第38話
会議室は長机に人数分の椅子が用意されているだけの思ったよりも小ざっぱりとした物で、もっと華美な装飾や高価な調度品が置かれている宴会場を想像していただけにやや面食らってしまった。
中では二人の女性が俺達の到着を待っていた。
一人は神道や仏教の物ではない見慣れぬ装束に身を包み、目を瞑ったままこちらを向いている不思議な雰囲気を纏った白髪の女性。
もう一人は白のワイシャツに黒とグレーの縦縞模様のスラックスをサスペンダーで吊っている、灰色の髪に青のメッシュを入れているウルフカットの女性だ。
どちらも落ち着いた大人の女性の魅力を感じる、美沙やあかりとはまた違った美人だ。思わず鼻の下が伸び……ません大丈夫です、だから美沙は脇腹をつねらないでくれ、痛いから。
目の前の二人の女性が軽く会釈をしたので、俺も頭を下げる。装束の女性が笑みを浮かべた後、小さくて可憐な唇から言葉を紡いだ。
「あ、どーもどーもーー!! はっじめましてー! 私占いやら霊視やらみてーなスピリチュアルなアレコレでメシ食ってます、闇ヶ淵綾乃と申しますー! よーろしくでーーす!!」
俺は思いっきりズッコケそうになった。
こんな触れた瞬間儚く散ってしまいそうな華奢で清楚そうな女性が、バカみたいに声量のデカいキンキン声を放ってくるモンだから、イメージが速攻で崩れてしまった。
続いてマニッシュな雰囲気のフォーマルカジュアルの女性が口を開こうとしていた。頼む、せめてこっちはマトモでいてくれ!
「デュフフ、拙者は商売やトレードで糊口を凌ぐ程度の能力を持つ天地六家の一つ、金融の申し子・霧ヶ峰静香と申す者でござる。高坂氏も中本氏もよろしくですぞ」
俺は目眩に襲われた。何で低音の王子様ボイスで典型的なオタク然とした喋り方をしているんだ、こいつは!?
台無しである。もう一度言う。二人とも台無しである。
「高坂さん、すみません。二人ともふざけてる訳じゃなくて、あれが素なんです」
「……見た目と喋り方の乖離が酷すぎないか?」
「どちらも不特定多数の前だと求められている役割をきちんと果たすんですけど、こういう少人数で知り合い多めの席だと素に戻っちゃうんです……すみません、説明不足でした」
「まーまー。人が死ぬでもあるまいし、多少のアレなナニはご勘弁いただきたいですぞ。デュフフ」
キリッとした顔とイケボで草の生えてそうな発言は厳に控えて頂きたい。もはやギャップと言うレベルではない。温度差で風邪をひきそうだ。
「立ち話も何ですし、席につきましょうか。……さ、皆様どうぞ」
あかりに促され、俺達は長机に向かう。年長者順かと思い上座には中本社長に座ってもらおうとしたら固辞された。
いやいやどうぞどうぞと譲り合っていたらあかりに手を取られ、お誕生日席に座らされてしまった。
まぁ今回の話し合いの場が一番必要なのは俺だからしょうがない。場違い感がさらに加速する。
かくして、日本の中枢に限りなく近い天地六家、そのうち四家の関係者が居合わせる会合が始まろうとしていた。
§ § §
「さて、まずは」
あかりが自身の左右に座る闇ヶ淵と霧ヶ峰に起立を促し、あかりも立ち上がった。
「今回のゴーレム襲撃の件ですが、私達の策謀が大きく関わっております。高坂さんの能力を真に開花させるためとは言え、東洋鉱業の皆様に多大なご迷惑をおかけした事を、ここにお詫びします」
三人が綺麗な辞儀を見せると、中本社長は腕を組んで唸った。
