07 竹林
やっと明るい場所へ出たと思ったら、目の前には竹林が広がっていた。
竹の種類は分からないが、ある程度の太さがあるので真竹とか孟宗竹とか、そう言ったものの仲間だろう。
(筍でも無いかな?)
日本に居た時には、確か春先ぐらいに取ることができると思った。
もし筍を採取できたのならば、少しは生き永らえる事が出来るだろう。
(そう言えば、竹水なんてことをテレビで言っていたな……)
タレントの誰かが、「竹水って美容に良いんですよ~」とか言っていたが、美容がどうのうは今はどうでも良い。
そのまま飲むことができるらしいので、飲料水として確保できるかも知れない。
辺りを見回して、まだ若い竹が無いか確認する。
既に成長しきった竹しかない様で、竹の節しか見当たらない。
竹の先端は遥か頭上だ。
それならばと、その場を注意しながら踏む。
孟宗竹の場合、少し顔を出したぐらいの所を掘り出すはずと記憶していたから。
それでも何も見つけられない。
探し方が下手なのか、もう筍の時期が終わってしまった為なのか分からないが、俺が筍を手にすることが出来ないという事だけは分かった。
(確か、竹水も若い竹じゃないとダメだって言っていたような気がする……そっちもダメか……)
まぁ、道具などの素材としては優秀だから、何か作る時には此処から持って行けば良いだろうと思い直した。
(これからどっちへ進めば良いんだ? 竹林の中を突っ切るか、竹林を迂回して進むか……)
此処で水が得られない事は確定した今、水を得る為には先へ進むしかない。
(おっと、その前に、元の場所が分かる様に目印を作っておかないとな)
木に目印を付けようと思ったが、ふと竹を見て思った。
(竹を何本か伐って纏めて置いておいた方が、目印としても分かりやすく出来るんじゃないか?)
とりあえず、鋸で竹を3本切り倒し、元来た方向へ先端を向けて並べて置いた。
更に、3本共に節の途中を鋸で切り、穴を開けておく。
(こうすれば、間違いなく俺が倒した竹だって分かるだろ。
少し休憩するか……)
倒した竹に腰掛け、暫しの間休むことにした。
胸ポケットに入れられたスマホからは、音楽が流れ続けている。
俺は少しの間、音楽に耳を傾ける。
(本当は節約しなきゃだけど……)
リュックの中に入れてきた飲みかけを、少し含んで口を潤おす。
(さて、どちらへ進むべきか……)
目の前の竹林と、竹林と森の境目を何度も見比べた。




