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雨の日に
雨が降っている。
教室の窓から彼女は空を見上げた。
真っ黒い雲と時折光る雷に彼女はすこしばかり気分が下がった。
彼女は雨が嫌いだった。
ーーーこんな日にはあの日のことを思い出すから。
「…わ…石川!」
名を呼ばれてハッとする。
皆の視線の先には彼女。
「は…はい⁉︎」
「お前…話聞いてなかっただろ」
先生はなかなか怒っている。
…ニコニコの笑顔で。
彼女はある人に視線を向けた。
「彼」は呆れた顔でこちらをみている。
「石川今日残りでプリントまとめること!」
皆から笑いが起こる。
…あーあー…
やっぱり雨は嫌いだ。
続く