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【コミカライズ始動】アラフォー警備員の迷宮警備 ~【アビリティ】の力でウィズダンジョン時代を生き抜く~  作者: 日南 佳
第二章

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第41話

 俺達はヘカトンケイルのすぐ近くまで移動した。こうして見ると思ったよりデカい。

 ……俺の場合、これよりずっとデカい魔物を間近で見た事があるので、あまり驚異に感じないのが困った所だ。



「こーれは……思った以上に大きいっスね」


「そう……だなぁ、うん。おっきいおっきい」


「渉さん、呉のダンジョン・ゴーレムの事は一旦忘れましょ……夏冬に東京の同人誌即売会行った後、多少の行列がゴミみたく見えるのと同じ症状出てます」



 やっぱり美沙もそう思うか。規格外を体験すると物のスケール感を見誤ってしまう。

 そうして油断した奴から死んでいくんだ。呉のダンジョン・ゴーレムだろうとこのヘカトンケイルだろうと俺よりデカい事には変わりない……あ、そうだ。



(トーカ、新規スキル001を停止してくれ。人前で発動したらとんでもない事になる)



 新規スキル001は俺より質量の大きい物に対して基礎能力値が千倍で計算されるチートスキルだ。

 このスキルのおかげでダンジョン・ゴーレムのパンチを盾一枚で弾き飛ばす事が出来たが、今適用されるとマズい。

 ヘカトンケイルがチートマシマシの洋ゲーよろしく物理法則を無視して世界の彼方に吹っ飛んだり、昔のアニメのように地球を三周くらい周回して落ちてくるとか、探索者のみならず野次馬やマスコミにまで言い逃れできない地獄絵図を見せつける事になってしまう。

 そもそも種別がアクションスキルではなくパッシブスキルなのが特にタチが悪く、質量が俺より大きければ魔物でなくても発動するので、うっかりミスで人や物件に壊滅的被害が出たらヒヤリハットでは済まない。

 あのスキルは俺個人ではどうにもならない時に、誰もいないのを確認してからこっそり使うのがいいだろう。

 


《承知しました。新規スキル001を停止しました。……チッ》



 おい何だその舌打ちは。とんでもない事になって欲しいのかお前は?

 とにかく、これでどうにか目立たずに立ち回れる……そう思った瞬間、違和感が俺を襲った。



(体が……重い!?)



 いきなり力が抜けたように足が、腕が、体が重い。もしかしてヘカトンケイルには範囲型のデバフを撒くスキルがあったりするのか?

 それとも新規スキル001を解除した事による副作用か何かか?



《警告します。アビリティ:キング・アンド・クイーンが強制終了しました。管理者:高坂渉の基礎能力値が通常に戻っています》



 呉で言ってた謎の超強力バフが切れたって事か。そもそも一体誰が何の目的で付けてたのかは知らないが、今ここで無くなるのはマズい。

 これまでこんな感じで体が重くなる事は無かった。一体何が起こっているんだ?



《アビリティは意図的な思考に依らず、無意識的な使用が可能であり、睡眠中でも維持が可能です。今回のアビリティの停止した様子から鑑みるに、自らの意思による停止ではなく使用者の意識途絶、ないし死亡が考えられます。使用者は先ほどの部屋にいた和服姿の女性、個体名:雪ヶ原あかりです》


「えっ」



 思わず声が漏れ、足が止まってしまった。異変を察した美沙が駆け寄ってくる。



「どうしたんスか、渉さん……? 顔色凄く悪いっスけど……」


「美沙、雪ヶ原に連絡出来るか?」


「え、あかりさんに? そりゃあ電話番号聞いてますから出来ますけど……」


「大至急連絡を取ってくれ、もしかしたらとんでもない事になってるかも知れん」



 美沙が頷いて後ろに下がり、スマホで連絡を取ろうと試みている。旗頭である俺が立ち止まった事で赤帽軍団とラピスが俺の側に駆け寄ってきた。



「おとーさん? だいじょーぶ? いたい?」



 一桜が俺の背中を撫でさする。が、俺の心中は穏やかではなかった。バフが切れた体の重さよりも、メンタルにのしかかった嫌な予感の方がよっぽど重い。

 雪ヶ原は日本一の諜報機関のトップとは言え、まだ十八歳の少女だ。ダマで色々仕組まれたとは言え、俺はそんな多感な年頃の子に拒絶の言葉を叩きつけた。

 強いショックを受けていたのはその様相からすぐに分かってはいたが、俺は何もフォローもせずに放ったらかしにした。

 もし、雪ヶ原を追い込んでしまっていたら? そのせいで最悪の手段を選ばせてしまったら? そう考えると罪悪感で頭がどうにかなりそうだった。

 足を止めていられる状況じゃないのに、体が言う事を聞いてくれない。



「……これはダメじゃな。トーカ殿、妾がアレをどうにかしてみようぞ。何か良き手はないか?」


「そうですね。では新規スキル001を限定的に貸与します。人間体のままで貫通力の高い攻撃をヘカトンケイルに行使して下さい。間違えても誤射しないようにお願いします」



 動けずにいる俺をよそに、ラピスとトーカはヘカトンケイルを討伐する算段を立てている。言葉短に作戦に関するやりとりを終え、ラピスがヘカトンケイルに突撃を仕掛けた所で美沙が入れ替わりで戻ってきた。



