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時間は少し遡り、隆士が浪人生活に入ってすぐの頃である。


その日、隆士はたまたま夜更かしをし、そして一つのアニメに出会ってしまった。

その名は、シスター・○○○○○。


元よりゲーマーだった隆士は高校生の頃から声優のラジオに耳を傾け始め、着実にヲタへの道へ進んでいたのが、このアニメは隆士を一気に戻ることができないガチヲタの世界へと誘った。


当時、隆士の部屋にはおこづかいで買ったテレビはあったが、録画機器が無かった。

そして家族には一応ヲタであることは隠しておきたかった。

したがって、隆士が○○○○・プリンセスを見るためには、イヤホンを使ってリアルタイムで見るしか選択肢が無かったのである。


その結果、毎週木曜日、隆士はいつも睡魔と闘っていた。

特に昼食後、昼一の時間帯が最も危険であった。

そしてその日その時に限って、居眠り浪人生を平気で教室から追い出す講師の授業があったりするのである。

隆士はこの授業を睡魔と激闘を繰り広げている(戦ってるぞ!)アピールを常に行うことでなんとか追放されることなく一年間(正確には半年間)を乗り切った。

まあ、見るからに心の弱そうな隆士を見て、講師も見逃したというのが実のところであろう。



ここで話を戻すと、一回目のセンター模試の結果は隆士に安堵の気持ちをもたらしたのと同時に、隆士を天狗足らしめるのにも十分なものであった。


 なんや、いけるやん。

 俺ってやっぱりやればできる子?


そんな調子で浪人生活を続けた結果、二回目のセンター模試では三位、三回目のセンター模試で遂に圏外となってしまった。

ちなみに記述模試は、最初の私大模試で三位に入った他は全て圏外であった。

二次試験は物理以外捨てているので、こちらは想定の範囲内であった。


兎も角、三回目のセンター模試の結果により、隆士は本格的に危機感を持つに至った。

遂に一日の平均勉強時間が一時間を超えるときがきたのである。

……所詮、隆士の頑張れる限界はここまでであった。


まあ、見てる人もほとんどいないみたいですし、大丈夫。

ですよね……?

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