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37.ソーニャと犯罪者ハンター隊の残りのメンバー

廃墟の静寂の中で


巨大な建物の奥深く、静寂が空気を圧迫する。ソーニャは残りの仲間たちと共に、長い道を歩んできた先に立っていた。その前には、頂エイ・ジャと緋田鋼が佇んでいる。


ソーニャは表情を一変させ、まっすぐ頂エイ・ジャを指差した。思いもしない素早さで。


「お前は俺が相手にする。」


残りの4人は、2人が「スクワット・スネーク」の一員であることを信じられないような目をしていた。


頂エイ・ジャ——巨躯で、不動の山のような気配を放つ。

緋田鋼——背の高い、骨太な体には有機的な鉄の模様を刻んだ薄黒い鎧がまとわりついている。


頂エイ・ジャが先に声を発した。低く、深く、建物中に反響するような声だ。


「ソーニャ。お前が戻ってきたと……聞いていた。」


ソーニャは戦士の構えを取り、瞳に鋭い光を宿した。


「俺から取り上げたものがある。お前を殺す。」


頂エイ・ジャの瞳が少し細まった。怒りも驚きもない。ただ、『ああ、ようやく時が来たか』というような眼差しだ。


緋田鋼が静寂を破り、ソーニャの背後を見つめた。


「後ろの4人は仲間か?」


その4人とは——


ヨル:回復術師。長い髪に優しい瞳、金の装飾のついた杖を持つ。

アラタ:技術兵器使い。背中に2基の浮遊デバイスを背負う。

由香里ユカリ:水魔術師。濃い青の髪に、落ち着いたオーラを放つ。

零次郎レイジロウ:槍使い。細身だが肩幅が広く、鋭い眼光を持つ。


ソーニャは手を上げた。


「あの背の高いのは俺の物。お前たちは緋田を取れ。」


緋田鋼は鼻先を鳴らした。


「4対1か? クソっ。いいだろう。来い。」


言葉と同時に、緋田は建物のより広い場所へと一気に移動した。4人はすぐに追いかけ、後ろから零次郎が叫んだ。


「気をつけろ、ソーニャ姉!」


ソーニャ VS 頂エイ・ジャ


ソーニャが地面を蹴る瞬間、頂エイ・ジャも動き出した。


前触れもなく。

言葉もなく。

ただ、空気が裂ける音が響く——


バウン!!


頂エイ・ジャの大きな拳が、小惑星のように横から襲いかかる。ソーニャは後ろに跳び退き、足元の床は細かな破片に崩れ去った。


地下室にいるサタン(ザラビス)は一言も発さず、瞳を閉じて誰かと精神を繋いでいた。


その時、ソーニャの頭の中にサタンの声が響いた。


「スピードが予想以上だ! 足の動きに集中せよ!」


ソーニャは拳を握り、一気に前に飛び出し左に回転する。頂エイ・ジャは巨大な影のように追いかけてくる。その巨体からは想像できない速さだ。


ソーニャは下から拳を打ち上げる。


頂エイ・ジャは腕で受け止めた——


ジィッ!!


鋼鉄同士がぶつかるような音が響く。


ソーニャは3メートル後ろに吹き飛んだ。


頂エイ・ジャは少し腕を振るった。


「お前の手は前より重いな。」


ソーニャは呼吸を整え、拳の震えを抑えた。


「お前の拳は前よりうっとうしい。」


頂エイ・ジャはかすかに微笑んだ。


バウン!!


突然、姿を消した。


次の瞬間、ソーニャの頭上に現れ、右拳を振り下ろす。ソーニャは体を回転させ、上に蹴り上げる。


頂エイ・ジャはその蹴りを手のひらで受け止め、体を回転させて横蹴りを放つ。


ソーニャは技を手に集中させ、拳でその蹴りを受け止めた——


ブワオーン!!


風の波が押し寄せ、ソーニャは3回転ほど転がり倒れた。


立ち上がると、頂エイ・ジャは既に目の前にいた。休む間も与えない。


左拳。

右拳。

肘。

低蹴り。

肩当て。


攻撃は止まることのない嵐のようだ。


ソーニャは受け、避け、跳び、回転して防御するが、頂エイ・ジャの攻撃の圧力で腕はしびれるほどだ。


サタンの声が頭の中で叫んだ。


「ソーニャ!! 左——!!」


ソーニャは電光石火のように体を回転させ、左から襲いかかる拳を受け止めた。だが、攻撃の衝撃で膝が折れ、地面についた。


頂エイ・ジャは上からソーニャを見下ろした。


「お前は早く学ぶ。だが、まだ足りない。」


そして、床を打ちつけた——


ドオオーン!!