「表面的に見れば地元のワルの仕業なんでお気になさらず……と言いたい所ですが、それも仕組んだ事とあっちゃア話は別ですな。こっちも仕掛かり品をほったらかしてまで避難してる訳ですから」
「はい。従業員の皆様方の努力が無駄になってしまった事も理解しております」
「左様でござるな。職人の仕事はカネをポンと払えばどうにかなる性質の物ではないですぞ。しかし我々もカネかモノか情報しか持ち合わせがござらんのも事実でして……」
困り顔のあかりと霧ヶ峰に、中本社長が黒革のセカンドバッグから紙を数枚取り出して机に置き、差し出した。
「賠償関連の話も出るだろうと思って、現場が欲しがっている物をリストアップしておきました。この中から援助を頂ける物があれば、そちらでお願いしたく」
「ちょっち拝見……なるほど、中本氏……と言うか、東洋鉱業さんはお目が高いですぞ。これは確かにカネだけでなくコネも要る資材も……ああ、八割くらいは拙者が顧問やってる会社で賄える品物ですな。後で連絡を入れさせますぞ」
「ヒバリウム合金とミスリル鉱とキメラ酸、あと属性溶液は私個人に貸しがある事業所に取り扱いがありますね。後で根回ししておきます。大容量魔力キャパシタは希望のメーカーはありますか? 矢島マジテックとハイランダー社なら手配出来ますよ」
「では矢島マジテック製でお願いしたく。ハイランダー社製は過去に一度導入したんですが、職人からはいたく不評でして」
「承知致しました。それでは可能な限りご希望に添えさせて頂こうと思います。重ね重ねになりますが、この度はご迷惑をおかけしました」
あかりと霧ヶ峰、それと中本社長が頭を下げあってこの話は手締めと相なった。どちらもゴネるつもりがなく着地点も中本社長がしっかりと用意していたからこそのスピード決着だろう。
まぁ、一番の問題が残っているのでこの程度は残務処理程度の認識なのかも知れない。
立ちっぱなしで協議していた三人が座り、いつの間にか座っていた闇ヶ淵が立ち上がる。
服装はともかく、見た目と立ち居振る舞いは完璧に深窓の令嬢なのに、口を開くと途端に違和感の台風が襲いかかってくるので、出来れば通訳を挟んで欲しい。
《自己認識と聴覚を調律するパッシブスキル:新規スキル004を……》
……いりません。
「それでは、今回の顛末について闇ヶ淵が説明します。綾乃さん、よろしくお願いします」
「はーい! ほいじゃーチャキチャキ説明してくかんねー! えっとねぇ、一番最初はうちのばっちゃまの占いがそりゃもーどえらい結果を弾き出しちゃってねー」
ダメだ、耳から入る話がつるーっと反対側の耳から抜け出ていく。集中出来ない。
俺は目を閉じて視覚情報をシャットアウトし、闇ヶ淵の話に耳を傾けた。
話の筋があっちこっちに脱線して要領を得ないが、どうにか要約すると、以下の通りだ。
ダンジョン発生前から異変の予兆はあったそうな。それに一番最初に気付いたのが月ヶ瀬家だった。
普段から魔を討つ者としてあちこちで異形の化け物や闇に飲まれた狂人を倒す生活を送っていた月ヶ瀬家だが、当時、何故か魔物の数が増加傾向にあった上、妙に強くなっていた。
月ヶ瀬家の当主……美沙のお父さんはその状況に不吉な物を感じ、調査を依頼する事にした。
普通の情報収集なら雪ヶ原の寡占状態だが、魔物の話はどちらかと言えば形而上学の分野だ。
雪ヶ原の現実的な手法よりも、加持祈祷や占いに特化した闇ヶ淵の方が目的に合致している。
