表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼と絶望の黒龍  作者: 黒毬藻
序章 龍狼の交わり
1/10

暗殺者

 みなさんこんにちは

この物語はとある国の首都から始まる。

黒龍と狼この二匹が出会ったとき物語は動き出す

 静かすぎる街のある路地で仕事を終えた俺は転がっていた木箱に座りながら空を見ていた。


「相変わらず、やって意味有るのかって仕事だよなこれ」


 そんな事を呟き相変わらずぼ~っと空を見る。

その時、表通りにいた兵士がやってきた。


「敵国家の首都も制圧完了。王族も捕まえたしこの戦俺達の勝利だな悪友きょうだい。」


「俺達じゃなくてお前だろ、大将軍」


悪友の言ったことに訂正をしそいつに目をやる。


「なんだ?レックス」


「ナンダだナンダ・M・レックスだファミリーネームで呼ぶな。後、紛らわしい言い方をするな。」

 

 紛らわしい名前のほうが悪いんじゃないかとおもいなが、自分の名前も考えてみる。

フォールティトゥード・D・レックス、ナンダとは異母兄弟だ。


「フォール仕事は…終わったみたいだな」


「お前みたいに軍を指揮する訳じゃないからな。それに俺の仕事は一人でやるものだし」


「お前の方が軍に関することがうまいのにな、」


 そう俺の仕事は美術品やその国の文化財・内政の記録などを盗む仕事だ。

要は国が戦争で忙しい時に色々盗ってくるのが仕事。ナンダは自分の指揮よりも俺の指揮のほうが上手いと思っている。だから、自分のせいで兵士が余計に死んだと思っている。

そう言いながらナンダは俺の足下に置いてあった麻袋を肩に担いで持って行った。


「後で中央広場まで来いよ。」


去り際にそんな事を言いながら、


「自分の要件だけ言いやがって、軍の士気を上げるのはお前の専売特許だろうが・・・もう居なくなった人に言っても仕方がないが」


 ナンダが去って行った表通りとは反対の方に目をやると誰かが歩いてきた

路地の奥から歩いてくる人影がいた今、この都市を堂々と歩けるのは兵士か俺みたいな暗部の人間ぐらいだ。この国の民は戦争に負けて自分たちが支配下に置かれたことを理解しているだろうし、ナンダが監禁は無くとも、それに近い命令をだしていたはずだ。それ以外の可能性は他の国のスパイか暗殺者ぐらいだ。路地を歩いてきた暗殺者は少し離れた位置で止まった。腰を上げ暗殺者と対峙する。静寂が場を支配し空気が張り詰めていく。緊張の糸が切れた瞬間、刹那、二つの影がすれ違う


 倒れた影が一つ


「速さはあったけど技術はまだまだかな?」


「・・・」


「返事が返ってこないのに疑問形はだめか、」


 気絶させた暗殺者に近づく、最期の反撃は無いみたいだな。

暗殺者の外套のフードを脱がすと露わになる漆黒の髪だった。


「顔つきを見る限り女かな?」


 取り敢えず身に着けていた物をはずし相手の懐を探る。

女を全裸にしてきていた衣服を調べつくしてわかったことは、握っていた剣以外に懐から小刀が三本出てきたくらいだ。その内一本は懐から、後二本は小刀と言うよりナイフで両足のブーツの表面にそれぞれ一本ずつ隠してあった。背中全部を使った刺青があったこと後、髪が先のほうだけ白銀で綺麗な事くらいか・・・気になったのは右の目元にに小さな白い星型の痣があることか