エネルギーの波が四方に広がる。ソーニャは空中に跳び上がるが、頂エイ・ジャはすぐに追いかけ、横から蹴りを放つ。


ソーニャは15メートルも飛ばされ、3枚の壁を打ち抜き、すべてを崩してしまった。


塵埃がゆっくりと立ち上る。


ソーニャはギザギザと立ち上がった。だが、サタンを救うため、決して諦めない。


深く息を吸い込む。


体には紫がかった白いオーラが纏わりつき始めた。


ソーニャは少し屈み、新しい構えを取った。


「『位相転移——ヴェイル・ステップ』」


そして、姿を消した。


頂エイ・ジャは眉を上げた。


「ふむ?」


ソーニャはその背後に現れた。


高速な拳と蹴りを繰り出す。


頂エイ・ジャは体を回転させ、肘で受け止めた。


ソーニャは止まらない。さらに2蹴り、高速な拳、斜めに斬るような攻撃を放つ。


頂エイ・ジャは一歩後退した。


初めてのことだ。


ソーニャは再び攻撃を仕掛ける。


スピードは増す。拳と蹴りは徐々に圧力を与え始めた。


頂エイ・ジャは受け、遮り、体を回転させ、防御するが、攻撃はもはや一方的ではなかった。


ソーニャはますます速くなる。


30回目の拳と蹴り。

40回目の連続蹴り。


空気が震え始めた。


建物には無数の亀裂が入り始めた。


今度は頂エイ・ジャが後退していく。


ソーニャは雷光のように動き、一歩一歩が短距離テレポートのようだ。


頂エイ・ジャはやがて後退を止めた。


重心を下げ、クラシックボクシングのような構えを取った。


そして——


ワッハッ!!


頂エイ・ジャの右拳が横からソーニャの手を打ち、軌道を外させた。だがソーニャは体を回転させて諦めず、頂エイ・ジャの腕の下をすり抜け、下から拳を打ち上げる。


頂エイ・ジャは後ろに跳び退き、攻撃は空を切るだけだった。


ソーニャは前進し続ける。


「俺は止まらない!」


「いいだろう。」頂エイ・ジャは微笑んだ。「今になってようやく面白くなってきた。」


二人は同時に飛び出した。


拳と拳が空中で連続してぶつかる——


バウオーン!!


衝撃波が周囲のガラスを粉々に砕いた。


戦いは続く——


ソーニャは体を螺旋のように回転させる。

頂エイ・ジャは腕で受け、三連拳で反撃する。

ソーニャは素早いフットワークで避け、横にすり抜ける。

頂エイ・ジャは蹴りを放ち、ソーニャは跳び上がって体を回転させ、空中から蹴りを放つ。


毎回の衝突で床や壁は亀裂を増やし、濃い灰と火の粉が舞い上がる。


そしてやがて……


頂エイ・ジャはスペースを失い始めた。


ソーニャはその巨人の動きのリズムを読み始めた。一つ一つの拳、一つ一つの息遣い、小さな呼吸の間も。


ソーニャは右に拳を打つ。

頂エイ・ジャは受け止める。

ソーニャは180度回転し、高く跳び上がる。

頂エイ・ジャは上を見上げる。

ソーニャは上から雷のように蹴りを振り下ろす——


チョウ!!


頂エイ・ジャは受け止めたが、体の位置がズレた。


ソーニャはついに隙を見つけた。


「捕まえた!」


頂エイ・ジャの胸に、斜めから強烈な一撃を打ち込む。


頂エイ・ジャは左手で受け止めたが、ソーニャの推力はあまりに強かった。


頂エイ・ジャの体は5歩分後退した。


初めてのことだ。


ソーニャはかすかに微笑んだ。


「今度は俺たちが均衡を保つ。」


頂エイ・ジャは微笑み返した。


「いや。今になってお前は昔の自分を超えたんだ。」


戦いはまだ終わっていない。


だが今……ソーニャが優位に立っている。


緋田鋼 VS 夜・新・由香里・零次郎


ソーニャが頂エイ・ジャに攻撃を仕掛けると、残りの4人も行動を始めた。


緋田鋼は頭を上げた。


「準備はいいか?」


零次郎が前に進んだ。


「俺たちを甘く見るのは危険だ。」


緋田鋼は答えなかった。


ただ、姿を消した。


次の瞬間、零次郎の目の前に現れ——


ドバアン!!


緋田の拳が零次郎の槍に打ち当たり、零次郎の体は地面ごと後退し、地面は裂け目を生んだ。


新はすぐに2基の攻撃ドローンを活性化させた。


「『追跡ユニット07、バーストモード!』」


5発のエネルギー弾が同時に撃ち出された。


緋田鋼は手をひろげた。


弾はすべて体に届かず粉々になった。


由香里が前に進んだ。


「『水の結界』!」


地面から水の柱が湧き出し、緋田を包もうとする。水は螺旋のように巻きつき、水竜のような鎖に変わった。


緋田鋼はそれを見て、腕を後ろに引いた——


バウン!!


