27 勇者御一行様
「お~い、レオン。
大丈夫かぁ?」
「全く……『様子を見てくる』って言ったきりで、何時まで経っても帰ってきませんし」
「あぁ、済まないっす。
ちょっと話し込んでしまったっす。
何も問題はないっすよ」
「そうか、それは良かった……と、其方の方は?」
「紹介するっす、此処で食べるものを探していたユウタっす。
んで、こっちが勇者のアレス、聖女のナターシャ、剣聖のリーナ、ポーターのザガンっす」
「ユウタです、よろしくお願いします。
……って、レオン、もう少し真面に紹介してくれよ」
「ユウタさんですね。
アレスです。
よろしくお願いしますね」
勇者のアレスは、微笑みながら手を差し出した。
アレスの顔立ちは非常に整っており、一挙手一投足全てが様になっていた。
(イケメンって、何やっても絵になるから狡いよなぁ……)
そう思いながら、差し出された手を取り握手する。
「ナターシャです、よろしくお願いします。
ところで、この様な所で食料を探していたとのことですが、どうしてこんな所にいらっしゃったのですか?」
「リーナだ、よろしくな。
本当にそうだぜ、何でこんな何もない所に居たんだ?」
「さっきもレオンに説明したんだが、訳あって此処に飛ばされてきたんだ」
二度手間となるが、アレス達には今の俺の境遇は説明していないので、致し方ない。
そう思い説明を始めようとした所、横からレオンが遮った。
「詳しくは、夜に俺っちが説明するっす。
今は、野営できるところを探すのが先っす」
「そうだったね。
じゃあ、ユウタさん。
早く今日の寝床を見つけないといけないから、失礼するね」
イケメン勇者とそのご一行は、野宿できるような場所を探しているらしい。
「えっと……野宿するのか? 女性もいるのに」
「仕方がないさ、こんな何もない所だからね」
「えぇ、そうですわね」
アレスの言葉にリーナが同意し、その他のメンバーも首肯していた。
「じゃあ、今俺が住んでいる洞窟を提供するよ。
狭い所だけど、女性達を夜空の下で寝させるものじゃないだろ?」
「女性達ってことは、あたしも女扱いしてくれるのかい? 嬉しいねぇ」
「リーナは、外でも大丈夫なんじゃないか?」
ザガンの軽口に、リーナは拳骨で応えていた。
「いって~な、何するんだよ?」
「自分の言動を、思い返してみなってんだ」
ザガンとリーナの喧嘩が始まった。
間にレオンが入って、仲裁を試みている。
その様子を、ナターシャが微笑みながら見ていた。
「済まないね、いつもこんな調子なんだ。
全く、いい加減止めないか」
「良いじゃないか、皆仲良さそうで」
「ところで、本当に君の住処を貸して貰えるのかい?」
「あぁ、此処で会ったのも何かの縁だ。
それに、色々聞きたい事もあるんだ」
「僕達で答えられる事だったら、何でも答えよう」
「ありがとう。
じゃあ、洞窟まで案内するよ」
勇者様御一行、洞窟までご案内っと……




