弐 初めての親友
私は小学校のときから、ほとんど一人ぼっちだった。
何か集団で行動するときは、できるだけ嫌そうな顔をする子達を避けて
グループに加わった。
小学校六年生のときに初めて、やっと分かり合える友達に出会えた。
彼女の名前は 神前 亜莉那 。
親友になれた。彼女は筆談で私と会話してくれた。
耳が聞こえない私にとても親切にしてくれた。
それから1年間、二人で多くの行事や物事を一緒に楽しんだ。
楽しいほど時間の流れは早く、ついに卒業式を向かえ・・・・。
私はそわそわしながら、ポケットからシャーペンとピンクのメモ紙を取り出し
亜莉那に見せる。
『中学校入って、もしも違うクラスになったらどうする??』
『どうするって、美智霞ってば心配しすぎだよ!!』
親友が笑っている。
私はいたって真剣なのだが・・・。
『だってクラス10個もあるんだよ?それじゃあさびしいよ』
『大丈夫だって!学校が違うわけでもないんだし、ほら!部活とか同じとこ入れば
いつでもあえるでしょ?』
親友は私にほっとさせるように微笑み、シャーペンとメモ帳を渡してくる。
すこし不安は残っていたけど、親友の顔を見て落ち着くことができた。
私は満面の笑みで親友のほうを向き、大きく頷いた。
彼女だけを信じて・・・。