「……電話をかけたら霧ヶ峰が出ましたよ」


「……何かあったのか?」


「気を確かに持って下さいね。……あかりさんが拳銃自殺を図りました」



 俺は足元が抜けたような感覚に陥ってしまった。俺のせいでそこまで追い詰めてしまった事実に、震えが体を襲う。

 拳銃による自殺の方法は大体頭部を狙った物だろう。奇跡的に生き残ったとしても脳への損傷は免れない。最悪、一生を病院のベッドで過ごす事になるかも知れない。



「事前に察知した闇ヶ淵が取り押さえようとしましたが、タイミングがちょっと遅かったみたいで……とりあえずヒールポーションで命を繋いでいる状態です」


「なるほど、それは重畳です」



 何の感情も乗せずに言い放ったトーカの肩を掴んで、俺は怒鳴ってしまった。



「重畳なわけがあるか! 人が死にかけてるんだぞ! 一体何考えてんだ!」



 しかしトーカは俺の怒声に対して感情の動きを一切見せず、無表情をこちらに向けたまま俺に問うた。



「何故激昂なさっているんですか? 個体名:雪ヶ原あかりは管理者:高坂渉に無断で裏から手を回し、危難を押し付けた張本人です。情報操作のプロフェッショナルである事は認めますが、管理者:高坂渉の自由とのトレードオフです。手綱を握れない暴れ馬ほど扱いに困る物はありません。こちらが手を下さずとも勝手に消えて結構な事ではありませんか?」



 あまりの物言いに俺は閉口してしまった。トーカはさらに美沙に顔を向け、続けて問う。



「利する所があるのは奥方様も同様です。管理者:高坂渉に付与されていたアビリティの内容から見ても、個体名:雪ヶ原あかりは奥方様の恋敵と言えるでしょう。家庭内の平穏を守る為には、不和の種は一つでも多く消えた方がいいのでは?」



 美沙もトーカの問いかけにバツの悪そうな表情を浮かべ、顔を背けた。

 そう、俺も美沙も、雪ヶ原達に迷惑をかけられた側だ。何ならトーカ……原初の種子も被害を被っている。俺の育成計画? とでも言うのだろうか、シナリオを狂わされたと言っていた。

 そもそも人間ではないトーカに人間性を求めるのが間違いなのかも知れないが……それでも、俺は雪ヶ原の事を死んでいい人間だと思ったりはしない。

 それに、何だかんだ助けてもらった恩もある。このまま死に別れと言うのは気分が悪い。

 


「……トーカ。確かに最速で俺を種子の力に目覚めさせる為に発生したあれこれは雪ヶ原のせいと言えるだろう。俺に嘘の告白をした事も気分が悪い。でも、俺はあの子に死んで欲しいと思ったりはしない」


「なるほど。では、奥方様はいかがですか?」


「……いなくなった人は、心にずっと残り続けるんです。十年経っても、全然消えないんですよ。負けヒロインみたいな立場になったからって、そんな方法で渉さんの心の一部を占有されるのは困るんですよ」



 美沙もまた、トーカに真剣な表情で答えた。

 アプローチは違えど、俺達の雪ヶ原に死んで欲しくないと意思を聞いたトーカはしばし瞑目し、嘆息した。

 


「承知しました。管理者:高坂渉と奥方様の意思を尊重します。当個体としては極めて不本意ですが、個体名:雪ヶ原あかりを治療する手段を提示します」



 トーカが目を開き、指を鳴らすと俺と美沙の目の前に半透明のホログラムのウィンドウが開いた。

 これから作成するスキルの詳細が書かれているようだが……液体の入っているやけに仰々しい瓶は何だ?