一撃で水の構造物は完全に崩れ去った。


由香里は圧力波に吹き飛ばされた。


「ギ、ギラい……!」


夜はすぐに杖を上げた。


「『聖域のヴェール』!」


白い盾が広がり、粉塵の爆発が由香里に届くのを防いだ。


新は地面を蹴り、前に滑り込んだ。


「左を俺が取る!」


零次郎は右から跳びかかり、槍は雷光のように伸びる。


緋田鋼は一つの動きで両方を遮った。


たった一つの動きで、新を空中に叩き上げた。


零次郎は槍を回転させた。


「俺の攻撃はまだ終わっていない!」


鉄の嵐と多元宇宙の声


緋田鋼は体を低く屈め、低い構えを取った。


そして地面を打ちつけた——


ドオオーン!!


砕けた岩の波が空中に舞い上がる。零次郎はその壁に阻まれ、前に進めなかった。


由香里は両手を挙げた。


「『キュービクル・サージ!!』」


壁のように高い水の波が上から崩れ落ち、三方向から緋田を叩きつける。


新はドローンから電気ケーブルを水の中に打ち込んだ。


「『導通!』」


水は一気に巨大な電撃場に変わった。


緋田鋼はその真ん中に立っていた。


一ミリも動かない。


やがて水は外に飛び散り、割れたドームのように崩れ去った。


緋田は煙の中から現れた。


傷一つない。


だが……彼は微笑んだ。


「お前たちの攻撃、まぁまぁだな。」


零次郎は再び前に進み、槍には白いオーラが燃え上がっていた。


「『まぁまぁ』だと!?」


高く跳び上がり、槍をプロペラのように高速で回転させた。


新はレーザーを撃ち出す。

由香里は水の槍を放つ。

夜は杖を掲げ、三人全員のスピードを上げるバフをかけた。


三つの攻撃が一点に集中する——


それは緋田鋼の位置だ。


緋田は右足を上げた。


地面を一つだけ叩いた。


トック。


衝撃波が上に跳ね返り、三つの攻撃を同時に打ち消した。


光の爆発がしたたかに広がる。


三人は吹き飛ばされた。


だが今度は……


緋田が半歩だけ後退した。


「ああ……」緋田はさらに大きく微笑んだ。「これがやっと攻撃と言えるな。」


零次郎は痛みを抑えながら立ち上がった。


「俺たち……できるんだよな?」


夜は杖を上げながら頷いた。


「お互いの隙を補い合えば、できる!」


新は新しいモードを活性化させた。


「『オーバーヒート・パルス』。」


ドローンは赤く輝き始めた。


由香里は巨大な水の渦を呼び起こした。


四方から攻撃が迫る。


緋田は深く息を吸い込んだ。


「そうか……」

体をさらに低く屈める。

「俺も本気になったら責めないでくれよ。」


そして第二の戦いは、エネルギーと水、光と鉄の音の嵐へと変わった。


多元宇宙の扉守りとの対話


一方で、サタン——いや、ザラビスは瞳を閉じ、静かに座っていた。彼の意識の中には、誰か別の存在がいて、それと会話をしているようだった。


それはザラビスの最初の友であり、同じく強力な宇宙的存在である「オメガ・アルファ」だった。彼女は多元宇宙そのものよりも大きな体を持つ女性型の宇宙存在で、時間の番人であり、「次元のゲイト・オブ・ディメンショナル」と呼ばれていた。


その時、ザラビスが心の中で言った。


「そろそろだよ、オメガ。」


オメガ・アルファの声が意識の中に轟いた。


「ヌル? どこにいるんだい? お前の多元宇宙を守っていないのか!?」


ザラビスは心の中で笑いながら答えた。


「やあやあ……実は退屈しのぎに隠れてるんだよ。この世界に行く時、俺についてきてくれるかな?」


オメガ・アルファは怒鳴った。


「なんで! 最初から言わなかったの!? このニヒルなバカモノめ!」


ザラビスは友の怒りに反論できなかった。


「ははは!……ごめんごめん。俺は理解できない世界を知りたかっただけだ。今度連絡したら、来てくれるかな?」


オメガ・アルファはため息混じりに答えた。


「やあやあ、好きにしろよ。このニヒルなモンスターめ。」


ザラビスはオメガ・アルファとの精神的な接続を断ち、瞳を開いた。そこには既に戻ってきた白凪シラナギが立っており、彼に尋問を始めようとしていた。


だが……ザラビスは恐ろしい笑みを浮かべた。

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