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JKたちは『AHO』なことをしています  作者: 畑楽 繰間


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パンツの日とハチミツの日には乗り損ねた本田さん

「ホンダあぁぁぁ!!!」

「…小石ちゃん…この間のはたっぷり謝ったでしょ…?」

「そっちじゃありません!」


 アイテム整理をしているときに、ちょうど小石ちゃんの突撃を食らった。

 ここのところ、ギルドのおうちには極端に顔を出す機会は減っていたのだが…。

 張られていたのか、まさか?


「本田さんに聞いたとおり、NPC調べていろいろしたじゃないのさぁー」

「したねぇ」

「会話も増えたのさ」

「いいねぇ」


 爆弾の着火点が見えない。


「でも今はNPCかかりっきりで並んでてこっちに来てもくれてないのさあ! わかってるのかな!」

「……あぁ……」


 NPCに入れ込みすぎて構ってくれなくなっちゃったか。

 マジ君は本当にさあ。


「さらにプレゼント用でパンツ集めだしてるマジ君なんて見たくなかったの、どうしてくれんのさあ!!」

「そんなことになってんの…」


 数日であいつは何してくれてんだ。

 女子会呼び出して延々説教してやろうか。

 …いや、小石ちゃんを男子だと思ってるはずだから理解はされないな。


「…手伝ってあげたら、会話の機会はまだできるんじゃないかな…」


 一応いう。


「パンツを? 二人で仲良くバザーでパンツを?」

「まぁ、忌憚なく言ってパンツを」


 聞くだけでもひでえ話だよ。


「……何言ってるかわかってる本田さん…」

「いや、理論で言うと、あくまで先に進む話だけすると…」

「それで私の告白するかさせる空気が進むと思ってる?」


 あ、真顔だこれ。

 すかさず土下座した。

 もはや何も通じないと、秒で流石に察した。

 

 で、それから。

 

「本田さん最近ちょっと別行動してると思ったら、こんなことになってたんだね」

「おかげでだいぶレア知識は溜まったよね…」


 請け元が服屋系の生産ギルドなので布と皮はいつでも需要がある。

 材料として必要な最高級の切れ端はいつでも足りないと言われるレベル。

 ボス限定や特定種の甲羅、牙なども人気だが、とにかく布だ。


 あと、はちみつ。


 どんなゲームでも高需要の採取アイテムの王道ともいえるアイテム、はちみつ。

 はちみつください。


 そんなわけで、バニーな喫茶を断って別口の仕事をいただいた結果。

 まあ、お金になると言えばだいたいそうだよね…・の、レア狩りに落ち着きました。

 ちなみに小石ちゃんに「こんなこと」と言われたのは、別にレア集めで言われてるのではない。

 私が、モンクしてから攻撃もちょっと楽しくなったので、二刀流が欲しくてシーフにメインを変更しているのだ。

 もちろんレアにも有利だからではある。

 それに対応して、ミカさんがレア採取用の装備を出してくれた。


 これが…。


 両手で使う二本のレア取得アップ仕様シーフツールナイフはいい。

 イベントでレア率アップ、盗みアップがついてるというスク水は、そりゃ言われる。

 言われるよ…。


 夏だけど山岳と砂漠行き来してスク水サンダル髪に引っ掛けサングラスは、どういうことだよ。

 でも、ミカさんの改造強化は入ってるからクッソ高い効果なんだよなこれ…。

 納品分と、一緒に付き合ってる小石ちゃんに渡すパンツ作成分は余裕でいける。

 だが作る仕組みがあるということは…いるんだろうな…ゲーム内にパンツ職人とか。

 見たいような見たくないような。


「小石ちゃんそこそこ素材取れたなら次いくよお」

「えっ、まだ一つしか取れてないけど!?」

「あー後は私が持ってるので足りるから」

「…すごいねレア集め装備」


 なにやら一定のアップでドロップテーブル自体が変わるというウワサもある。


 ドロップテーブル、というのは敵が落とすアイテムの一覧みたいなのと思ってほしい。

 敵ごとに、たまに同じものを落とすやつもいるので圧縮した一覧のデータベースがあり、その中で確率に従って落としやすいもの、落としにくいものが判定でゲットできる。

 それが敵ごとで一つではなく、専門スキルやドロップアップなどによって率の変わったテーブルを内部でご用意してくれる。

 …という都市伝説。

 願掛けみたいなもので、何も確認されていないがこの数値に異様にこだわる人はなかなか減らないようである。

 


 んな話は私は信じないが、装備の取得アップは確実に感じる。

 そんなのはいいとして、時間じゃそろそろ山のボスが出るはず。

 レア狩りするなら外せないやつだ。


「うわぁ、もう始まってる」

「偉い勢いで溶けてるね体力さぁ…」

「走ってとにかく一撃入れないと!」


 森のボスっぽいけど山のマップと同時に実装されたので山ボスになってる巨大な女王バチ、カムカムニードルクイーン。

 取り巻きがボス中でも特に多いと聞いたが、範囲攻撃の人が多くて蹴散らされた後なのかぜんぜんいない。


「あー、単純作業続きで脳が働いてないわ…」


 ボスからは基本、ドロップはない。

 討伐報酬としてインベントリに直接参加者全員にアイテムが入る仕組みなのは以前言った気がする。

 武器防具にも耐久力があるのでいちいちドロップないのに使うのもったいない…というのが世の基本というわけ。

 ボスって耐久減りやすいようだし、いい報酬狙うならダメージ優先だし。

 でも装備変えずに私はスク水でボス殴り。

 白い目で見られたりするんかね…そういうの、専門家からは。

 ま、知ったことではないが…。

 しかし、周囲に強い人が多いのはわかるが本当にすごい勢いで削られていくボス。

 後ろの魔法使いは、何か必死な感じが伝わって熱を感じる…のと。

 奥手を見ると、何やらすごいダメージ出してるのがいる。


 ………あ。


 いつかのテロの時見た、あのガンナーだ。


 なるほどMVP争いだ。

 ダメージ総量最大のMVPで特別アイテム増加報酬があるので、それを取り合っていたのだ。

 だが見るからに勝負にならなく、ガンナーがMVPを取った模様。

 殴りながら会話する暇もなく、ボスは退治されてしまった。 


「ふぅ…何かでたかい小石ちゃん」

「見てみて本田さん、濃厚なハチの巣出た」

「うわ、すご」


 開けるとはちみつがランダムで出現するアイテムだ。

 これは一度ではなく壊れるかもランダムで、いくつも取り出して記録挑戦もできるなかなかのレアアイテム。

 たいてい一度で終わるが、盛り上がるので取引価格が高いのである。


「本田さんは?」

「……あ、はちみつ一つとハリだけです」


 最低クラスの、周囲の雑魚からも出るアイテム。

 やっぱり都市伝説なんて信じるものじゃない。

 そう和やかにやってる中、画面はしにふっと、例のガンナーが去ってこうとするのが見える。


「…ちょっとあの人に声かけてくる」

「えっ誰!? どこ行くの本田さん」


 なんとなくだが、お礼も言ってないし興味もあるので、追いかけることにした。

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