21 竹細工(3)
(ここをここに入れて、次にここへ入れて……)
網を編む要領でひごを編んでいく。
朝作ろうとした籠は流石に大きすぎると思ったので、30cm程度の長さに竹を切ってひごを作り編んでいた。
予定ではひごの長さと同じ大きさの笊が出来上がる筈なので、30cmの四角い笊が出来上がる筈だ。
網目が殆ど無い物と、少し大きめに網目が開けてあるものを用意した。
実際の所はひごが足りなくなってしまったので、間を開けて編み込むしかなかっただけだったりする。
(まぁ、これはこれで使い道もあるだろう。
物を洗う時に使うとか、茹で上がった麺の湯切りに使うとか……)
勿論、麺など手元には無い。
大元である小麦すらないのだから、どう足掻いてもこの笊が湯切りに使われることなど此処に居る間はありえない。
当面の間は、湯切り、水切りとしてではなく運搬用に使う事になるだろう。
(明日こそは、笊を持ってヨモギとノビルを摘みに行こう。
余裕があったら、キイチゴを取りに行きたいな)
ふと、持ってきた竹の方へ眼をやる。
もう、数える程しかなかった。
(後は何を作ろうか?)
笊ばかり作っても仕方がない。
とりあえずは、2つもあれば大丈夫だろうと思う。
竹と言えば水筒が思いつくが、既に縦に割った竹なので水筒として利用することは不可能だ。
(今度持ってくる時は、割らないのも持ってこないといけないな)
次回の事はとりあえず置いておくとして、本題に戻ろう。
竹で作れるもの……竹とんぼ……作って飛ばして遊ぶ? 遊んでどうする。
食べる? そう言えばメンマって竹を煮込んで作るんだったか? でも、此処の竹は食べられるのか? 味付けなしでも食べられるのか? まぁ、一度は試してみるのも良いのかも知れない。
あとは……鹿威しに使う? あれも筒になっていないとダメだし、水が無いと動かすことが出来ない。
だけど、音を出して動物を遠ざけると言うのは良いかも知れない。
今のところ脅威になるような動物には出会っていないのは、単に運が良いだけだろう。
竹を使って音を出す方法は、鹿威ししか無いわけではない。
風鈴のように風が吹き抜ける力で、竹同士がぶつかる様にすれば良い。
それに、あれならナイフで穴を開けて蔓を通してやればそれなりの形になるのではなりそうな気がする。
残りの竹に穴を開けて蔓を通そうとした時、蔓の残りが少ない事に気が付いた。
(蔓か……できれば蔓は使いたくないな。
何か代わりになる物は無いか……)
今は思いつかなかったので、穴を開けてしまった竹は洞窟の隅に置いておく。
その内、代用品を見つけ出して有効利用できることだろう。




