03 食べ物を探す(2)
(そう簡単には見つからないか……)
森の中を彷徨い歩き、ふと小休止の為に腰を下ろした。
ポケットから取り出したスマホの時刻は、森の中へと踏み入ってから3時間も経っていることを示していた。
此処までの間に得られた成果は、蔓を見つけらる事が出来た。
その蔓も、帰り道を指し示すための目印として使って居る為、手持ちの成果としては0であると言うのが現状の状態だ。
(まぁ、蔓を回収しながら帰れば、少しは成果を得られたと言うのが救いだな)
そう考えながら、先程木の幹に結び付けたばかりの蔓を見ていた。
(そう言えば、蔓って食べられないのかな?)
戦国時代辺りは、芋がら縄と呼ばれるものを作って腰に括りつけていた。
その材料は芋茎であり、持ち運べる食料として兵達が持参していたそうだ。
(蔓も芋茎も似たようなものだろ? 困った時の1つの方法として考えておくのも悪くないだろ)
蔓は天然の縄として利用価値がある。
食べてしまえばそれで終わりだが、最後の手段の1つとしておくことも考えた方が良いだろう。
ただ問題が無いわけではない。
どれも同じような蔓に見えるのだが、葉っぱの形が少しずつ違っている。
これは、同じ種類の蔓ではないと言う事に他ならない。
例え、1つの蔓が食べられることを確認したとしても、次に見つけた蔓は異なる種類であり、それが食べられるとは限らない。
(何で、こんなに沢山の種類があるのかね……蔓なんて1種類もあれば十分だろ)
これは、地面に生えている草はヨモギだけで良いと言っているのと同じことくらいの暴論である。
その様なことになると、例えばヨモギが生息できない所では何も生えて来ないことになる。
多様性があるからこそ、その場所ごとに適した食豚や生物が存在している、
この蔓だって、多様性があるからこそその場に生えている……と言う事は、頭の中では理解している。
理解しているのだけど、感情がそれを許してはくれない。
面倒なことは極力避けたいという思いが、どうしても先に立ってしまう。
後で分かるのだが、この蔓は全て同一の種類だそうだ。
成長過程で葉の形が変化するので、俺には同一の種類とは認識できなかったようだ。
(そろそろ、再開するか……)
視線を真っすぐ前へと戻して、立ち上がった。
(おっと……)
食事をしているとは言っても、摂取カロリーは必要最低限にも届いていないだろう。
立ち上がる時に、少し足がふらついてしまった。
(『確実に痩せたいあなたへ』とか書けば、日本だったら流行るかも知れないな。
『死んでも痩せたい』とか言っている奴も居たし、確実に痩せることが出来るのなら本望だろう。
下の方に小さく、『※命の保証は致しかねます』と書いておけば、問題無いだろうし……)
実際にこの状況に陥ると、痩せる痩せないとかそんな事はどうでも良いと思うようになる……と考えながら、苦笑していた。




