15 王都への道のり(2)
「此処から先は、間違いなく魔物が居ると思って間違いないっす。
心の準備は大丈夫っすね」
「あぁ、大丈夫だ」
本当は大丈夫じゃないし、何が大丈夫なんだ? と言う話ではあるのだけれど、そんな細かいことを気にしている暇はない様だ。
レオンを先頭に、リーナ、俺、ザガンの順で街道らしき場所を進んでいく。
レオンが全体を警戒、俺の前後をリーナ、ザガンが守ると言う、完璧な布陣。
(やっぱり、俺、お客様じゃね?)
暫くこのまま進み続けていたのだが、不意にレオンが此方に掌を向けた。
「この先に、オークが2匹居るっす。
どうするっすか?」
レオンは、パーティーのリーダーであるリーナに戦闘するか避けて通るのか、確認しているのだろう。
「そうだね……ユウタ、やってみるかい?」
(はい、リーナさんからのご指名入りました)
ここで、『いいえ、結構です』と言える勇気を俺は持ち合わせていない。
現に、リーナは微笑みながら此方を見ているが、俺には悪魔が微笑んでいる様にしか見えない。
「ユウタが相手するのは1匹だけで良いよ。
もう1匹はあたしが倒しておくから。
ユウタも色んな魔物と戦ってみた方が良いだろうからね」
「何事も経験……だな」
ザガンは朝方に聞いた言葉を繰り返していた。
(そうかも知れないけどさぁ……)
逃げ道が全て塞がれた俺は、リーナの言葉に頷くしかなかった。
「よし、それじゃあ、あたしが奥の1匹倒した後、そのままもう1匹を逃げられない様にしておく。
ザガンとレオンは夫々、左右への逃げ道を塞ぐんだ。
ユウタは正面からオークと戦うんだ、分かったな」
「おう」
「っす」
「分かった」
「あたしが動き出したら作戦開始だ。
ユウタ、遅れるんじゃないぞ」
俺は再び頷いた。
俺の頷きを確認したリーナは、その場で身を屈め直後に大きく飛び出した。
(ちょ……直ぐかよ)
レオンとザガンは既に左右に展開している。
リーナも既に1匹の首と胴体は分けられており、もう一匹の前で逃げられない様に剣を構えている。
俺もこれ以上遅れない様、オークの背後へと飛び出した。
「ユウタ、遅れるなって言っただろ」
「直ぐとは思わなかったんだ」
「まぁ良い。
さぁ、始めるんだ」
その後、何とかオークを倒した俺はその場にへたり込んだ。
「倒すことは倒したが、もう少し綺麗に倒さないと売り物にならなくなるから、そこの所は気を付けるんだな」
「俺はまだ、倒すだけで精一杯だよ」




