らを見つめた。
「認識は観察から生まれる。絶望は理解から生まれる」
一人の護戒衆が静かな声で尋ねた。
「では、変容の対象は……?」
ローブの陰から薄い笑みが浮かんだ。
「彼は自身の存在を学んでいる最中だ」
──視点転換──
静かな次元の巣の中で……
ショウヤは一人で立っていた。
エネルギーの霞が、従順な生き物のように彼を取り囲んでいた。
彼はゆっくりと手を上げ、まるで見知らぬものを見るように自分の指を見つめた。
「……これは……」
口から出た声は二重に響いて聞こえた。
一歩前に踏み出した。
足元の水晶の床が細かく割れ……それから数秒で修復された。
彼の目が震えた。
淡い幻影が彼の心に浮かんだ。
笑い声。
足音。
誰かが彼の名前を呼んでいる。
体が突然固まった。
「……名前……」
思い出そうとした。
しかし現れたのは、周囲の空間を鼓動させる激しい痛みだけだった。
エネルギーの霞は一瞬乱暴に回転したが、やがて静まり返った。
ショウヤは頭を下げた。
そして初めて——
表情には感情が現れないまま、涙が目から零れ落ちた。
──視点を主人公グループに戻す──
サタンの集団は廃墟の平原をさらに奥へと進んだ。
彼らは水晶の地面に埋め込まれた巨大な円にたどり着いた。太古の記号が周縁に刻まれており、薄い光を放っていた。
麗二郎は膝をつき、一つの記号に手を触れた。
「これ……私が見たことのある言語ではない」
白凪も近寄ってきた。
「……これは言語ではない。存在の公式だ」
ソニアは眉を上げた。
「人間の言葉で話せないの?」
タケルは薄くクスクス笑った。
「要するに、現実の暗号みたいなものだな」
「それでいいじゃん!」
ハルナは心配そうな表情で円を見つめていた。
「どうして……ここが何かを待っているような気がするの?」
サタンがついに話しかけた。
「だって本当にそうだからだ」
全員が彼を見つめた。
彼は円の中心に立ち、上の裂けた空を見つめていた。
「このような場所は決して死なない。ただ眠っているだけ……目覚めさせる者が現れるまで」
ユラは突然頭を抱えた。
「……悲鳴が……ここから出ている」
記号の円の表面が静かに震えた。
薄い光が一つずつ灯り始め、まるで長い眠りから目覚める星のようだった。
タケルは一歩後ずさった。
「……俺、これが好きじゃない」
ソニアは目を細めて円を見つめた。
「……何かが現れるの?」
サタンは静かに首を振った。
「いいえ」
彼は今やりっぱなしに輝く記号を見つめた。
「……何かが俺たちの存在に気づき始めている」
上空が突然大きく裂け、宇宙的な光の筋が音もなく走る稲妻のように横切った。
ハルナはユカリをもっと強く抱きしめた。
「エネルギーが……劇的に上昇している」
麗二郎はゆっくりと立ち上がった。
「アクシス・ヴィタエが俺たちをここに連れてきたのは、答えを探すためではない」
白凪は頷いた。
「……むしろ問いの一部になるためだ」
風が強く吹き荒れ、浮遊する柱たちはより速く回転し始めた。
そして円の中心で——
小さな亀裂が現れた。
亀裂はクモの巣のように広がり、見慣れた紫がかった黒い光を放った。
ソニアは息を呑んでそれを見つめた。
「……あの色は……」
ユラは静かに囁いた。
「……悲鳴と同じ……」
サタンは瞬きもせずに亀裂を見つめていた。
「……手遅れだ」
突然——
円の中から低い響きが鳴り響き、まるで巨大な心臓がやっと鼓動を始めたようだった。
平原全体が震えた。
亀裂はさらに少し開いた。
そしてその中から……
何かの存在を感じた。
生き物でもなく、エネルギーでもない。
しかし世界に気づき始めたばかりの存在だ。
集団は固まって立ち尽くした。
遠くの空にある次元の亀裂が一つに繋がり、まっすぐに彼らの立つ記号の円を指す一直線になった。
そして遠く離れた場所で——
ノロは笑った。
一方、次元の巣の奥深くで——
ショウヤはゆっくりと顔を上げた。
真っ黒な目が震え……理解できない呼びかけを聞いているかのようだった。
平原は再び鼓動した。
一度。
二度。
そしてだんだん速くなった。
まるで現実の中の何かが……ついに目を完全に開け始めたかのようだ。
そしてそこにいる誰一人、本当に気づいていなかったが——
彼ら全員は……もはや永遠に世界を変える災いの誕生の中心に立っていた。
「次回更新: 2月 10日 21:00」