「かなりの魔力が必要になりますが、霊薬:エリクサー相当の治癒能力を持つ回復魔法を行使するアクションスキル:エリクシック・ヒールを創造すれば、完癒が可能です」


「そ……そんな事が可能なのか!?」



 別にトーカの言う事を……というか、原初の種子の力を信じていない訳ではない。

 いくら威力が千倍になるチートスキルや空を飛んで目的地に向かうスキルを作れるとはいえ、エリクサー相当の回復魔法というのは流石に信じ難い。

 エリクサーはいかなる傷病をも立ち所に癒し、何なら一時間以内であれば脳死ですら蘇らせる奇跡の霊薬だ。

 ダンジョンが発生するようになってからこれまでの間、エリクサーは世界で十二個しか見つかっておらず、オークションで七億の値が付いた。もちろん円ではない。ユーロだ。

 多分、このウィンドウに描かれている瓶詰めの薬がエリクサーなんだろう。初めて見たぞ。



「勿論可能です、貴方が肩を掴んでいる相手は、清楚で可憐で愛くるしく、いじらしくたおやかで奥ゆかしい、お姫様のようにかわいいだけのか弱い小娘ではありません」



 トーカが俺の手を掴んで肩から下ろし、俺の顔を覗き込むように見上げる。声を荒げてしまった時からずっとトーカを掴みっぱなしになっていた俺の手を事もなげに外すのは、確かに非力ではない。

 ……だが、それにしても自分自身を持ち上げ過ぎじゃないか? 形容詞が渋滞しているぞ。



「当個体は原初の種子の特異点、一にして全なる者の受肉体です。貴方はその管理者なのですから、たかだか知り合いが死にそうなくらいで狼狽えないで下さい。冷静な判断力を易々と手放すようでは、種子の力を十全には扱えませんよ」



 めちゃくちゃな物言いだが、逆にその破天荒さに少しだけ救われた気がした。

 そうだ、俺は不可能を可能にする力の持ち主、このくらいドンと構えなくてどうする。……いや、これに慣れるのは良くない気がする。複雑な気分だ。



「確かにエリクサーなら、病気や怪我、後遺症も一発で治りますし、脳死に陥っても一時間以内なら蘇生が可能っスけど……渉さんがそんな魔法使えるんスか……? 渉さんは聖者じゃなくてナイトっスよ……?」



 美沙が疑問を口にする。特に魔法を使う美沙だからこその疑問とも言える。

 魔法はステータスシステムの産物であり、ステータスの支配を受けている。

 それはつまり、どの魔法が使えるかはジョブの適性に依る所が大部分を占めているという事だ。

 美沙は魔剣士、武器に魔法を付与するスキルは他のジョブの追随を許さない。が、魔剣士は射出系の魔法は最低限のボルト級魔法しか使えない。

 それと同じように射出系に特化したジョブやバフ・デバフに特化したジョブと、魔法一つ取っても得手不得手は千差万別だ。



 回復魔法やその使い手であるジョブはそうそう簡単に現れるものではない。回復ジョブの代表格である聖者や聖女は未だに取得条件が謎のままだ。

 回復魔法のスキルカードもお目にかかる機会は微粒子レベルだし、よしんば手に入れたとしても適性が満たされていなければ習得出来ない。

 ケラマのような回復魔法を使う魔物も相当にレアだし、そもそもモンスターテイマー自体がレアだ。

 その希少性から回復魔法を継戦力の勘定に入れられないからこそ、探索者は治療をポーションに頼らざるを得ない訳だ。



「奥方様もご心配召されませんよう。ジョブが魔法向けかどうかではなく、管理者:高坂渉であるからこそ行使できる力です。何ら問題ありません」


「まぁ、山ほどデカいゴーレム盾だけで吹っ飛ばしたり空飛んだり既存のスキルに無い荒業を平然と行使してるだけに、そうなんだろうなとは思いますけど……渉さんに無理だけはさせないようにお願いしますよ」


「善処します。ただ、霊薬:エリクサー相当の回復力です。管理者:高坂渉の想像力が共に低水準である為、何のコストも支払わずに……とはいきません。相応の対価を支払う必要があります」



 原初の種子の力は「何でも可能にする力」だ。

 その原資となるのは俺の想像力らしいが、そこは旬も過ぎたただのオッサン……常識とルールで雁字搦めになった俺のセンス・オブ・ワンダーは完全に錆びついてしまっている。

 特に社会生活の第一法則と言えなくもない「リスク無きベネフィットは存在しない」という考え方は、子供じみた「何でも願えば叶う」能力とは折り合いが悪い。



「……俺は何をすればいい?」

 

「魔素を貯留しましょう。具体的には霊薬:エリクサー相当の回復魔法の作成分と、当該魔法を強引に発動させるだけの魔力に転換する分です。どちらも莫大な魔素を必要としますし、魔力転換分の魔素は体に悪影響が出るか出ないかの瀬戸際まで抱え込んで頂く事になります」


「そんな……他に手段は無いんスか!?」


「ありません。安全で手っ取り早い方法では魔素が足りませんし、安全性と魔素の貯留に重きを置くのなら個体名:雪ヶ原あかりを長期間、重度の昏睡状態で待機させる必要があります。当個体もサポート致しますので、どうぞご容赦下さい」



