02 街の様子
「あまり活気が感じられない様だけど、何時もこんな感じなのか?」
門番のチェックを受けて、街の中へと入った時から感じていた活気のなさをアレスに小声で聞いてみた。
「この時間は、まだ街の外で働いているんだと思いますよ。
日が暮れる少し前に門は閉ざされてしまいますから、少しでも長く外で働かないといけませんから」
「でも、門の外には何もなかったぞ? 畑なんかがあってもおかしくないと思うんだけど」
「この街は、僕達の入って来た門の反対側に畑があるんです。
街自体が、魔物達の行く手を阻んでいる感じになっているんですよ」
「そうだったんだ」
門番が門の中に居た理由が分かった様な気がした。
門の前まで来たのに誰も居ずにアレスが声を上げて開門を要請したのは、街の中へ魔物達を入れないようにする為なのだろう。
門番は人間が来たと確認できた時だけ、門を開け放つのだろう。
この世界では、あのような方式が普通の事なのだろうと考えていたが、あくまであの門だけの仕組みの様だ。
俺達はアレスを先頭に、街の中を歩いて行く。
道端に居るのは老人ばかりで、子供の姿が見えないため活気を感じなかったのだろう。
「子供の姿が見えない様だけど、皆、家の中にでもいるのかな?」
「アレスがさっき言っただろ? 皆畑に行ってるんだろうよ」
「子供の内から働いているのか? 勉強したり、外で遊んだりしないのか?」
「まぁ、良い所のお坊ちゃん、お嬢ちゃんならば家の中で勉強しているだろうけど、普通の子供は小さくても立派な労働力だ。
遊ばせておく余裕なんて、無いだろうよ」
リーナが少し、投げやり気味に伝えてきた。
「ユウタの居たニホンは違うのか?」
ザガンが聞いてきた。
「そうだな……さっき言ったように、子供の内は学校へ行って勉強したり、学校が終わったら外で遊んだりしていたな。
基本的には、子供の内は働かなくても良かったな」
「魔法が使えないのに、随分と余裕があるようだな」
「そうだな……魔法が使えない分、技術が進歩したのかも知れないな」
「この国も魔法が無かったら、ユウタさんの居らしたニホンの様になっていたのでしょうか?」
ナターシャが俺に疑問を投げかけた。
「分からない……分からないけれど、『もし』の事を考えても仕方ないよ。
俺にしてみれば、魔法が使えた方が良かったと思うしな」
『もし』を考えても仕方がない、手持ちの札だけで勝負していくしかないのだから。
「そうですね、『もし』を考えても仕方がありませんね」




