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67.均衡の側に立つ者

(ショウヤ視点)


地下の静寂は特別だった。


空虚な静けさではなく、重たくのしかかるような静けさだ。まるでこの空間が、過ぎ去った戦いの残響をまだ抱え込んでいるかのようだ。金属の匂い、埃、そして武器の残り熱が混ざり合い、冷たい空気に染みついていた。


ショウヤはゆっくり目を開けた。


ドラゴンバースト兵器庫の天井が一時的に霞んで見え、やがてだんだんとピントが合ってきた。非常灯が薄暗く光り、鉄壁に沿って整然と並んでいた。大きな兵器ラックが巨人の影のようにそびえ立ち、静かだが威圧感を与えていた。


体は……虚しい。


痛みでもない。


傷もない。


ただ虚しい。


指を動かそうとした。動いた。


腕を動かした。重いが、まだ従順だ。


普段は無意識のうちに流れていたエネルギーが、どこにもない。


「……はあ」


息の音が、自分の耳には不思議なほど聞こえた。


今、記憶が蘇る。


ジョウシロウ。


「もう終わりだ、ショウヤ」


「強がるな。お前はリーダーだ、機械じゃない」


それからこの部屋。


ドラゴンバーストの地下兵器庫。


安全な場所。


すべてが再び動き出す前の、最後の場所。


ショウヤはしばらく目を閉じた。


みんなは行ってしまった。


ササメ。


チハナ。


ハルナ。


ジョウシロウ。


タケルとレイジロウの後を追って。


刑務所の独房へ。


果てしない回廊へ。


そして、先頭に立つはずだった彼は、休憩するために残された。


彼らが自分を疑ったからではない。


むしろ、信じてくれたからだ。


「くそ……」ショウヤはつぶやいた。「お前たちは優しすぎる」


ゆっくりと座り込み、背中を冷たい大型兵器庫に寄りかけた。息はまだ荒いが、思考はだんだんと明晰になってきた。


不思議だ。


焦燥感もない。


取り残される恐怖もない。


そこにあるのは……むしろ惹かれるような感覚だった。


まるでこの地下よりも深い場所で、何かが動き出しているようだ。


呼んでいる。


ショウヤは眉をひそめた。


声でもない。


幻視でもない。


胸にかかる、微かな圧力のようなものだ。


方向だ。


「あの回廊……」と囁いた。


目で見ているわけではない。


そこにいるわけでもない。


だがどうしてか、分かっている。


彼らはもう走っていない。


もう離れ離れになっていない。


もう強いられていない。


選ばれている。


その自覚が、胸を少し締め付けた。


「レイジロウ……」


その名前が、自然と唇からこぼれ落ちた。


妬みでもない。


嫉妬でもない。


ただ認める気持ちだ。


レイジロウはリーダーではない。


そう名乗ったことも一度もない。


だが回廊を司るのか、世界そのものがいつも彼の後を追って動いている。


ショウヤは小さく、皮肉な笑みを浮かべた。


「お前が道しるべになるのなら……」とそっと言った。「俺の役目は変わるんだな」


うつむき、自分の手を見つめた。


リーダー。


これまで、その言葉は常に先頭に立ち、命令を出し、最大のリスクを背負うことを意味していた。


でも今は?


