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浮遊
ああ、青の中に羽が落ちた、か。
まるで、私の人生みたいだな。
どこへともなく漂い、誰にも必要とされない。
波は、気まぐれにそれを弄び、どこへともなく運んでいく。
私もそうだ。どこへ行くのか、何をするのか、そんなものはどうでもいい。
ただ、この退屈な世界から、早く消えてしまいたい。
光が揺れる水面を見ていると、自分が溶けてしまいそうだ。
ああ、私は、一体何をしているのだろう。
こんなにも美しい青の中で、私は、ただ死を待つだけなのか。
この世界は、私にとって苦痛でしかない。
美しいものを見れば見るほど、自分の醜さが際立つ。
私は、この世界に馴染めない。
だから、ただ、目を閉じ、この世界から逃げ出すしかない。