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モブデバイサー  作者: 今宮僕
第1章 過去からきた少女とある夏の日
6/8

6 テロリスト襲撃


 夕食は研修施設の大広間でバイキングだった。


「食べ放題だ! わーい!」


 りんは大喜びではしゃいでいた。


「育ち盛りといえばバイキングね。ご飯も超山盛りにしちゃうんだから」


 と、あやか。


「意地汚い真似はおよしなさい」


 れいなはあやかを嗜めた。


「大丈夫だって。ちゃんと食べ切るから」


「そう言って食べきれなかった分を私に分けて残飯処理を手伝わせるじゃないですの」


「うっ……この間は本当に盛り過ぎただけだもん」


--バチンッ。


 大広間は突如暗転した。


「何!? 停電? 暗いの怖〜い!」


 と、りん。


「いや、何者かがいきなり照明の電源を切ったんだ」


 と、俺。


 りん以外の学生と教師達はこの異常事態に咄嗟に身構える。


 白い壁のスクリーンに黒づくめの仮面を被った人物が映し出され我々に語りかけた。


「こんばんは。素粒戦専御一行の皆様。我々はアンチSWOC革命組織『国際アンチデバイサー軍事連合』。アンチデバイサー粒子によってこの間違った世界を正す事が目的だ。ちなみにこの映像はネットで全世界中に同時生配信されている。そして今、君達の姿も外のドローンで撮影配信している」


 外からビデオカメラのレンズのついた軍事用ドローンを視認した。


「ドローンを破壊する。SWOC! セット! ハンドガン!」


 バンバンバンバンッ。


 教官がドローンをSWOCで攻撃する。


「SWOCでの攻撃が効かない?! まさか実在の軍用兵器?」


「フフフッ。これはアンチデバイサー粒子よって武器生成分解阻害をして作った本物の兵器だ」


 バババババババッ。


 窓の外から数体の軍用ドローンが銃撃を行った。


「皆伏せろ! そして頭上にシールドを張れ!」


 教官は学生達に大声で指示した。


 俺達は咄嗟にシールドを張る。


 しかし敵は銃弾にアンチデバイサー粒子を含ませており、シールドは分解された。


「嘘……このままじゃ人体に当たってしまう」


 クラスメイトの1人が嘆いた。


「くっ……」


 教官も自身への弾丸を防ぐので精一杯だった。


「SWOC! セット! 一斉伝達」


 俺は全体にSWOCによるテレパシーを送ることにした。


「俺は50人委員会のメンバーだ! 協会直属命令で今から指示を出す! 全員で融合シールドを生成し敵の弾丸が貫通しないようにせよ!」


「融合シールド!?」


 学生達は驚く。


「分厚い頑丈なシールドを張れば銃弾は防げる」


「「サーイエッサー!」」


 皆は指示に従ってくれた。


「SWOC! 融合シールド! 展開!」


 厚さ1メートルの融合シールドが生成された。


 しかし、大広間右端の学生の数人が上手くシールドを張れず分解されていく。


 俺はそれを見て異質な気配を感じた。


 僅かながらに感じる精気を奪われていく感覚。


 もしや、アンチデバイサー粒子が散布されている!?


 大広間右方を目視で確認すると、割れた窓から何かを噴射しているドローンを見つけた。


 あいつの仕業か。


「SWOC! セット! ストレートアロー!」


 ピューンッ。 ドガンッ。


 俺はアンチデバイサー粒子を散布していると思しきドローンを破壊した。


 正確には矢型のデバイサー粒子大量注入による即時分解だが。


 ブウウウウンッ。ブウウウウンッ。


 窓を突き破って侵入した機関銃搭載の軍用ドローンが飛び回りながら銃撃し学生と教官達を襲う。


 皆シールドで自分の身を守るのに手一杯だ。


 しかし、銃弾によりシールドは分解されていく。


「りん! この大広間を覆えるような大きいシールドは出せるか」


 デバイサーの始祖であるりんにはまだ余力があるように見えた。


「うん! やってみる! SWOCセット! マキシマムシールド!」


 りんは即座に厚さ2メートルの大広間全体を覆う巨大なシールドを展開した。


「なんて分厚いシールドですの?!」


 れいなが驚く。


「幼女すげーよ……」


 あやかも驚く。


 しかしこれでは敵を倒せない。


「(SWOC! シールド形状変化! 正弦波振動!)」


 ドン! ドン! ドン!


 俺はりんの張ったシールドを波立たせ、機関銃搭載ドローンを全て破壊した。


「なんだあの技は!?」


「一体誰が!?」


 学生達が見た事ない芸当に驚いていた。


 驚くのも無理もない。


 この技はカリキュラムにない50人委員会レベルのデバイサーしか使えない技だからである。


「ちっ! 作戦失敗か! 撤収!」


 仮面を被ったテロリストを映し出していた撮影用ドローンは海の方へ逃げ去っていった。


「恋澄まこと! あのドローンを追え!  50人委員会のメンバーはお前なんだろ! これは教官命令だ!」


「サーイエッサー」


 俺は単独でテロリストを追った。


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