今、世界は彼が目覚めるのを待ってはいない。


そして不思議なことに……それは間違っているようには感じない。


ショウヤは深呼吸をした。


そして、何かが変わった。


部屋の中ではない。


彼の中でだ。


かすかだった圧力が、より鮮明になった。エネルギーでもない。力でもない。ただ共鳴だ。


まるで同じ流れが、別の場所で開かれつつあるかのようだ。


レイジロウと同じ道ではない。


交差する道だ。


ショウヤは立ち上がった。


足元はふらついたが、倒れなかった。兵器ラックに手をついてバランスを保った。心拍は安定していた。


「ジョウシロウは正しかった……」つぶやいた。「俺は確かに虚しいんだ」


目を閉じた。


普段なら、こんな時は無理やりにでも。


残りの力を絞り出す。


自分の体の限界に抗う。


だが今回は……そうはしなかった。


聞き入った。


そして、その静寂の中で、言葉を失うような事実に気づいた。


回廊は彼を追いかけるようには呼んでいない。


回廊は……彼を避けている。


拒絶しているのでもない。


追い払っているのでもない。


まるで、自分の流れを決めた川のようだ。


ショウヤは小さく、そっと笑い出した。


「こんなものか……」と低く囁いた。「世界は俺がいなくても動くんだな」


声には苦渋はなかった。


ただ受け入れているだけだ。


だが受け入れることと、諦めることは同じではない。


目を開けた。


視線は今や鋭く、静かで、計算に満ちていた。


「俺が道しるべではないのなら……」と言った。「俺は均衡を保つ者になる」


ゆっくりと兵器庫のエリアから歩み出した。ドラゴンバーストの地下回廊が長く続き、薄暗い非常灯がかすかに点滅していた。


一歩一歩が重たく感じられた。


体のせいではない。


決断のせいだ。


彼は刑務所の独房へは行かない。


果てしない回廊へも行かない。


道を曲がった。


ドラゴンバーストの本部でさえ滅多に使用しない路線へ。


この基地が改修される前の、初代基地の基礎となった古い構造の奥深くへ。


古いシステムがまだ鼓動を刻んでいる場所。


直接的には繋がっていないが……流れを乱すのに十分なほど近い場所だ。


「レイジロウ」ともう一度囁いた。今度は小さな笑みを浮かべて。


「彼らを導け」


足取りは確かだった。


「世界が一方に傾かないよう、俺が見守る」


そして遠く地下深く、誰の手も届かない場所で


何かが震えた。


回廊でもない。


アクシス・ヴィタエでもない。


長い間忘れ去られていた、古い構造体だ。


虚しいとされていたショウヤの存在が、今はなはだしくも目覚めるべきではないものを作動させたかのようだ。


物語はまだ結束していない。


だが初めて


リーダーは仲間たちを追いかけていない。


彼はもう一方の側から、運命の流れを横切っていた。


ショウヤは気づかないうちに、兵器庫の棚にずっともたれかかっていた。


金属の冷たさが背中に染み込む。痛くはないが、自分がまだここにいること、まだ生きていること、まだ……取り残されていることを思い出させるには十分だった。


ドラゴンバースト基地の地下は静かだ。普段ならシステムの音、要員の足音、いつでも「使用可能な状態」にある兵器の音があふれている場所だが、今はあまりにも静かすぎる。


今、ここにあるのは自分の呼吸音だけだ。


重たい。


肉体の傷が全力で手当てされたからではない。はるかに埋めるのが難しいもの——エネルギーの欠如が原因だ。体は空っぽで、バッテリーが「残量わずか」ではなく、完全に切れたような感じだ。


ジョウシロウは彼に休憩するよう言っていた。


命令ではなかった。


むしろ……断れないような頼み事だった。


「お前はリーダーだ」その時ジョウシロウは言った。


「だからこそ、今は無理をしちゃいけないんだ」


ショウヤは目を閉じながら、その言葉を思い出した。


リーダー。


その言葉が胸に妙に響く。重いのではなく、虚しい。すべてが始まってから初めて、最前線にいない。仲間たちと一緒ではない。あの回廊へと進んでいない。


レイジロウ。

タケル。

チハナ。

ミズキ。

ササメ。

ジョウシロウ。


名前が一つずつ心に浮かび、霞を突き抜けようとする小さな光のようだった。


「死ぬなよ、この野郎ども……」かすかに、ほとんど声にならないくらいつぶやいた。


目を開けた。


兵器庫の天井にはひびが入っている。細かな亀裂ではなく、大きな欠け目だ。まるで何かが上から破壊しに来たかのように、ガタガタと荒々しい形だ。埃があちこちに積もり、いくつかの兵器棚は崩れ落ちている。他の棚は開いたまま中身が散乱し、普段のように整然と並んでいない。


これは古い損傷ではない。


大きな出来事の跡だ。


ショウヤは右手を棚の端に当て、ゆっくりと力を込めた。筋肉が抗おうとするが、彼は止まなかった。動きは遅く、計算されたものだ。不注意になる余裕はない。


立ち上がると、視界が少し揺れた。


彼は立ち止まり、世界が回転するのを待った。


「はあ……」


呼吸は重い。


よし。まだ立っていられる。


兵器庫を出る一歩目は奇妙な感覚だった。まるで外の床は、自分の知っている基地のものではないかのようだ。


地下回廊が目の前に広がる——あるいは、回廊の残骸が広がっているのだ。


壁はいくつかの箇所で崩落し、支えの柱は折れている。ケーブルは切れた血管のように宙にぶら下がっている。非常用照明は一部でまだ光り、かすかに点滅しながら、本来あるはずのない長い影を作り出していた。