かくして依頼を受けて卜占を試みた闇ヶ淵が垣間見た未来は、未曾有の大地震の後、迷宮が各地に生まれ、そこから無限に這い出る魔物に人々が大勢殺される未来だった。
当時の天地六家はこの占いを重く見た。来たる国難に対して先んじてアクションを取るべきだとの声は多かったが、世はあらゆる困難を科学で解決する平成後期。
日本が間も無く大地震とダンジョンの発生で壊滅の危機に遭うと言われた所で「な、なんだってー!」と言われてオシマイである。それが占いの結果ですと言おう物なら見向きもされない。
それなら大地震の方は日本に住まう一般の皆様方にお任せして、ダンジョンの予言の方に注力しようじゃないかという事になった。
そしてこの頃、闇ヶ淵の頭目の孫である綾乃……目の前で喋ってる違和感の化身に未来視の能力が発現した。
闇ヶ淵の頭目は占いに特化していたが、綾乃は未来視や透視、遠視といったビジョン系の能力に優れていた。
闇ヶ淵では占いを「見」、ビジョン系を「視」と呼んで区別しているが、それになぞらえると綾乃は「視の天才」だった。
綾乃はいくつもの未来視を描き残し、天地六家に公開した。特に雪ヶ原家の一人娘であるあかりには重要な役割がある事を伝えた。
あかりは綾乃から、十八歳になる年に特別な命運を持つ者と出会うとの託宣を受けた。……俺の事だ。
そして最優先でビジョン通りに導いて欲しい未来があると伝えたのが、次の予言だ。
「迷宮より生まれし巨人が家々を踏み砕く時、天より黒竜に導かれし特異点が降り立ち、新たなる力を紡ぎてこれを破る。その力はいずれ、迷宮を食い破り世に平穏をもたらすだろう」。
迷宮より生まれし巨人云々ってのは、おそらく俺がラピスに乗って東洋鉱業に乗り込んで、原初の種子の力を使ってゴーレムの形をしたダンジョンを討伐したって話だろうが、その後のくだりが気になる。
恐らく、ダンジョン討伐後にばら撒かれる魔素を吸収した事を「食い破る」と表現しているんだろうとは思う。
確かにあのスキルがあれば、将来的にダンジョンは一つ残らず消え失せるだろう。高難易度のダンジョンを討伐するのが大変どころではない事に目を瞑ればの話だが。
しかし、闇ヶ淵の「視」とやらがそこまではっきり見えているのが何とも恐ろしい。
あかりは呉市は休山の中腹に発生した探索者協会が把握していないダンジョンが「リヴァイアサン」なる半グレ集団に占拠されている情報を得ると、その隠匿を影から手助けした。
そしてラピス襲来関連の情報操作の一環として、俺と東洋鉱業に渡りをつけた。俺が東洋鉱業と親密になっていれば、ゴーレム襲撃に際して助けに行くだろうとの判断だ。
その裏で、霧ヶ峰と雪ヶ原の財力で近隣にある民家や東洋鉱業以外の工場を買い叩き、万が一「迷宮より生まれし巨人」の進行ルートが逸れても被害が少なくなるように手配した。
かくして、闇ヶ淵と雪ヶ原が描いた絵の通り、被害を最小限に食い止めつつ、俺に新たな力を手に入れさせるに至った……という事だ。
雪ヶ原と霧ヶ峰主導で呉の休山から東洋鉱業までの被害が予想される近隣の土地や建物を買い集める事で、被害の極小化に努めたのは悪くないとは思う。
が、そもそもこんなトンチキな計画を立てなければ被害が発生する原因もなかったはずだ。住民も住み慣れた土地から移転を余儀なくされる事も無かった。
東洋鉱業も俺が本気を出す為の生贄のような扱いを受けている訳で、迷惑を被っている。
そして何より、全く何も知らずに巻き込まれた俺の気持ちはどうしてくれるんだ?
