君は人殺し
「君は、人殺しだね」
目の前の彼は怒ったように、そんなことをのたまった。
「そうだね。僕は、人殺しだ」
僕は、苦笑いをこぼしつつ頷いた。
「君は、今までどれくらい殺してきたんだ?」
彼は僕を責め立てる。
「数え切れないほど」
僕はヘラヘラと笑う。
「そんなに」
「うん」
彼は、息をつくと僕を捕まえた。
「君は罪深い」
「うん」
痛いほどの拘束に、僕は弱く応えた。
「君は、人殺しだ」
「うんっ」
涙を流しながら親友を抱きしめる僕の手首には、幾つもの線がうっすらと残っていた。