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71.下にあるのは破壊ではない

彼らは歩みを止めなかった。


その言葉が口から出た後も、誰もすぐに応えなかった。


ひび割れたアスファルトの上で、足音は依然として規則正しく響き、まるで世界が休息を許さないかのようだった。


街灯がだんだんまばらになる。


建物は住宅から空っぽの倉庫へと姿を変えた。


空気には湿った土と錆びた鉄の匂いが混じっていた――都市にあるはずのない匂いだ。


やがてソーニャが沈黙を破った。


「ねえ」


サタンは一瞬だけ視線をそらし、完全に振り返ることはなかった。


「お前、何か言いたいことがあるなら、普通ならもっと前から言ってるはずだろ?」ソニアは続けた。


サタンは立ち止まった。


突然でもなければ、ドラマチックな様子でもなかった。


ただ……止まることを決めただけだった。


他の人たちもつられて立ち止まり、まるで足取りが無意識のうちに彼と繋がっていたかのようだ。


サタンは前方を見つめた。


枯れた草が生い茂る荒れ地のように見える空き地と、歪んだ鉄のフェンス、そして何の看板もない小さな建物のある方向へ。


「俺たちが向かっている場所は」と彼はやがて言った。


「もうすぐだ」


シラナギは眉をひそめた。「ここ?」


「この下だ」


静寂が訪れた。


風がそっと吹き抜け、どこからともなく金属同士が擦れる音が運ばれてきた。


ユラは少し前に踏み出した。「サタン様……ここは何なのですか?」


サタンはそっとため息をついた。


ほとんど聞こえないくらいだった。


「『ドラゴンバースト』の地下本部だ」


様々な反応が現れた。


ニカはあくびをやめた。

クロズミは笑顔を消した。

コウガイは言葉もなく、腕に抱えるヒノカの姿勢を整えた。

シラナギは地面を見つめた。「……まだ活動中の領域だったはずじゃないですか?」


「本来はそうだ」とサタンは答えた。

ソーニャは周囲を見回した。「でも見た目は……死んでるようだな」


「死んでるんじゃない」サタンは言った。


「終わってるんだ」


彼は一歩前に進み、また立ち止まった。


「この本部は」と彼は続けた。


「攻撃を受けて滅びたわけじゃない」


ユラは目を見開いた。「では?」


「見捨てられたからだ」サタンは答えた。


「そして長い間見捨てられたものは……決して本当に空っぽにはならない」


その言葉が宙に浮かんだ。

空気はより重く感じられた。


ヒノカは小さく震えた。「私……何か残響が感じられるんです……でも音じゃなくて……」


サタンは彼女を見た。「それは機能の残滓だ」


「機能ですか?」ソーニャはつぶやいた。


「ああ、ここは一つの目的のために作られた」サタンは言った。


「そしてその目的はまだ完全には止まろうとしていない」


彼らは再び動き出した。


小さな建物はだんだん近づいてきた。


鉄製の扉は半開きで、丁番は錆びついており、まるで誰かが慌てて出ていったか、わざと閉めなかったかのようだ。


壁には「ドラゴンバースト」の紋章の跡がまだかすかに残っていた。


焼きつけられ、

引き裂かれ、

中途半端に消された跡だ。


シラナギは壁に手を触れた。「熱の痕があります……でも爆発のようなものではありません」


「過負荷だ」サタンは言った。


「機械からじゃない。決断からだ」


ソーニャは小さく鼻を鳴らした。「決断が爆発するなんて言うなよ」


「ああ、するんだ」サタンは答えた。


「あまりに長く先延ばしにされたならば」


彼らは地下に続く建物の中に入った。


中には螺旋階段が暗闇へと続いていた。


非常灯は薄暗く光り、いくつかは消え、いくつかは自分の役割を忘れたかのように点滅していた。


