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#12 長い夜

ーーしかしこいつ式神とか言ってたけど、あれだろ? 白虎びゃっこってやつだろ?


 車の助手席で子供の様に眠るハクを見ながら、望はラノベで仕入れた乏しい知識を使って考える。それに主の気を糧にするって……俺の寿命喰ってんのか?


「まさかな~、あははは」

「間抜け面で何バカ笑いしてんだ?」


 右目をあけて望を見るハク。


「お、起きてたのか?」

「寝るつもりだったんだけど、胸糞悪い気配が蠢いてて寝れねぇ」

「ち、近くにいるのか?」


 襲われた記憶と恐怖が蘇る望。


「いや、近くじゃ無い。俺達を狙ってる訳でも無さそうだし、ほっとくか」

「……いいのか、それで?」

「俺が託されたのはお前を護る事だ。正義の味方をやってる訳じゃない」


 小さく伸びをしながら銀髪の少年は淡々と答える。

望は先程襲われた恐怖を思い出していた。考えたくはないが何かがひっかかる。


《俺は死が近づいた人間に選択肢を伝えその結果を見届ける》


ーー違うここにひっかかってる訳じゃない。


《”一度俺を見た事がある者”には俺が見える》


ーー俺はかって月見山病院で、見届ける者に出会った。権藤さんの選択肢に関わったからだ。

……巴さんは? 巴さんは何故、見届ける者が見えたんだ? 病院では見えてなかったはずだ。


《”死が近づいた者、その選択に深く関わる者”には俺が見える》


ーーこれだ! くそ、なぜ気づかなかったんだ。


キキッー!


 望が急ブレーキを踏む。


「ちくしょー! 助けなきゃ、巴さんを」

「行くのか? わざわざ危険を冒しに」

「当たり前だ。巴さんは絶対に死なせない!」

「やれやれ。わかったよ、乗れ」


ハクは車を降りると何かを呟き虎の姿に戻った。


《いいか望、俺はこの姿の間、お前の気を吸い続ける。お前の意思は”巴を護る”で障害は”距離”だ。今なら”縮地”を使えるが俺の属性の術じゃない。未熟なお前では大きく気を損なう。間違い無く寿命を縮めるぞ》

「その縮地とやらを使えば巴さんの元にいけるんだな?」

「お前の寿命と引き換えに、だ」

「頼む、ハク」


そう言うと望はハクにまたがった。



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