「それにしても、背中にある刺青、月に吼える狼かな?」


 暗殺者だから武器と言うか暗器を大量に懐に入れてるのかと思って脱がしてみたが

そんなに暗器を隠してはいなかったな。動けないように後ろ手に腕と足を縛りフードを頭に被せて肩に担いで広場まで歩き出す。



   -○●○―         ※ ―○●○―は場面が変わる記号として使ってます



 暗殺者(かのじょ)を肩に担ぎながらナンダがいるこの都市の中央広場に行ってみると。

ナンダが帰国の準備をさせていた。この国の民は一度俺達の国、帝国の首都に連れて行かれるだろう。

負けた国の運命は奴隷として生き残るしかない・・・そして、大半の者達が奴隷として祖国の土を踏む事になるだろう。


「フォール肩の荷物は何だ?」


「襲いかかって来たから拾った。」


「あっそ」


 奴隷は本来国のものになるから兵士が勝手に手を出していいものではない

略奪も勝手気ままにやれば軍規違反で裁かれる。まあ、そういう略奪を国から依頼されてる俺は例外なんだろうが。暗殺者(かのじょ)を馬の鞍に乗せてその後ろに乗る。

 馬に乗り自分の前に乗せた彼女の背中に落ちないように手を置きながら出発の合図を待つ。

別に軍に所属しているわけではないから隊列とは少し離れた所で様子を見ていると、


「ん、ぅあ~・・・・・う」


 彼女が声をあげた。起きたのかと思ったがどうやら違うようだ。しばらく隊列を眺めていると準備が整ったのか隊列が進みだした。隊列の最後尾ナンダがいる場所に馬を進める。


「いい加減その子について教えてもらおうか」


「こいつは俺を襲ってきたから気絶さした。」


「それにしてもお前が暗殺か俺じゃないのか?」


「いや、それはないと思う。」


「何でだ?」


「俺もお前も王位継承権を放棄しているが曲がりなりにも王族だ。狙う価値は十分にある。」


「それは俺もお前も同じそれじゃお前だけが狙われる理由にならない」


「王位継承権を放棄する前の俺は継承の序列は第一位だ。」


 俺みたいな大将軍が狙われるならよく分かるがフォールみたいに全く表に出ない人間を狙うなんてよほど優れた情報網をもっているのか、たまたま狙われたかのどちらかだろう。

俺もお前も皇帝の子だそれだけで利用するのも狙われるのも理由はあり過ぎる。


「・・・あのババアの刺客か」


「さあな、どちらにしろコイツが起きれば分かる。」


「その子、口を割るのか?」


「割らないだろうななんせこいつはいつ切られてもいい下っ端だからな。」


「・・・おいおい」


「で、お前はその子どうするんの?」


「ん~、とりあえずお持ち帰り?」


「・・・・・・・なんで疑問形なんだよ。」



   ―○●○―



 目を開けたとき最初に見えたのは揺れている砂利道だった。

そして、自分が馬に縛れ運ばれている事に気づき身体が強張りそうになるのを全力で抑える

馬を操っている者と話している者との会話を聞いているうちに自分を運んでいるのが自分が暗殺しようとしていた奴ともう一人はこの国の軍の大将軍だと気付いた。

 二人の会話を聞いていて判った事は、この軍が帰還途中と言う事ともうすぐ野営の準備をするために行進をとめる事ぐらいしか聞けなかった。



   ―○●○―         


 

