カナン・サガ 外伝2~幻想花~
カナン・サガ1と2を繋ぐ、外伝第2弾。ギルモア王国を北上したディーンと九曜は、レテに到着した。その街の特産は〝紫蓮花(しれんか)〟と呼ばれる、人の願望を夢の中で叶えるという幻の花だった。深夜、香りに誘われたディーンは、違和感に気付く。目にしたのは、夢遊病状態で[千年夜の森]へと向かう人々の列。そして突然、九曜が姿を消す――なにが起こっているのか? 一方、あまり喜べない招待を受けた九曜は、妖魔・流惟(ルイ)の誘いを断り、魔力の雨の檻に捕らわれてしまう。思案する彼の脳裏をよぎるのは、だが現在のことではなく、少し前のわずかな記憶――封印が解けた直後の分身たちとある人間との、短い交流の思い出だった。