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第十一話 巨壁 の 槍

東京の隣県のひとつ・千葉県

一週間前、ここで大量虐殺が起きた。日本軍と反乱組織の戦いと言う名目で日本軍は虐殺を行った。もちろんその中に反乱組織の人間は居たものの七割程が民間人だった。

その報せを聞いた渚は次の目標を千葉県に定めた。すでに東京湾を経由しすべての部隊も上陸、配置を終えている。後は渚の指示を待つのみ。だが未だに指示を出せないのが現状、それもすべての理由は一人の男が原因だった。

草壁豪くさかべごう

彼は日本軍副提督でありながら七武衆の一人でその活躍は目覚しく、人望が厚い人物だ。

別名「巨壁の槍」

指揮能力も渚と同等、いやそれ以上かも知れない。それ以前に彼、専用機が強すぎる。「紅月」でギリギリ対抗できる程だ。

そして今回の戦いはどちらが先にでるか。もちろん、一気に攻め込む事が出来る。だが豪はどんな劣勢でも優勢に変える事が出来る人物。

渚は不意にパソコンから目を離した、すると一人の少女・亜里亜を見つけた。渚は「紅月」から降り、亜里亜に近寄る。

「何してる亜里亜?」

「あっ!渚」

亜里亜も渚に気づいて、近寄る。

「昔、ここに似た所で花火やったなって」

花火・・・渚は頭をフル回転させて記憶を探った。片隅に残っていたみたいだ。微かに残るビジョン。

「そう・・・だな」

渚は小さく頷いた。

「そう言えば、いつ作戦開始するの?みんな怒ってるよ?」

「そうか・・・」

渚は拳を強く握る。そして決意する。「豪を恐れるな」。渚は自分に言い聞かせた。

「分かった。子供は早く寝ろ!」

渚は亜里亜にそう言って「紅月」に乗る、亜里亜に何か言われた気がしたが無視した。


その日は晴天に恵まれていた。時刻は十時。

「ナイトメア、総員出撃!」

渚の怒号はナイトメア全体に響いた。「おおっ!」と歓声が上がる。そして同時にファリナ率いる壱番隊を中心に攻撃を開始、日本軍は応戦を開始する。

「壱番隊はそのまま前進し陸上戦艦を落とせ!」

「了解」

ファリナの「月島」は跳躍、ブリッジ部に「月下」を突き刺す。


「豪副提督、どうやら敵は三方向から進軍してる模様です」

士官の一人がそう述べると豪は腕を組む。

「30分だ。30分だけ自由にさせて置け」

豪はそれだけ告げる。士官は「はい」と頷き、再び指令室に戻る。


ナイトメアは優勢、渚にとってこの状況はとても恐ろしく見える。まるで昔に起きた「沖縄事変」のように・・・

「沖縄事変」・・・渚がナイトメアを創設する前に起きた戦い。沖縄には最大の反抗勢力があり、最後まで抵抗を続けた所で、日本軍は難色を示していた。そこで現れたのが草壁豪だ。

彼は機転のきいた作戦を連続で行い、結果、一ヶ月続いた戦いも僅か、三日で終わったのだ。

渚は「戦況があまりにも似すぎている」と思い、零番隊を前進させた。


「草壁副提督、機体の整備が完了しました」

豪は頷き、パイロットスーツを着こなし、自分の機体「馬孫ばそん」に搭乗する。横には黄色い機体、蛍の乗る「電光」が配置してある。

豪は「気をつけろ」と言うと蛍は静かに頷いた。

「馬孫」出るぞ!」



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