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50.悪魔エグアマ

砂塵はまだ完全には収まらない。

地面のひび割れは微かに鼓動し、まるでロヨダ市そのものが息を呑んでいるかのようだ。


崩れ落ちた塀の前、シラナギとソーニャは肩を並べて立っていた。彼女たちの呼吸が安定しているのは、体が疲れていないからではない。体内を流れる魔王のエネルギーが、疲労が生まれる前にそれを抑え込んでいるのだ。


目の前には、ブラック・ヤニュエーターの軍勢が、すべてを飲み込もうとする黒い波のように広がっていた。

最前列の後ろには、小五六ノ梅奈コゴロク・バイナが長いマントのポケットに手を入れて立っていた。その左右には、夜魔九郎ヨマ・クロ弦威炎ゲン・イエン妄夜羅我モヤ・ラガ、そして体が支えられてはいるものの座ることを拒む但十葉座我タジュバ・ザガがいた。


彼らの視線は……すべて前方に向けられていた。


「軍勢を進めさせろ」

小五六は静かに言った。

「どこまで持ちこたえられるか……見てみたいんだ」


戦いの雄叫びが炸裂した。

数十人のブラック・ヤニュエーター員が一斉に駆け出し、破裂した嵐のようだ。


シラナギが先に動いた。

一歩、二歩——そして姿を消した。


次の瞬間、敵の中隊に現れた彼女は、膝を一人の男の胸に打ち込んだ。その体は弾けるように飛び、さらに二人を撞倒させた。シラナギは回転し、肘を敵の顎に叩きつけ、踵で次の相手の足元を払った。動きは速く、冴えて、迷い一つなかった。


一方、ソーニャは双剣サビトを掲げた。

ガシャンッ!

黒と赤が交じった二枚の刃が空を切った。手に宿る魔王の力が角度を調整し、斬り下ろす瞬間に重みを増していた。


一つ……二つ……三つ。敵はほぼ同時に倒れた。


ソーニャは後ろに跳び、槍の攻撃をかわし、低く身をかがめて双剣で地面を払った。近づいてきた足元を掻き倒したのだ。


「包囲させるな!」

シラナギが叫んだ。


「右は俺が守る!」

ソーニャが応えた。


彼女たちは、何十年も練習してきたかのように動いていた——それでも実際には練習したことはない。


ブラック・ヤニュエーターは素人ではなかった。彼らは散開し、包囲しようとし、死角から攻撃を仕掛けてくる。


だが隙間が生まれるたび、シラナギはすでにそこにいた。

敵の肩に跳び乗り、その体を踏み台にして前方に滑空し、着地する前に次の相手の顔を蹴り込んだ。


ソーニャは回転し、双剣の角度を変える——刃は一瞬伸び、振り返ることなく後ろからの攻撃を遮った。


後列にいた弦威炎は目を細めた。

「動きが……あまりに整ってるな」


「整ってるんじゃない」

夜魔九郎は静かに答えた。「効率的だ」


座我は短く笑った。息はまだ荒いのに。

「それに……これはまだ彼女たちの全力じゃない」


小五六はただ、薄い微笑みを浮かべていた。


次の軍勢はさらに速く迫ってきた。

攻撃は波のように連続して襲いかかる。


シラナギは守りに回らざるを得なかった。腕で三度の攻撃を一気に受け止め、後ろに滑り、足を地面に付けてから反撃——真っ直ぐなパンチで腹を打ち、続いて回転蹴りを放った。


ソーニャは高く跳び上がり、双剣を頭上で回転させた。着地と同時に刃を地面に打ちつけ——


小さな地鳴りがした。

敵たちは足元を揺さぶられた。


その瞬間——

ドゴンッ!

遠くから重い音が轟いた。


地面が震えた……それは彼女たちのせいではなかった。


シラナギは足の裏からその振動を感じ取った。

「ソーニャ……感じるか?」


「うん……だけど——」


攻撃がまたやってきた。

誰も止まらなかった。


時間は長く感じられた。

一分。二分。いくら経ったのかわからない。


汗がにじみ出始めたが、疲労に変わることはなかった。


シラナギは打ち、遮り、動き続けた。体は軽く感じられ、思考は鋭い。敵の攻撃は一つ一つ少し遅く見えてきた。


ソーニャは息を弾ませていたが、目は集中し続けていた。双剣の一振り一振りは的確で、余計な動作はなく、力の無駄もなかった。


後ろで妄夜羅我は腕を組んだ。

「まだ遅くなってないな」


「うん」

九郎が答えた。「それが問題だ」


地鳴りはまた聞こえた。

ドゴン……ドゴン……

今度はもっとはっきりと。


小五六は一瞬、音の方向を振り返り……また戦場に目を戻した。

「続けろ」

彼女は言った。「何であれ……まだここまでは来ていない」


数が効いてきた。

十五人……二十人……三十人が同時に攻撃を仕掛けてくる。


シラナギは高く跳び上がり、崩れた岩の上に着地し、矢のように滑り降りた。両足で地面を打ちつけ——


バンッ!

