幸福な日
華やかな気分で私は久しぶりに外に出た。横には二人のナイスガイがいて両手が塞がっている。長い階段を一段一段感じながら、キシキシと少し気の軋む音がするのが聞こえる。天気も快晴で、日差しの暑さを無くすような気持ちの良い涼しい風が吹いている。私と一緒に横の二人も階段を上がっていき、3人で頂上に着くと、そこにはもう一人ナイスガイが待っていた。
「ああ、こんな幸せなことがあるのかしら、とても清々しい気分だわ。」
私が大きく笑っていうと、横の男の一人がこういった。
「早くしましょう、みんなも待っていますよ」
頂上から地上を見下ろすと、何百何千という観衆が私を待っていた。私の姿が見えると、皆祝福の声を上げた。これだけ皆が騒ぐ中でも、私の心の中はひどく穏やかで、熱狂している観衆とは少し離れたところにいた。私は顔を上げて、手が塞がったまま、皆によく顔が見えるように、前に出すと観衆はもっと声を上げた。あぁ、ついにこの時が来たのね。そう思うと、横の男が低い声でこう私に聞いてきた。
「最後に言い残すことはあるか」
「ないわ、だって私こんなに今幸せですもの」
嘘のない、華やかな笑顔でそう言った。
「気象の悪い女だ」
そう囁くと、男は自分が持っていた太いロープを放した。摩擦音が鳴りながら大きな刃はそのままストンと私の顔と体の間にストンと落ちた。ぐらりと視界が歪んで空を飛んでいた。それと同時に観衆の声は何倍にもなり、青空を埋めつくし、何分も響き渡っているのが聞こえた。