八 忘れ物。
・・・・。
すっかり忘れすれていた。
普段背中の痛みは感じない。
忘れててもしょうがない事かもしれないが、大問題だ。
背中の模様、異世界のものだということはさっきの話でおおよそ見当がついた。
だが、あの白い炎。なんなんだ。
ていうか、プールとか入る時どうすんだよ!!
丸出しじゃねえか!
私はクウィルバーに聞こうとしたが、屋上には人が来てしまったし、
今話すわけにもいかない。
う~~~~。さっさとどっか行ってくれ~。
おお!あそこなら♪
「ゴメン、ちょっとトイレ!」
私はそわそわしたそぶりを見せて、屋上から立ち去る
ナイスアイディア!私!
「へ?え!ちょっちょっと美智霞~?もうすぐチャイム鳴るよ!」
その時すでに私は遠くへ逃げていたため、聞こえるはずもなく。
トイレに駆け込み、制服を後ろ側に強く引っ張る。
模様の先っちょがはみ出て見え、炎は先端が揺れ動いている。
「ねえ?これ何なの?聞くの忘れてたけど。」
『はあ?ああ、それ。何回も説明すんのめんどくさいんだけどな~・・・。』
「私どうやってプール入るのよ!」
『そんなの俺の知ったことか!』
「知ったことだ!宿主がどうなってもいいって言うの??」
『命さえあれば別にかまわねえよ!』
「いいから教えろ~~~~!!!」
私の怒鳴り声が、トイレから漏れ、長い廊下に響き渡る。
「は!いっいいから教えてよ。」
『しつこいな~。だから俺が住んでる印的なやつだ。
この世界には、ほかにもただ、住む目的だけできてるドララグルスもいるからな。』
「それで、ほかに渡されないようにするために。」
『そう。だから仕方ないの。さっさとあきらめろ。』
「仕方なくねえだろ!」
『仕方ねえよ!』
「とにかく今日家に帰ったら聞きたいことたくさん用意しとくから
覚悟しといてよ!」
『俺は寝る!さらば!』
「私を宿主にしたのが運のつきね。さっきの説明もよく分からなかったし
今日家に帰って話を聞いて、まとめることにしよう。」
『・・・。』
無言のクウィルバー。まあ、どうせ逃げられやしないんだから
聞く機会くらい何度でもある。
私はチャイムの音を聞き、騒がしい教室に向かった。
いろいろと忘れていたことを思い出しすっきりしていた。
しかし私はひとつ心配すべき問題を忘れていた。
クラスの男子の田名部は尋常でないおしゃべりなのだ。