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第12話 実行の当日
慶は、力を使う機会を考えていた。美由のためにも失敗は許されない。母は俺が今日実行しようと決意しているのを知っているから組織の一員である養護教諭の深田先生と見守ってくれているはずだ。
図書準備室から話し声が廊下に漏れていた。慶がそっと覗いてみるといじめの主犯だった礼乃とその仲間たちがいた。
今だ! 今しかないと思い母に連絡を入れる。
「図書準備室でアイツ等全員いる。決行しようと思う」そう連絡を入れ図書準備室へ入る。
「なんだよ!」
グループのリーダーでいじめの主犯である礼乃が、慶を睨み付けて一言声をかけた。
「言いたいことはわかってるでしょ?」
慶は、言いたいことをズバッとつきつけた。
「はっ? 知らねーよ」
認めようとしない礼乃。
「寺田さんをイジメていたよな、だから彼女は死んだ」
慶は、力を使い言葉を発した。その言葉を口にした途端からだが少し青白い光に包まれたような気がした。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
イジメの主犯格の礼乃は、慶を睨み付けるだけで特に文句を言うことも無かった。