可愛い私の友達でした。
私は平凡な女子高生だと思う。いや、平凡だけど結構おっさんよりな女子高生だ。友達に今日のパンツの色は? なんて聞いてみたり、着替えの時とかはみんなの姿を見てマジ眼福だわ~。最高だわ~。なんて言ったりして、みんなからおっさんか! とか突っ込まれたりしている。
まぁ女子高なんで、こういう会話はみんな慣れたものだ。街に遊びに行った時なんかはすれ違った男子学生を見て、あっ! あの男子かっこよくね!? とかイケメンと付き合いたいわ~トースト食べながら走ればイケメンにぶつかるかな~。とか言ったりして、皆から笑いをとっていた。
恋に興味はすごくあるし、彼氏ができたら楽しいだろうな。と色々妄想したりするけど、私の性格からして多分男子を前にしたらガチガチに固まってあまり上手に喋れないだろうな。と思ってる。
女子にセクハラはできても、男子の前ではかなりのチキンだと自負しております! まぁまだ17歳だし、これからいくらでも好きな人なんてあらわれるよね! と気楽に友達と学校生活を楽しんでた。
楽しんでいたのですが……。
「え、え~と……それはマジで言ってるのかな?」
場所は学校の校舎裏。目の前には1年の時、私のクラスに転校してきたすっごく可愛い女の子、春川りこ。私のグループの仲のいい友達の一人だ。
身長は150センチもないんじゃないだろうか? 髪型は肩より少し長くてゆるくウェーブがかかっている。小顔で肌は白くて目はぱっちり二重でまさに守ってあげたい! と思わせるような女の子だ。
「う、うん。本気だよ……藤川さんのことが好き! 私と付き合って下さい……!」
これが彼女じゃなかったらこの台詞も冗談にできる。え~マジで? 私も愛してるよ~じゃあ早速結婚式の予約しないとね~。なんて言ったりして。
でも彼女の顔は俯いていて、表情はわからないけど髪の間から見える耳は、熱でもあるんじゃないかと思えるぐらい真っ赤だ。両手はスカートの裾をギュッと握って震えている。
彼女はかなり大人しい子で、最初は自分からなかなか話かけようとはしなかった。最近になってようやく学校や友達に慣れてきたみたいで、グループのなかでは私と一番よく話すかもしれない。でもまさか私を恋愛対象として好きになっていたなんて思いもよらなかった。
何も言わない私に不安を感じたのだろう。彼女はびくびくしながら顔をあげた。その顔は想像どうり真っ赤になっていて、目じりに涙を溜めて今にも泣きそうだった。
う、そんなふうに見ないでよ……。いきなり女の子に告白されても、どうしたらいいかわかんないよ……。
私のこんな気持ちを察したのだろう。りこはハッとした表情になり、
「ごっごめん! いきなりこんな事言って気持ち悪いよねっ!? ごめん、忘れて……!」
そう言うと私に背を向けて走りだした。
「あっ! ちょ…待って!」
彼女を引きとめようと私も走り出そうとした時、彼女は急ブレーキをかけて止まった。しばらくその場で立ち止まっていたが、くるりと体をターンさせて私に向かって猛スピードで走ってきた。
ちょっ! 速っ! というか私にタックルしようとしてんじゃないのこの子は!!
でも彼女はタックルなんてしなかった。彼女は私の目の前まで走ってくると、かなり躊躇していたが、覚悟を決めたのかいきおいよく抱きついてきた。
「や、やっぱり忘れないで! 好きっ……大好き! お願いしますっ……私と付き合って下さい!!」
彼女の体から震えが伝わってくる。シャンプーだろうか、すごくいい匂いがする。あんなに大人しかった子が。告白なんてすごい勇気がいる事とてもじゃないけど出来なさそうだったこの子が。
私のために涙を浮かべて勇気を出して想いを伝えている。
胸に暖かいものが宿った気がした。
「うん……ありがとう、りこ。私でよければ…お願いします」
そう言って、震える彼女を抱きしめ返した。
この日、私に可愛い彼女ができました。