 軍の野営地から少し離れた林で馬が止まり乗っていた奴が降りた。


「寝たふりしてるのもいいけど逃げるなよ。」


「!!」


 気絶したふりはばれていたらしい特に隠していたわけではないがこちらに意識を向けていたのか

馬から降ろされ木に繋ぎ止められた。


「逃げ出すなよ、セブルス見張っとけ。」


 馬に見張りをやらせて自分は軍の野営地に向かっていった。

その間に縄抜けをしようとしているとふと前方が唐突に暗くなったので顔を上げると

 漆黒の馬のケツがあった・・・突風が耳元をかすめると同時に黒くて細長いものが顔の横を通り過ぎた。あの馬が後ろ足で蹴ったのだ。そして、後ろ足で蹴られた木を見ると


「・・・何もするなってことか」


 縄をはずす為に命をかける気にはなれないのでおとなしく待ってみる

アイツは二人分(・・・)の飯を持って帰ってきた。そして背後の木の傷を見て、


「逃げようとしたのか、セブルスちゃんと役目を果たしたんだな偉いぞ。」


 漆黒の馬を撫でた後こちらに歩いてきて私と目線を合わせるようにしゃがみこんだ。


「・・・何か用か?」


「俺を挑発したいのか・・・そんなことより自己紹介といかないか?」


「・・・」


 私は無視を決め込む事にした、暗殺なんていう裏の仕事をしているなら下手に情報を知らないほうがいいし喋らないほうがいい、それに情報などしらないそれを分かってて聞いて来るんだから、


「・・・・・・何故わざわざ聞いてくる。まともな情報などえられないのに何が狙いだ?」


「狙いか、特に無いしいて言うならお前がほしい!!」


「・・・選択肢が有るなら全力で回避の方向で」


 冗談なのか本気なのか分からない告白をしてきたこの男ホントに何を考えている? 


「俺の名はフォールティトゥード、長いからフォールって呼んでくれ。」


「・・・知ってる」


「そっか、なら名前教えてくれよ」


「・・・お前の凄さが実際に向き合わなければ分からないか、何故、名前を知りたいんだ?」


「名前を教えてくれたら教えてやるよ、それより俺の資料か何かをみたのか?」


 黙って頷いたところをみると正解らしい

(・・・と、いうか何で俺の事ガン見してんの?こっちが目を合わせようとすると微妙にずらしてくるし、何を試している、何が知りたい?)


「・・・・・・・ブランカ」


 ?、疑問符を浮かべながら彼女を見てみると今度は目を合わせてくれた。

多分さっきの呟きは自分の名前を言ったのだろう。何で名前を教えてくれたかはわからない

でも、教えてくれたならこちらに心を向けたと言う事か


「さて、お前を生かした理由だが・・・俺に仕えろ」


「!?」

 登場人物

フォールティトゥード・D・レックス

 年齢19 身長176cm 一人称は俺

 容姿 黒髪黒目 髪は背中の辺りまで無造作に伸ばしている

 備考

  帝位継承権元第一位、今は権利を放棄している

 貴族たちからは絶望を振りまく存在として忌み嫌われているその所為か命を狙われることもしばしばある


ナンダ・M・レックス

 年齢19 身長187cm 一人称は俺

 容姿 金色の目を持ち焔髪を短く纏めている

 備考

  軍の総大将で軍に関しては全権を握っている。天辺まで実力で上り詰め た猛者で けっして脳筋などではなく頭もそれなりにある

  フォール同様帝位継承権を放棄している(放棄する前は第二位の位)

 また、フォールより後に産まれたが腹違いの兄弟


ブランカ

 年齢18 身長167cm 一人称 不明

 容姿 髪の色が漆黒と毛先が白銀の変わった色をしている。目は茶色で髪の長さは腹位までの長さ

 備考

  フォールを暗殺しようとしたがあえなく失敗する。裏側の人間達には黒狼という名で呼ばれていた。腕は立つ方だが今はフォールの侍従として暮らしている。フォールが仕事柄上略奪行為がある程度認められているので依頼された略奪品の一つということであっさり関所を通過し入国をする


 世界観

フォール達が暮らすドラグニア帝国は龍と人の間の子によって起こされた国

 国民は尊敬の念を籠めて帝の事を龍神と呼んでいる。

 国民の六割は竜人で残りは移民など外から来た人達

 また、王族など龍の血が濃い者達は龍化(ドラゴンの姿になる)する事ができる。

 直系の者はそれぞれ特異の力を持つ

  大陸は群雄割拠の時代で激しく乱れている

 軍隊の種類は陸軍と海軍が存在し空軍は国によって有ったり無かったりする

  

                          続きは次回に

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