第五話 新たな 力
前回の戦いでファリナ、サリーナ、応千らの捕虜を奪還した渚達は今後の方針を決める為に会議室に集まっていた。
「今後の方針を決めたいのだが・・・」
渚が話しを切り出したとき、ファリナが手を上げた。
「ひとつ聞きたい、なぜあの時指揮を放棄した?」
ナイトメア全員が疑問に思うことだ。一年前の戦い、富士山戦で渚は指揮を放棄したのだ。その事が原因で負けたと言っても過言ではない。
「貴公がもし指揮を放棄しなければ勝てたかもしれない」
さらにファリナが追い討ちをかける。
「それ、俺も聞きたい」とファリナに続き由井も渚に問いかけた。それもそのはず渚を探すために自分の愛機を失ったのだ。
渚はしばらく考えたが、やはり信用してもらう為に話す事にした。
「分かりました。貴方方にすべてをお話ししましょう。」
あれから一時間・・・
「以上・・・です」
渚は全てを話した。自分が指揮を放棄した理由、提督の息子である事、記憶を消されていた事
「なるほどと言うべきか・・・」
「まだ納得できない部分もあるが、一応理解はできた」
由井もファリナもそれなりに納得した。
「ありがとうございます、ファリナさん」
渚は一礼すると本題を切り出した。
「では今後の方針を決めたいのですが、意見はありますか?」
渚は意見を求めた。結果出た意見は戦力増強と他国との連携の二つ、だが今現在、はっきり言って両方とも実現が難しい。
まず戦力増強だが前回の捕虜奪還で兵力は増えたが強くなった訳ではない。それにナイトメアは足立区のみしか存在しない、それに四方はすでに日本軍に囲まれてる。
そして次の他国との連携も同じく難しい
「では、これで会議を終わります」
渚は一礼し、応千に書類を渡すと一目散に会議室から抜け出し、パソコンを開く
(どうすればいい?考えろ、渚)
数日が経った頃・・・
渚が応千に渡した書類は設計図だった。機体名は「月島」と「焔」。外見は変わらないが「月島」はファリナ専用機、「焔」はロフティとサリーナの専用機として戦闘データも計算した結果を基に設計した機体だ。
「どうだ?応千、もう完成したか?」
渚は格納庫に来た時にはすでに完成寸前だった。
「あとは模擬戦だけだ」
応千がそう答えると渚は「そうか」と頷いた。
太平洋の上空に一機の大型輸送機が日本に接近しようとしている。
アメリカ連邦国所有の大型輸送機内部
「亜里亜隊長、本当によろしいので?」
「うん、手加減は一切なしよ?いいわねクリス?」
「了解しました」
クリスと呼ばれた女性は頷くもあまりやる気ではなかった。
「さぁて、今のナイトメアは強いのかな?」
「リーダー、上空に所属不明機が接近してきます」
ロフティは渚にそう告げ、渚は応千に連絡を取る。
「応千!紅月は出せるか?」
「ああ、ついでに「蒼月」「月島」「焔」も出せるぞ」
「分かった。全員にスクランブルを掛けてくれ」
「了解」
「ロフティ!お前も格納庫に向かえ」
「はい!」
渚はパイロットスーツを着こなし、F体型で待機している「紅月」に乗り込む。
「「蒼月」「月島」「焔」全機聞こえるか?これより我々は所属不明機を迎撃する。私と由井は上空で牽制、降下してくる部隊があったら「月島」と「焔」で迎撃、以上だ」
渚は簡単に作戦を述べた。咄嗟に考えたにしてはいい作戦だ。
「「了解」」
全員承知した事を確認すると渚は紅月を加速させ、離陸を開始した。
輸送機内部
亜里亜を筆頭にパイロットスーツを着こなす五人の女性
「みんな!いい?」
「亜里亜隊長、そんな声を出さなくても・・・」
「いいの!戦いはノリがいい方勝つの!」
「さっさと作戦の確認をしてくださ〜い」
「まぁいいや、今回の作戦は簡単でナイトメアの実力を試す。それだけ」
亜里亜は四人が確認した事を確認、そして自分の専用機に搭乗する。そして輸送機から五機の機体が降下した。
機体説明
「月島」
全長4、53m
名前の読みは「つきしま」
「焔」と外見は変わらない。これはファリナ専用機として設計された為、ファリナ以外は乗りこなせない。
機体性能はかなり高く、バリスタと同等の性能を誇る。尚型式番号がないのは渚曰く「めんどくさい」と言う理由で付けなかった。ちなみに後部には「スピナー」と呼ばれるローラーを脚部に装備する事により、ホバー機能搭載型の機体よりエネルギーを消費せずに済む。機体色は青と銀
装備 対機動兵器用刀「豪熱」、ハンドガトリング、脚部に搭載されているミサイル
「焔」
全長4、52m
名前の読みは「ほむら」
「月島」と変わらないがこちらの機体はロフティとサリーナ専用機として設計された機体。「月島」同様、機体性能は高い。
装備は「月島」と同じ。機体カラーは赤と銀