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第一章 始まり
真っ直ぐ走っていくと、目の前には野原が広がっていた。
そこには、一機の小型の飛行船が停まっていた。
「あれが、俺の飛行船だ」
ヴィヴィーと青年が声を上げると、一匹の小型犬くらいの赤いドラゴンが飛行船の中から姿を現した。
「やっと戻ってきたか遅かったな!……………誰だ?その嬢ちゃんは」
ヴィヴィと呼ばれていたドラゴンは、船に乗るエリシアに気づくと首を傾げた。
「それは、あとで話す。とにかく今は、早く船を出してくれ!」
「なんか、あるのか?…………って、なんだ!あの騎士団は!?」
エリシア達が走ってきた方向を見ると、凄まじい速さでこちらに向かって来る騎士団がいた。
「理由はよくわからないが、急げばいいんだな!」
よく、掴まっとけよと言ったのが合図のように船が空を飛んだ。
「た、助かった」
青年がそう言い腰を下ろすと同時ににエリシアも腰を下ろした。身体から力が抜けたのか、瞼が下がりエリシアは眠りについた。