つまり、事の顛末を全て聞き終えた俺の感想は、こうだ。
「他に手段は無かったのかよ」
「そっスよね。ぶっちゃけあたしたち巻き込まれただけじゃないっスか」
この集まりの中では立ち位置的には天地六家側ではあるものの、実質俺と同じ境遇である美沙も不満を呈した。
「他に手段があったら、ちゃんと『視』が発動したはずなんだよー。ばっちゃまに『見』をお願いしてみたけど、やっぱり結果は同じでさー? だから他に手段が無かったのかと聞かれたら……うん、無かったんだよねー」
まぁ、それは何となくそんな気がしていた。
それにもし他に方法があったとしても、既に終わってしまった今問いただした所で何も変わらない。
そう、大事なのは未来の話だ。いかに凄いチートを身につけたからって、俺はそれを大々的に活かす事を考えていない。
「そもそも、あんたらは俺に何をさせるつもりでこんな事を企んだんだ?」
結局、そこに行き着く。時間と金と手間を惜しみなく注ぎ込んだ、その計画は一体何の為なのか。
俺の問いに答えたのは闇ヶ淵だった。
「それはもちろん、その力でダンジョンを消し去って、平穏な世の中を……」
「俺、別に日本や世界をダンジョンから救うつもりは無いんだが」
そう、そこが一番の問題点だ。俺がどう判断するかが考慮に入れていない。
俺はただの警備員だ。それは五号警備を始める前も、こうしてよく分からん力を手に入れても変わらない。
社会保険料や各種税金を払っても生活できるだけの収入があって、たまに温泉やスーパー銭湯に出かけられるだけの余裕があればそれでいい。それが俺の望む生き方だ。
勝手に転がり込んできた力のせいで、それらが崩れるのは本意ではない。
「そもそも今はダンジョンがあるのが当たり前のように生活に組み込まれた『ウィズダンジョン時代』だ。北朝鮮みたいな大規模な迷宮漏逸が起きているならともかく、しっかり管理されているダンジョン運営を終わらせる必要性がどこにあるんだ?」
「そ、それは……しかしダンジョンがあるのは正しい状況であるとは言えないでござるよ」
「正しいかどうかではなく、これでうまく回ってるんだから別にいいんじゃないのか? って事だ。お宅だってそれで儲けたクチじゃないのか?」
俺の指摘に霧ヶ峰が押し黙った。
ダンジョンの素材を研究し、新しい技術を開発し、新たな制度をたくさん組み込んで発展してきたのが今の日本であり、世界だ。
確かに日本はダンジョン産業は出遅れた。しかし、民間の努力の甲斐もあってかなり巻き返して来ている。
世界情勢も平和だ。北朝鮮と言う万魔殿を隣に抱えた東アジアの国々はそちらの対処に軍事リソースを割いている。
日本に突っかかる余裕がなくなったのか、大きな諍いは起きていないし、言いがかりじみたイチャモンも大分減った。世界規模で見ても、大きな戦争や紛争もここ最近では全く聞かなくなった。
もちろん、ダンジョンは安全ではない。死亡事故だって発生する。だが、そんなもんはダンジョンが無い頃からあった。
吊り荷に挟まれて死に、重機に轢かれて死に、熱中症にかかって死に……労働災害はいくら無くす努力をしても無くなる物ではない。そんな危険な業種に探索者が追加されたってだけの話だ。
本来あるべき物ではないし危険な物には違いないが、現状ではコントロール出来ており、人間社会と密接に繋がっている、生活に欠かせない要素というのが今のダンジョンの立ち位置だ。
これがもし、ダンジョンが無くなったらどうなるか。まず、ダンジョンの素材に依存していた生活が破綻する。
一番ヤバいのがエネルギー問題だ。全体の発電量から見た割合も、魔物から取れる魔石による発電が軽視できない程度には食い込んでいる。
放射能汚染の危険がなく、二酸化炭素の発生量も皆無で、発電量が安定している魔石発電所の稼働が無くなれば、まずもって電力が逼迫する。
テクノロジーも大幅に後退する事になる。
代替品のないダンジョン素材が手に入らないと、それを基礎として発展してきた技術は手放さなければならない。
探索者の処遇も問題だ。
今までは探索者はダンジョンに潜っていれば良かったが、ダンジョンが無くなればステータス持ちが一般社会に溢れる事になる。
能力格差による職業のバランスが崩れる事も想像に難くないし、治安の悪化は火を見るより明らかだ。
これらの社会的な損失や混乱を引き起こしながらダンジョンを消滅させた後、俺は平穏無事な生活を送れるのだろうか?