ニカは唾液を飲み込んだ。「わかった……ここは完全に好きじゃない」


クロズミは彼女を見た。「でもまだ降りるんだろ?」


「……うん」


階段を降りる足音が響き渡った。

一つ目の踊り場。

二つ目。

三つ目。

下るほどに空気は変化した。


寒くなるわけではなかった。


より空虚になった。


まるでここがかつてにぎやかだったのに、突然全ての声が強制的に追い出されたかのようだ。


今やサタンが一番前を歩いていた。


無意識のうちに。

ソニアは後ろから彼を見つめていた。


肩の筋肉が少し緊張している様子。

足取りはより計算されている様子。


彼は怖がっているようには見えなかった。

ただ……思い出しているように見えた。


「ねえ」ソニアは今度は冗談めいた口調ではなく、静かに言った。


サタンは階段の途中で立ち止まった。「ああ、どうしたソニア?」


「前にここに来たことがあるんだろ?」


静寂が訪れた。


数秒が経って彼は答えた。


「いや」と彼は言った。


「でもこんな場所には……下に何か大きなものがある」


「一体何があるんだ?」


サタンは考え込んだ。


「ある……なあ、知らない」と彼はやがて言った。


「このサタンめ!」ソニアは怒りを込めて言った。


彼らは最下階に着いた。


広い廊下が延々と続き、切れたケーブル、壊れた操作盤、横に倒れた鋼製の扉があった。


死体はない。

血痕もない。

大規模な戦闘の跡もない。

むしろそれが不気味なのだ。


ユラはささやいた。「綺麗に去ったんですね……」


「いや」サタンは訂正した。


「慌てて去ったんだ」


彼は中央制御室に入っていった。


部屋の真ん中には、リアクターか制御中枢のような大きな構造物が崩れ落ちており、まるで内部から砕け散ったかのようだった。


サタンは長い間それを見つめていた。


「ここが」と彼は静かに言った。


「亀裂が最初に音を立て始めた場所だ」


シラナギは思わず振り返った。「これまで言っていた『亀裂』のことですか?」


サタンは頷いた。


「こんな場所は」と彼は続けた。


「終わらない決断を秘めている」


ソニアは腕組みをした。「で『ドラゴンバースト』の決断とは……?」


サタンはしばらく目を閉じた。


「……逃げることだ」


誰も笑わなかった。

誰も言葉を返さなかった。


なぜか、それは壊滅よりもずっと重たく響いたからだ。


サタンは目を開けた。


「ここに長くはいない」と彼は言った。


「そしてまだ作動しようとしているものには絶対に触れないこと」


「なぜですか?」ニカが尋ねた。

「この場所は」サタンは答えた。


「まだ自分が必要とされていると信じているからだ」


彼は全員に振り返った。


「そしてもし再びそう信じさせたなら」と彼は言った。


「世界は代償を請求するだろう」


ソニアは彼を見つめた。


「じゃあ……この後はどこへ行くんだ?」


サタンは黙った。

それから率直に言った。


「もっと下へ行く」と彼は言った。


「誰が先に行く?」


再び沈黙が訪れた。


そして崩れた本部のずっと下で


警報でもなく、

機械の音でもなく、

生き物の気配でもなく


何かが動いた。


まるで世界が……


座る場所を変えたかのようだ。


そしてサタンは、彼らが共に歩み始めて以来初めて、


次の一歩が


今までと同じように踏み出せるかどうかさえ


わからなくなった。


なぜなら彼らの下には、この世界を動かす何かが存在していたからだ。


ドラゴンバーストの地下本部は、彼らを危険で迎え入れることはなかった。


不気味な静寂で迎え入れたのだ。


本廊下は長く続き、非常灯は半ば覚めずに無秩序に点滅していた。金属製の壁には熱の痕、重火器による擦り傷、そして破壊ではなく故意に消し去られたような紋章の跡があった。


