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プロジェクトは第2段階に入った。
隆士はA´という機能の詳細設計と製造を担当することになっていた。
このA´は第1段階で作成されたAという機能を拡張すればよかったのだが、第1段階の進捗が遅れており、Aはまだ完成していなかった。
朝会にて隆士はチームリーダーである杉山にそのことと、先にBという機能の設計から取り掛かりたい旨を伝えた。
「それなら仕方ないですね」
と、その日は杉山も隆士の提案を受け入れたのだが……。
このやり方をすると、1つの問題が出てくる。
それは進捗表上、A´の進捗率に遅れが生じてしまうのである。
それを豊野に咎められたのだろうか?
それは隆士の知りうるところではなかったが、数日後の朝会で杉山は態度を一変させた。
「とにかく先にA´を完成させてください」
「いや、でもまだAが」
「未確定の部分は課題チケットを切って後で対応すればいいから」
「でも」
「はい。 この話はおわり」
「……」
朝会でこうは言われた隆士であったが、そもそも詳細部がほとんど確定していない現状でA´の設計に入るのはほとんど意味がないと考えていたため、その後もなにかと理由をつけてA´の設計開始を先送りした。
それから何日後だっただろうか。
隆士は再び直属上司に呼び出された。
「実はね。 今、ちょっと複数人に配置転換の話が出てね。 その中で宮坂君にも現行システムの保守・運用を担当してもらうという話が出てるんだよね」
「はあ」
「宮坂君としてはどう思う? このまま開発を続ける方がいい? それとも保守・運用をやってみたい?」
「自分としては、開発の途中で抜けてしまうのは心残りがありますが。 でも、まあ課の方針ならば仕方ないかと。 そこまで頑なに異動したくないという訳ではないです」
こうして隆士は開発途中にて、同じ課内ではあるが異動することになった。
中途半端な時期での異動に若干の違和感を覚えなかった訳ではなかったが、このときの隆士はそれをあまり気に留めなかった。
しかし、この後すぐに知ることになるのである。
その違和感が思い過ごしなどではなかったことを。