 トーカの説明が終わるくらいのタイミングで、低く大きな雄叫びが轟いた。完全に存在を忘れていたヘカトンケイルの断末魔だ。

 魔石とドロップ品と思われるやたらとデカい剣を持って俺のもとへ帰ってきたラピスは疲弊しきっていた。



「いやー……これはキツいのう、やっぱりワタルの為に作られとるスキルは妾には合わんかった……供給されとるとは言え、瞬間的に魔素をごっそり持って行かれたぞ」


「緊急事態でしたので、スキルの調律を省いておりました。個体名:ラピスに貸与していた新規スキル001の返却措置を行いました」


「うむ、あれは妾には過ぎた物じゃからの……む、魔素の供給が止まっておる……? 妾の魔素がカラッケツじゃぞ? 今日まで貯めた分も怪しいんじゃが?」



 自らの不調に気がついたラピスが俺の方をじーっと見つめている。だが、俺には全く心当たりが無い。



「お伝えします。管理者:高坂渉と奥方様のご希望に沿うスキルの作成を行う為、魔素の供給を一時的に停止しております。ご不便、ご迷惑をお掛けしますが何卒ご理解の程よろしくお願いします」


「えー!? 何でじゃ!? さっきまでジャブジャブ出しとったじゃろうに、何でしっかり働いた妾にそんな冷たい仕打ちをするんじゃー!」



 ラピスはぴょんこぴょんこ飛び跳ねて遺憾の意を表明するが、トーカは自動音声対応サービスのように無感情で応対する。



「作成するスキルに必要な魔素を確保する為です。これ以上の消費はご遠慮頂きますよう、ご協力をお願いします」


「チビどもはあんなにハーピーに向けてバカスカ撃っとるのに、妾は何でダメなんじゃー! 妾にも魔素をたもれー!」


「存在の格の違いです。ヒロシマ・レッドキャップは下位種であり、魔素の消費が僅少です。対してカオスドラゴンはほぼ最上位に近い上位種であり、その戦闘機動には大量の魔素が必要となります。燃費の兼ね合いでこの様な運用になりました事、ご容赦ください」



 それからラピスは再三再四ゴネにゴネたが、全く折れる気の無いトーカに押し負けた。

 魔素とやる気を無くしてしまったラピスは戦闘に参加せず、俺の側でいじけている。魔素は使えないので、せめてもの労いとして頭を撫でてやる。

 戦闘エリア内の怪我人の治療を終えたタゴサクとケラマのコンビが戻ってきたのと時同じくして、赤帽軍団がチョロチョロと飛び回っていたハーピーを全て叩き落とした。皆、いい汗かいたとばかりにいい笑顔だ。



「魔物のスポーン、落ち着いてきたっスかね……?」


「見た感じ、飛んでるハーピーは打ち止めのように見えるな」


「さっきの巨人も出て来んようじゃし、魔素も薄まったように見えるが……何じゃろうか、この嫌な予感は……?」



 俺達は事態に収拾がついたように思っていたが、ラピスだけは何か不穏な雰囲気を感じとっているようだった。トーカはその「嫌な予感」の裏付けになる説明を付け加える。



「その予感は間違いではありません。地点A……現在地のエリアの魔素は限りなく薄くなっています。しかし、日本リージョンの魔素は依然高いままです。魔素の爆弾低気圧どころか真空となったこの地点Aには、周辺の莫大な魔素が流れ込んで来ます」


「莫大な……って、どれくらいなんスか……?」



 恐る恐る尋ねる美沙に、トーカが極めて事務的に答える。



「日本リージョンの西が鹿児島県:唐津エリア、東は兵庫県:尼崎エリアあたりまでの魔素がここに集まる計算です。当個体の計算では、三十分も吸収すれば日本リージョンの平均魔素濃度が落ち着き、全体的な魔物の発生は停止すると思われます。ただ……」


「……何か問題があるんスか?」 


「このエリアの魔素濃度が瞬間的に高まりますので、先程よりも強い魔物が現れます、ご注意下さい。……皆様、あちらを」



 トーカが指差す先、赤帽軍団が見上げる空。そこに浮かんでいた雲が、急速に虹色の輝きを帯びる。

 彩雲と呼ぶのを憚られる程にギラギラと色濃く輝く叢雲は、まさに異変を体現するに相応しい不穏な様相を俺達に晒している。

 もしかしてあの油膜の様に輝くアレが魔素だって言うのか……?



「雲が虹色に輝いておりますが、あれが魔素です。あのように、可視化される程に濃くなっています。これまでとは比べ物にならない規模の魔素の収斂が始まっています。警戒してください」



 これまでとは状況が違うので、出てくる魔物の質も量も上昇するかもしれない。そうなると、バフが無いからと怖気付いてはいられない。俺も剣と盾を握り直し、次の魔物の発生に備える事にした。


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