そして……


ショウヤは足を止めた。


遠くに、基地の下部が大きく開いている。


大きな穴は普通の爆発では作れない。端っこがあまりにも……きれいだ。まるでその空間が存在から引き剥がされたかのようで、破壊されたのではない。


穴からは、上からかすかな光が差し込んでいる。


ランプの光でもない。


システムの光でもない。


外の光だ。


「……なんだこれは?」


ショウヤの声は、周囲の虚ろな響きにかき消されそうだった。


彼は慎重に近づいた。一歩ずつで、瓦礫の破片が鳴り響く。安全な場所から端っこに立つと、下を見下ろした景色が首筋に寒気を走らせた。


床でもない。


瓦礫でもない。


深淵だ。


あの回廊だ。


ドラゴンバースト基地の構造を飲み込む巨大な垂直穴は、まるでこの基地がはるかに古く深い何かの上にある薄い層に過ぎないかのようだ。


下から上がってくる空気は……おかしい。冷たくもなく、暑くもない。だが重たく、体より先に思考を圧しつぶすような感じだ。


ショウヤは半歩後ずさった。


「……ここが落ちた場所か……」


当麻レイジロウ。

銀城タケル。

そしてあの罪人、猛撃邪。


ショウヤの胸が締め付けられる。


猛撃は普通の罪人ではない。混沌とした変数だ。こんな場所に連れて行くべきではない存在だ。


そして今……回廊は彼らの基地の下にある。


ショウヤはしばらく目を閉じた。


怖いからではない。


自分自身に怒っているからだ。


もしエネルギーが残っていたら。


もし休憩する必要がなかったら。


もし一緒に降りられたら。


だが現実は「もしも」など知らない。


目を開け直し、穴から視線をそらした。見なければならない場所がもう一つある。


刑務所だ。


足取りは遅いが、決意は明確だ。収容エリアへ続く回廊は一部崩落しているが、まだ通れる。道中、抵抗の形跡を見つけた。壁がはがれ、衝突の痕跡、片付けられなかった混乱の跡がある。


この基地は内部と下部から攻撃された。


そして彼らはあっという間に敗れた。


ショウヤが収容エリアの前に着くと、また立ち止まった。


鉄の扉は開いている。


こじ開けられたのではない。


開けられたのだ。


猛撃の独房は……空っぽだ。


中に抵抗の痕跡もなく、血もなく、過度な損傷もない。ただ一つ残っているのは、あまりにも清らかな静寂だけだ。


ショウヤは長い間そこに立っていた。


「お前はあいつを回廊へ連れて行ったんだな……」誰かに向けたようでもなく、そっと言った。


レイジロウはきっとリスクを知っていた。


タケルは迷いながらもきっと同意した。


そして他の仲間たちは……他に選択肢がないから、きっとついていった。


彼は拳を握った。


リーダー。


だが今、彼は遠くからついていくことしかできない。


ショウヤは振り返った。大きな穴の方向へ戻る。今度はもっと近くまで行き、下からの微かな引力を感じるほどだった。


回廊は動いていない。


呼びかけることもない。

拒絶することもない。


ただ……存在している。


まるで待っているようだ。


ショウヤは穴の中を見つめた。


「俺はまだ降りてない」そっと、自分自身に向けて言った。

「だが、来ないと思うな」


その瞬間


穴の中の光が変わった。

明るくなるのではない。


……層に分かれたようだ。


まるで何かが彼の視線に気づいたかのようだ。


レイジロウでもない。

タケルでもない。

知っている誰かでもない。


ショウヤは胸に微かな圧力を感じた。脅威でもなく、痛みでもない。


評価のようなものだ。


彼は一歩後ずさった。

光は元に戻った。

穴は再び静かになった。


ドラゴンバースト基地は再び静寂を取り戻した。


だがショウヤは一つだけ確かなことを知っていた。


回廊は彼の存在を知っている。

そして早ければ遅ければ


彼の存在も求めるだろう。


ショウヤは長い息を吐き、振り返って歩き去った。


今はまだだ。


だが間もなくだ。


そして遠く下の、まだ手の届かない場所で……


顔もない何かが微笑んだ。

「次回更新:1月 21日 21:00」


更新が遅くなってしまい、申し訳ありません。

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

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