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二重人格
昼は、世間に阿り、仮面を被りて、作り笑いを浮かべる。
夜は、心の澱を晒し、慟哭する。
二つの魂が、一つの肉体に押し込められ、互いに求め合い、憎しみ合う。
まるで、私の心のようだ。
光と闇、善と悪、天使と悪魔、生と死。
それらは、常に私の中でせめぎ合い、私を苛む。
鏡に映るは、もう一人の私。
それは、私であり、私でない。
それは、私を愛し、私を憎む。
それは、私を求め、私を拒む。
ああ、何と滑稽なことか。
二つの心が、一つの身体に宿り、互いに求め合い、憎しみ合う。
それは、愛なのか、憎しみなのか。
それは、希望なのか、絶望なのか。
そんなものは、どうでもいい。
答えは、闇の中。
答えは、夢の中。
答えは、心の奥底。
答えは、私の中に。
しかし、それらは、全て曖昧模糊として、掴みどころがない。
まるで、この世の全てが、幻であるかのように。
私は二重人格だ