まるで誰かがこの場所を記憶に残したくないかのようだ。


ソニアはシラナギと共に先頭を歩き、目を左右に動かしていた。


「……おかしいな」とつぶやいた。


シラナギは頷いた。「崩壊したという本部にしては、あまりにも整然としている」


彼らの後ろには、五人のエグアマ族の悪魔たちが群れをなして歩いていた。


ニカ・シャケミは脇の部屋を覗き込んだ。「ねえ、ここ昔の食堂みたい……でも食器がまだそのままだよ」


クロズミ・コウヤは平然と言った。「慌てて逃げる奴らが食器まで持っていくわけない」


ユラは最後尾で悠然と歩くサタンを見た。黒いコートのポケットに両手を入れ、悪魔の角が赤い非常灯の光にかすかに輝いていた。


「サタン様……少しでも落ち着きすぎではないですか?」ユラは慎重に呼びかけた。


サタンは肩をすくめた。「歩いているだけだ」


「それは答えになってない」ソニアは振り返らずに言った。


サタンは薄笑いした。


彼らは横倒れになった大きな鋼製の扉を通り過ぎた。奥には刑務室のような部屋があった。


あるいは……その残骸だった。


鉄格子は歪み、一部は床から引きちぎられていた。独房の壁は内部から壊されており、爪痕、衝撃の跡、熱の痕が混ざり合っていた。独房の扉は全て大きく開き、一部はどこかへ行方不明だった。


