壱拾壱 引継ぎ
私は目を瞑る・・・。
・・・今日はやけに疲れた・・・。
亜貴斗と凜禰には会うし・・・・というか私が最近気にしなくなっていただけなんだけど。
私は毛布にくるまり、そのまま眠りについた。
ああまたこの夢だ。
真っ暗で何も無い・・・。ただあるのは、気迫・・・。
「なあに?また私に用??」
私はその気迫の根源に話しかける・・・。
「・・・・。」
珍しく無口だ・・。と言うか無視されたし!
「ちょっと!返事ぐらいしたらどうなの??」
「・・・・・れ・な・・。」
「?何て?」
「・・・忘れるな・・・。」
私の耳にぎりぎり届くか届かないかの声でしゃべる。
「忘れるなって何を・・・?」
「・・いずれ気づく・・・気づかなければそれまでだ。
お前の母の思いを・・・。」
「母のことなんて何も知らないのにどうや・・・」
「・・・って」
目の前には、私の父さんがいた。
「父さん??」
「昨日疲れてたみたいだけど、大丈夫なのか?」
「へ?大丈夫、大丈夫!」
「・・・・。ところで朝だぞ。7時」
「・・・はあ。はああああ!?」
私は急いで飛び起きる。
走って父さんが作ったオムライスを口に掻き入れ
家を出る。
「いっふぇふぃふぁ~ふ!」
「のど詰まらせるなよ!いってらっしゃい!」
それにしてもなんだったのだろう。
そもそも誰だった?
クウィルバーはしゃべり方はもっと荒っぽいし、声も低い。
きれいな声だったけど・・・ドラグルスだろうと言うことは大体想像はつくんだが・・・。
「おい。クウィルバー?お前かさっきの。」
『は?俺昨日爆睡してたんだけど』
やっぱり声もしゃべり方も違う。
まあ異世界の生物なんだし、声とか帰れる昨日あってもおかしくないけど。
『さっきのってなんだよ』
「ほんとに違うの??」
『だから何が!』
「・・・ならいい。いや良くないけど。」
私があんな夢見たのクウィルバーと契約したときだけだし・・・。
「あ!おはよ♪美智霞!」
クラスの子だ。
「朝から元気だね。」
「うん!」「明日学校休みだからすごい嬉しい!」
「そっか~。明日学校休みだしね」
「!何で私が喜んでる理由分かったの??」
なんだろう?今言ったじゃないか。
「だって今言ったじゃ・・・」
言いかけたとたん、クラスの友達は私に抱きついてきた。
「すごーいすごーい!!超能力?エスパー?」
「いや違うし。」
「じゃあじゃあ次は私が当てちゃいます。」
「何を・・・。」
「美智霞がきょう少しローテンションなのは・・・・・怖い夢を見たからです!!」
「!って違うから!夢は見たけど怖くなかったし。」
「おう!夢見たんだ!私エスパー?すごい?」
「すごいすごい」
私たちははしゃぎながら学校まで笑い続けた。