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Prologue: About my family

VISIBLEWORLDとは、SF小説INVISIBLEの続編です。

ネタバレを含みますので、INVISIBLEを読了後、お読みください。

VISIBLEWORLD単体で読むときには、登場人物紹介や用語集をご参照ください。

何か気になる部分、ご意見等がありましたら、DMにてお知らせください。

誤字指摘、設定に関すること、疑義点、感想等受け付けております。

挿絵(By みてみん)


ぼくんちの家族は、ちょっぴりかわっています。

お父さんは、小学校のせんせいで、なまえをユージーン・マズローといいます。

何さいなのかは、おしえてくれません。なんでおしえてくれないのかも、よくわかりません。

ひゃくおくねんとかいってたけど、ぜったいうそです。

お父さんはむらのみんなとは見ためがかなりちがって、かみのけはきんいろをしていて、目はあおいです。

イギリスの人だったっていってました。

うちはこくさいけっこんなので、お父さんとお母さんのみょうじがちがいます。

だから、ぼくもいもうとの小春も、お父さんににてかみのけと目のいろがかなりちゃいろです。

幼稚園では、ともだちによくかみのけのことをいわれて、ちょっぴりやだなとおもいます。


お母さんも小学校のせんせいで、なまえを吉川よしかわ 皐月さつきといいます。

お母さんは日本の人で、ふつうのくろいかみのけと目をしています。37さいです。

先生をするためにえひめけんからこのむらにきました。

お母さんはふだんはとってもやさしいです。


妹の小春こはるは、まだ3さいです。

小春は、ぼくよりもっとかみのけがちゃいろくて、はだがまっしろです。

小春はまだちいさいから、よくないたり、お母さんをひとりじめするので、ぼくはちょっとさびしいときもあります。

でも、小春はぼくとはちがってひとのきもちがよくわかるみたいです。

お母さんやぼくがなきそうなときは、ハンカチをもってきてくれたりします。


ぼくのおばあちゃんとおじいちゃんのいえは、えひめのまつやまにあります。

おじいちゃんとおばあちゃんはやさしくて、いろんなみかんをくれるので、ぼくたちは大すきです。


ぼくはお父さんもお母さんもすきだけど、お父さんにはすこしふまんがあります。

お父さんには、できないことがたくさんありすぎです。

まず、プールとおんせんにいけません。

お父さんのかたには、いれずみという、きんいろのえがあります。

ぼくがおふろでこすっても、ブラシでこすっても、ぜんぜんきえませんでした。

お父さんはそれを、いつもはふくでかくしています。

幼稚園でこのことをはなしたら、せんせいにとてもびっくりされました。

お父さんってやくざなの? ってともだちにきかれたこともあります。

それがある人はプールもおんせんもだめで、ぼくはきがえではお母さんや小春といっしょにはいることになります。それがちょっとさびしくて、つまらないです。

なんで、かたにえなんてかいたんだろうとおもいます。

お父さんはお母さんに「えをけそうかな」といっていたのですが、お母さんは、そのままですてきだよといっていました。

でもぼくは、ちっともすてきだとおもいません。


それから、いきなりワッ! っておどかされるのがめちゃくちゃこわいみたいです。

お父さんがねているところをびっくりさせたら、すごいおどろいて「しぬところだった」といわれました。

だから、お父さんにさわるときにはこえをかけてからでないといけないみたいです。

ちょっとおどかしたぐらいで、しにそうになるなんて、おおげさだとおもいます。

このことをぼくがお母さんにはなしたら、ぼくがめちゃくちゃおこられました。

お父さんは、しんぞうがよわいのかもしれないとおもいます。


あと、お父さんはたたかいごっこをしてくれません。

幼稚園ではゲンキレンジャーがはやっているのに、バトルはきらいだといっています。

小春とたたかってはいけないので、お母さんがぼくにつきあってくれます。

でも、お母さんとのたたかいごっこはあまりおもしろくありません。

すぐやられたっていうし、すぐムテキビームやバリアや、バリアがえしをつかってきます。

友だちのお父さんは、たたかいごっこしてくれるのに、うちのお父さんはほんとうにだめです。


お父さんとお母さんは、それでもとってもなかよしです。

でもお母さんのほうがつよくて、お父さんはよくおこられています。

お母さんのほうがりょうりもそうじも、クルマのうんてんもうまいです。

お父さんのことはすきだけど、ちょっとおなじおとことしてなさけないとおもいます。


ときどき、おもうことがあります。

もっとつよくて、マッチョなお父さんだったらよかったなあって。

そしてぼくは、大きくなったら、こどもがあこがれるようなつよいおとこになろうとおもいます。


でも、お母さんはいいます。


「お父さんは、つよいんだよ」


って。


ぼくにはまだ、お父さんのつよさはわかりません。

ぜったいよわいとおもってます。

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