静寂だ。


死体はない。

血痕もない。

ここで誰かが死んだ証拠すらない。


ソニアは立ち止まった。


「……わかった、正式に鳥肌が立つよ」


コウガイに抱きかかえられているヒノカは、兄の首にしがみつく力を強めた。「私……ここが嫌いです……」


シラナギは破損の跡を観察した。「外部からの侵入ではない」


ユラは頷いた。「これらの独房は……閉じ込められていた者によって壊されたのです」


全員の視線がゆっくりとサタンへと向いた。


サタンはある独房の中を見つめ、首を少し傾けた。


「ふむ」


ソニアは目を細めた。「『おかしいな』とか言うなよ」


「違う」サタンは答えた。


「よかった」


「これは……むしろ」とサタンは悠然と続けた。「彼らは監禁されていたのではない」


全員が黙り込んだ。


「……じゃあ?」ニカが尋ねた。


「待たされていたんだ」サタンは答えた。


クロズミはため息をついた。「わかった、今日一番気持ち悪い言葉だ」


ソニアは一番奥の独房の床に開いた穴を指差した。ひび割れは大きく、床は崩落し、暗くて底の見えない巨大な円柱状の穴が開いていた。


「そこが……」ソニアは唾液を飲み込んだ。「彼らの脱出経路じゃないよな?」


サタンは穴の近くまで歩み寄り、それを見つめた。


しゃがみ込んだ。


覗き込んだ。


それから立ち上がった。


「ふむ」とまた言った。


ソニアはすぐに鼻を鳴らした。「何か知ってる時に『ふむ』って言うのが好きなんだな」


「知らない」サタンは素早く答えた。


全員がすぐに顔を向けた。


シラナギは眉を上げた。「本当に?」


サタンは真剣そうに頷いた。「もちろん」


ソニアは近づいてすぐ前に立った。「嘘ついてる」


「俺は悪魔だ」サタンは平然と言った。「嘘はつかない」


「じゃあ言いたい放題だ」


サタンは小さく笑った。あまりにも落ち着いた笑いだ。


「分かった」と彼は言った。「知ってる」


「やっぱり!」


「でも完全には知らない」


「クソだな!」


ユラは口を開いた。「サタン様……」


サタンは一本の指を立てた。「待て」


彼はまた穴を見つめた。


「この穴は」と静かに言った。「脱出用に作られたものじゃない」


シラナギは眉をひそめた。「では何のため?」


サタンはソニアに振り返った。


笑顔が変わった。


人間の笑顔でもなく、

優しい笑顔でもない。


何が起こるかを完全に知っている悪魔の笑顔だった。

「降りるためだ」と彼は言った。


ソニアは固まった。

「……どこへ?」


サタンは首を傾け、角が輝いた。

「本部の」と答えた。「本来アクセスすべきでない場所へ」


ソニアは一歩後退した。「わかった。やめよう。まず話し合おう」


サタンは近づいた。


「話し合いはもう終わった」


「ヘイッ-!」


素早い一動作で、サタンはユラ、ニカ、クロズミ、コウガイ、ヒノカを一斉に押した。


「サタン様-?!」


叫び声が響き渡り、彼らの身体は穴の中へと自由落下し、声は深く深く響き渡り……だんだん小さくなり……小さくなり……


シラナギは目を見開いた。「サタン-?!」


サタンは既に動いていた。


シラナギも押した。


「ヘイッ-?!サ……タ……タ……タ……た……た……ん……ん」


シラナギの声は闇の中へ消えた。


ソニアは一瞬固まった。


それから慌てた。


「高い所から落ちるのは無理-!」


振り返って逃げようとした。


足元を取られた。

サタンは彼女の手首を掴んだ。


ソニアは叫んだ。「離せ-!」


サタンは彼女を引き寄せ、二人の顔は呼吸一つ分の距離だった。


また悪魔の笑顔が浮かんだ。


「落ち着け」と彼は柔らかく言った。「俺もついていく」


「そんなの安心できない-!!」


サタンは飛び降りた。

二人は落下した。

風が鳴り響いた。


重力は容赦なく引き寄せる。


ソニアは目を閉じて全力で叫び、一方サタンは豪快に笑い、その声は深い垂直の廊下で乱暴に響き渡った。


「ハハハハ-!久しぶりにこんなことしたな!」


「これは遊園地のアトラクションじゃない-!」


彼らはずっと落下し続けた。


円柱の壁に埋め込まれた非常灯が、階層を通り過ぎる度に一つずつ光り、壊れた扉や通路、プラットフォームが一瞬見えるたびに、この本部の深さが公に知られているものよりはるかに大きいことが分かった。


ソニアは片目を開けた。


「……まだ着かないのか-」


サタンは後ろから彼女を抱きしめ、姿勢を安定させた。


「言っただろ」と彼は楽しげに言った。「深いんだ」


「吐きそうだ-」


「まだだ」


「何のことだよ『ま-』」


着地した。

激しい衝撃ではなかった。


コントロールされた揺れと共に、サタンは最後の金属床に足を着け、勢いを完璧に吸収した。ソニアはよろけ、膝が弱ってひざまずき、すぐに口元を押さえた。


「……生きてる……」


サタンは悠然と立ち上がった。「もちろんだ」


ユラたちは既にそこにいて、一部は地面に横たわり、一部は唖然としながら起き上がっていた。


ニカは震える手でサタンを指差した。「様……あれは……あれは……!」


「効率的だ」とサタンは早口に言った。


クロズミは小さく笑った。「認めざるを得ない……格好良かった」


シラナギは立ち上がり、顔色は悪かった。「予告もなく押すなんて~」


サタンは振り返った。「長い話し合いを防いだだけだ」


ソニアはよろよろと立ち上がり、サタンの胸をポンと殴った。「このクソ悪魔!」


サタンは彼女を見つめた。

「……ありがとう」


ソニアは固まった。「それは褒め言葉じゃない」


彼らの前には、最後の地下空間が広がっていた。


より古く、

より暗く、

そして明らかに……ドラゴンバーストの当初の設計にはない場所だった。


奇妙な構造物が壁に張り付き、技術ではないような紋章が刻まれていた。ここの空気は鳴っているのではなく、押し付けてくるようだった。


サタンは笑いを止めた。


彼は前方を見つめた。

顔は静かだ。

あまりにも静かだ。


「ここが」と彼は静かに言った。「彼らが閉じ込められた場所だ」


ソニアは彼の横に立ち、まだ震えながらもまっすぐ前を見つめた。


「……誰が?そして俺たちをここに連れてくる理由は?」


サタンは振り返らなかった。


「なぜなら」と彼は言った。


「世界が大きな声で語り始めた時……」


「……最も深い場所で聞かなければならないからだ」


そしてその部屋の壁の奥深くで――


何かが動いた。

生き物でもなく、

機械でもない。


まだ決定されていない


選択の跡だった。

「次回更新:1月 29日 21:00」

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