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モブデバイサー  作者: 今宮僕
第1章 過去からきた少女とある夏の日
8/8

8 デバイサー事変


 5年前。


 第三次世界大戦が終わってから数年後。


 非武装平和を誓った国際連合は大量のデバイサー粒子を一斉散布して世界中の武力解体を行った。


 その際、デバイサー粒子生成量の多い50名のデバイサーが選出され粒子一斉散布に参加した。


 そのうちの1人が当時10歳の俺だ。


 当時の俺は生まれつき大量にデバイサー粒子を生成できる特異体質の人間だった。


 この50人は後に国際デバイサー協会直属の50人委員会のメンバーとなる。


 大米合衆国の直径100メートルに及ぶ巨大なデバイサー粒子散布装置にデバイサー粒子をひたすら生成し注入していく。


 ブオォォンッ。

 

 装置に粒子を流し込み続ける。


 これが中々大変な作業で長時間、全神経を粒子生成に費やさなければならないので精神と体力の摩耗が激しい。


「はぁ……はぁ……」


 俺は大量の汗をかきながらも、粒子を生成し続けた。


「32番。無理しなくてもいいからな。一旦休むか」


「いえ、平気です」


 俺は必死に粒子生成を行った。


 世界平和のためと教え込まれていたから。


 数時間にも及ぶ粒子注入世界中の武力解体は無事終わった。


 しかし翌日。俺は衝撃の事実を知らされる。


 世界中で数百万人の非デバイサーの人間が昏睡状態に陥ったのだ。


 原因は大量のデバイサー粒子を浴びたショック症状のためであった。


 この事件はデバイサー事変と呼ばれた。


 昏睡状態に陥った人々を再び目覚めさせるためには解体した武力も一緒に元に戻さなくてはならなかった。


 しかし国際情勢は未だに五大国は冷戦状態でSWOCによる睨み合いが続いていた。


 しかし昏睡状態になった人々を救うために、再び武力を元通りにしても武力衝突が起こらないようにするため、いよいよ今年、和平交渉が行われる事になった。


 デバイサー事変の被害者救済に5年かかったのは、各国SWOCデバイサーの実力と兵数の足並みを揃えるためだった。


 不平等のない和平交渉のためだ。


 サミットは俺達の住む和雅国で近日、開催される事になった。


 しかし、サミットを前にして、学園ではとある大事件がこれから起きる事となっていた。


 全く、嫌な予定調和だ。

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