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異世界人の思惑

異世界アエテルニタスの国の一つ、ビザンツ帝国を召喚した当事国、聖シラクサ王国。その王宮玉座の間、王宮魔術師の一団は赤と金を基調とした豪奢な玉座に腰掛ける第32代シラクサ王ラオンディオル・シスル・シラクサ4世に跪いていた。今年で55歳となるのに色褪せぬ金の長髪と、白い髭、頭上には権力と権威の象徴たる豪華な王冠。王の左右には側近の宰相と、王の百官が勢揃いし実験の結果に耳を傾けている。


「筆頭宮廷魔導師長よ発言を許す、結果を聞こうか?」


王に促され魔術師団の長が顔を上げ吉報を待つ王に口を開いた。


「国王陛下、例の実験は無事に成功しました。異世界より広大な土地を召喚し、我が国の東の領域と接続しました」

「「おおお」」


臣下の貴族や官僚たちが歓声をあげる。


「よくやった導師よ、これで我が神聖シラクサ王国はさらなる発展を遂げるであろう」

「恐れいります陛下」

「して、その召喚した土地には労働力となる者共は住んでいるのであろうな?」

「はい陛下、感知魔法で調べたところ、彼の地には一千万以上の人間が住んでいると事は確認済みです。あとは隷属の魔法を掛け奴隷にすればよろしいかと」

「完璧だな導師。我がシラクサは北の大帝国に備える為にも更なる力が必要だ」


言い終わるとシラクサ王は導師から視線を外し、黙って様子を見ていた居並ぶ貴族に目を向けた。


「貴族諸兄も聞いてほしい、急ぎ軍を編成し彼の地を占領するのだ。原住民は歯向かうのならば殺して良い、相手は魔法を使えぬ文明を知らぬ野蛮人どもだ。活躍が認められた者は新たな諸侯として、その地に領地を与える」

「「「仰せの通りに我らが国王陛下」」」

「相手は魔法が使えぬ連中だ鎧袖一色、戦いにもなるまい。一方的に蹂躙せよ」


こうして神聖シラクサ王国は、自国の身勝手な発展の為に異世界から国を召喚した。その土地の住人が魔法を使えない事を分かった上で、自分達が優位者であると確信した上での事だった。

だが大きな誤算があった。彼らの召喚した地にはかのディオクレティアヌス帝から始まった専制君主ローマ帝国の絶頂期を実現した皇帝が居る事である。

そしてその皇帝はその生い立ちゆえに、誰も信じず敵には容赦しないともしらずに。


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