敵たちは弾き飛ばされた。


ソーニャは両手で双剣を掲げ、三方からの圧力を受け止めた。魔王の力が刃を震わせ、耐久性を高めていた。


「止まるな!」

ソーニャが叫んだ。


「止める気はない!」

シラナギが応えた。


地鳴りは今度はより強く感じられた。

遠くの建物から砂塵が崩れ落ちた。


だが誰もが止まることはなかった。


小五六が真面目な顔になった。一歩前に踏み出した。

「夜魔」


「はい」


「もし彼らがここまで突破したら——」


「私が動きます」

九郎が答えた。


弦威炎は拳を握った。

「俺が先に行く」


妄夜羅我は薄く笑い、指輪を回した。

座我は静かに笑った。

「また血を流してくれるのが楽しみだ」


小五六は手を上げた。

「まだだ」


彼女の目はシラナギの一挙手一投足を追い、ソーニャの一振り一振りを見つめていた。

「呼吸の調整を見ろ。距離の読み方を見ろ」


彼女は微笑んだ。

「面白い」


シラナギは一人の敵を空中に蹴り上げ、体を回転させてから、着地する前に別の敵の側頭部を肘で打ち込んだ。


ソーニャは低く身をかがめて双剣を払い、すぐに掲げて上からの攻撃を遮った。


血は? 流れていた。

だがそれは焦点ではなかった。


感じられるのは、スピード。

プレッシャー。

足音と武器の打ち鳴り。


地鳴りはまた聞こえた。

ドゴン……ドゴン……

もっと近くに。


だがこの戦場は……まだ終わっていなかった。


ソーニャは手の甲で額の汗を拭いた。

「シラナギ……敵が尽きないわ」


シラナギは薄く笑った。息は速いのに。

「いいじゃない。それは俺たちがまだ立っている証拠だ」


双剣は微かに震えていた。

魔王の力は何も言わなかった。

ただ……見守っていた。


ブラック・ヤニュエーターの軍勢はまだ進んでくる。

シラナギとソーニャはまだ戦い続ける。

小五六と将校たちは立ち、鋭い目で見つめている。


そして遠く彼方——

はるかに大きな何かが……近づき続けていた。


この戦いは、まだ頂点に達していなかった。


───


一方、ロボット・ゾルントラが首領サオ・バイに連行され、荒れ果てたドラゴン・バーストの司令部では、ハガネ猛撃モウゲキが、黒牙クロキバたちに甘んじることができないと感じ、去ることを決めていた。だがその前に、貴族パーティーのエネルギーをすべて奪いに行くとして——


鋼と猛撃は喧嘩になっていた。エネルギーの玉は一つしかないからだ。その光景を見た零次郎レイジロウは、逃げる好機を見つけた。


猛撃は鋼を叩き、言った。

「俺が彼らを連れてきたんだ。だからエネルギーは俺が取るんだ!」


鋼は反撃し、抗議した。

「へへ~ 誰が彼らを倒したんだい? もちろん俺だろ。だからエネルギーは俺のものだ」


猛撃は怒りを募らせ、鋼を蹴りかけた。だが鋼はかわした。


壁にひび割れが入り、その壁は崩れ落ちて部屋に覆いかぶさった。


その頃、悪魔イブアマの軍団がロヨダ市に到着し、巨大なエネルギーの源を調べに来ていた。


彼らが見たのは、二人の人間の女が百人もの敵と戦っている姿だけだった。


一人の悪魔が、二枚刃の双剣に強力なエネルギーを感じ取り、言った。

「カゲツメ……その剣には眼がある。すごく大きなエネルギーを持っている。巨大なエネルギーの源はこの剣だろう。行くか?」


首領である影爪由良カゲツメ・ユラは冷たく答えた。

「うん……彼らの戦いが終わってから、行く」

「次回更新:12月 28日 20:20 / 21:00」

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