いや、無理だろう。絶対に恨みを買う。
それに日本だけダンジョンを無くせば済む問題ではない。ダンジョンは世界中にある。
それらを全て滅ぼし、人間の文明を一段階二段階逆戻りさせた下手人に対して、世界の皆様はどう思うだろうか? どう考えたって大罪人扱いは免れない。
恐らく、俺が望む平穏無事な生活とは程遠い人生を歩まされる事になるだろう。
「それに、よく分からないドングリを勝手に拾った俺に落ち度があると言われたらそれまでだが、別に望んで得た訳でもない力をアテにされるのも困るんだよな」
「で、でも! それがあなたの運命だから! 私見たもん! あなたが世界を救う未来を……」
「悪いが、俺は運命とか信じてないんだよ。もし存在していたとしても、自分で御しきれないリスクを背負わされるような酷い運命をハイそうですかと受け入れる訳がないだろ。俺は片田舎の警備員でしかないんだ」
俺が突き放すように告げると、闇ヶ淵も口をつぐんだ。
未来が見えると言うのがペテンでないにしても、本人が嫌だと断ったら簡単に破綻する計画を立てたのがよろしくない。
それが運命ですと言われて喜んで従うのはRPGの主人公くらいだ。俺は特定マップで通せんぼをする警備員Aだ、余計なロールを押し付けないで欲しい。
「高坂さん……申し訳ありませんでした」
「失望してるのは君に対してもだ。今までの事が全部仕込みだとしたら、江田島ダンジョンでの告白も仕込みって事だろ? 小学生の頃に罰ゲームで告白されたの思い出したよ」
「ち、違います! 私は本当に、高坂さんの事が好きで!」
「いや、もう繕う必要は無いよ。君達の計画は破綻している。残念だよ、あかり……いや、雪ヶ原さん」
俺の呼びかけに雪ヶ原が目を大きく開いて膝からくずおれた。涙をぼろぼろこぼしながら何か呟いているが、ここからでは聞こえない。
この期に及んでも雪ヶ原に対して嫌いになれないのは不思議な感じだが、徒労感の方が強くてそれどころではない。
天地六家側が企んでいたであろう「俺がダンジョンを平定する」と言う目的は俺がやる気が全くないし、雪ヶ原がこんな有様だ。これ以上の話し合いは不可能だろう。
「中本社長……こんな感じになっちゃいましたんで、今日は帰ろうかと思います。今後の装備貸与についても話し合いをする必要があると思いますが……また後日、ご連絡を頂ければと思います」
「……確かに、この感じではこれ以上の話し合いは望めないでしょうな。それじゃア、ウチもここらでお暇しましょうか」
「では、失礼します」
「こ、高坂氏! お待ちくだされ! まだ話は終わって……」
霧ヶ峰がしつこく追い縋ろうとしたその瞬間、この場にいる全員のスマホがけたたましく鳴動した。この音は前に何度か聞いた事がある。迷宮漏逸警報だ。
それと同時に、俺の脳裏に脳内アナウンスが響いた。
《警告。警告。管理者:高坂渉に警告します。同時多発的に魔物が発生しています。直近では、現在地より西に千六百メートル離れた地点にて魔物が発生しています。大気中の魔素の収斂による作用ですので、しばらく魔物の出現が続くと思われます》
大気中の魔素の収斂? 迷宮漏逸じゃないのか? いや、今は細かい違いはどうでもいい。何もしてないのに魔物が湧いたという事実が大問題だ。
ここから西に千六百メートルと言うと、大体の距離で考えると……
「広島城……か」
広島を代表するシンボルの一つに、魔物が現れたと言う事になる。




