49.運命は決まっている
半ば捨てられた街
石畳の割れた道を踏む足音が反響した。夜のロヨダ市は不思議な空気に包まれていた——古びた街灯はまだ灯っているのに、建物は空っぽで、窓は板で塞がれ、一部は崩れ落ちていた。
ソーニャは周囲を見回した。
「静か…けど、全然空っぽじゃないような気がするの」
白凪は頷いた。「この街、途中で捨てられたみたいだ」
ソーニャの手にした赤黒の鎌が震えた。
「ロヨダ」
サタンの声は平板だった。「昔は交易の中心地だった。今は…巣窟だ」
「巣窟?」
ソーニャは振り向いた。
「悪魔の巣窟だ」
白凪は驚いた。「だけど、強いオーラは感じないんだ」
「隠れてるんだ。この街の地下を支配する悪魔の一味がいる」
サタンの口調が少し変わった。
「正直…俺も驚いたよ」
「なんで?」
ソーニャが尋ねると、サタンは答えた。
「楽しくなっちゃったから」
白凪はつまずきそうになった。「楽しくなった?!」
「コトラット世界で、こんなに大胆に一味を作る悪魔がいるとは思わなかったんだ」
くつろいだ口調で会話は続いていた。二人は屋根の上を動く二つの影に気づいていなかった。
妖魔・黒は迷彩の技術で体を自然と溶かし込み、すべるように移動していた。後ろには、苑・苑が見守っていた。
「強いな」
イエンは囁いた。
「俺は知ってる。だけどその鎌…怪しい」
クロが答えた。
彼らは最初から探知されていることに気づいていなかった。
ソーニャの手の鎌が鼓動した。
「二匹のネズミか」
サタンは心の中で呟いた。「放っておこう」
その時、三人の足取りは止まった。暗く重たい巨大な壁が立ちはだかっていた——戦場の城壁のように、無数の補修痕がついていた。大きな鉄板にはこう書かれていた。
【ブラック・ヤニュエイター 支配地域】
白凪は眉をひそめた。「いつからこんな壁があったんだ?」
ソーニャは不安そうだった。「道を間違えちゃったの?」
サタンはささやいた。「あの密偵…55分前に姿を消したよ」
白凪は警戒した。「この壁、高さは?」
「45メートル。幅800メートル。長さ1.2キロメートルだ」
二人は言葉を失った。
ソーニャは唾液を飲み込んだ。「壁の向こうに…敵がいるの?」
サタンはくつろいだ調子で答えた。
「今、こっちに向かって歩いてるよ」
白凪は慌てた。「何人だ?!どんな一味?!リーダーは誰?!」
サタンの答えは早く、冷たかった。
「306人。ブラック・ヤニュエイター。リーダーは梅奈・古楽」
静寂が訪れた。そして口笛のような音がした。
「ロケットだ!」
白凪が叫んだ。
「逃げろ!」
サタンは人間の姿に変わり、ソーニャを抱き上げた。白凪は走り出した。
ドゴォォンッ!
爆発が壁に命中した。壁は亀裂が入り、崩れ落ちた。街全体が震動し、煙が空を覆った。
煙の向こうから彼らは現れた。前には古楽が立ち、そばにはクロ、イエン、田十葉・ザガ、妄・羅賀。後ろには306人の兵隊が続いていた。
白凪は鳥肌が立った。ソーニャは鎌をしっかり握り締めた。
「覚悟しろ」
サタンが言った。
エネルギーが二人の体に流れ込んだ。
ソーニャは驚いた。「体が…軽い!」
白凪も同じ感覚を得た。「反射神経が上がった」
「追加の力。持久力。反射神経。すぐに疲れないようにした」
「ありがとう!」
二人は声を上げた。
サタンは再び鎌の姿に変わった。「構えろ」
ソーニャは震えた。「サ…サタン…あの三人は誰なの?」
「ふーん…」
白凪が先に言いかけた。「まず分析しろ!」
サタンは短く説明した。
「クロ:迷彩、不可視攻撃。年齢28歳。
イエン:家壊しの殴り込み。年齢25歳。
羅賀:毒ナイフ使い。年齢31歳。
そして古楽は36歳だ」
「はいはい、わかった。彼らが動き出すぞ」
「ありがとう!」
ソーニャと白凪は走り出した。
ブラック・ヤニュエイターの兵隊が襲いかかってきた。
白凪は鎌を地面に突き刺した。圧力の爆発が彼を空中に押し上げた。体を回し、着地した。
古楽が一気に飛びかかってきた。パンチは白凪の顔に向けられていたが、白凪は反射神経で素早く避け、体を回して——
蹴りで応酬した。
ドゴォォンッ!
二つの力がぶつかった。地面は割れた。戦いが始まった。
地底のドラゴンバースト本部
牢屋で貴族党の囚人たちを見守っていた猛撃と鋼は、本部が震動するのを感じた。
「うるさいな…」
猛撃は震動で目を覚ました。
「地震か?!」
鋼は警戒した。「違う」
本部の大広間で、早梅はロボット・ゾルントラに乗り込んでいた。
黒牙が現れた。「それ…ブラック・ヤニュエイターの仕業だ」
「無視しろ」
早梅は冷たく言った。「乗り込め。この世界に侵攻する。ノロを打ち破るために」
精神エネルギーを流し込み、ボタンを押した。
ゾルントラが立ち上がった。地面は崩れ、建物は倒壊した。早梅はゾルントラに乗って、最初の目標——悪魔窟・エグアマ(デーモンゴア・エグアマ)に向かって出発した。
悪魔窟・エグアマ
古びた暗い洞窟。リーダーは可愛らしい帽子をかぶった女性悪魔、影爪・由良。彼女は立ち上がり、何かを察した。
「誰かが来てるわ」
平然と言った。
他の四人の悪魔が振り向いた。「エネルギー…すごく大きい」
「同じ種族?」
ユラは薄笑いを浮かべた。「もしかしたらね」
振り返って言った。「行こう。ここは崩れるわ」
彼らは900年間住んできた窟を後にした。
ロヨダ市は震動し続けた。ブラック・ヤニュエイターはソーニャ、白凪、サタンと対峙し、ドラゴンバーストのゾルントラは悪魔窟・エグアマに向かっていた。
コトラットの空が亀裂を入れ始めた。
世界の運命…今、決まりつつあった。
「次回更新:12月 26日 20:20 / 21:00」




