人を呪わば穴二つ
悪いことは後々になって自分に返ってくる。
人を殺した。
漠然とした言動に、高校生は冷静さも失った。
「だが、アンタに話す義理なんてないけどな。」
そう言い間宮は高校生から、足を背けた。
高校生は追ってこなかった。
間宮が少し目を向けると、下を向き悔しそうに地面を見つめる。
その姿に自分を重ねてしまったのは、共感があるからだろう。
「あれ、絹見さん?」
「あ、煙草屋の…」
後ろからエルの声がする。
間宮は足を咄嗟に早める。
後ろめたい気持ちが足に乗り移ったように、足は前へと進み
突き当りについたところで、足を止めて陰から様子をうかがう。
「五木です。いつもありがとうございます。」
「あぁ…兄がお世話になっているようで。」
「そう言えば、お兄さん。寺の後継者になるんですってね。おめでとうございます。
今度、お酒も発注し始めるので祝い酒でも…と思ったんですけど…。高校生の様ですし
あ、先代様にお持ちいたします!その儀式の時にでもどうでしょうか?」
高校生は兄という言葉にすごく敏感になっているようで。
時折、目を反らしては目を戻す。
笑顔もぎこちなく、焦っているようにも見えた。
「足止めして申し訳ない!今日は届け物があるので!また話を通しておいてください。失礼します!」
エルはそう言い煙草の配達へ。
結局の所、分からない事だらけだった。
谷地の視線の訳、悪魔祓いの件、絹見寺の跡継ぎ。
ただ、分かったのはこの話にどこか裏があるという事だけ。
こんなにも心がざわついているのは、雨の日だからだろうか。
「チッ…ライター忘れた。」
いや、足りないのは結局、ニコチンだったのかな。
PCの不具合で投稿が大幅に遅れました。
これからは、サクサク出していきたいと思います。
今まで待っていただき、ありがとうございます。
(自意識過剰ですね、すみません)
※今回は短い文で申し訳ありませんでした。
次は長めになると思います。