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無謀! 瞬発力企画2 会場  作者: しいな ここみ
第四回目 『オーボエファイター木村』
81/102

笹門 優さまのオーボエファイター木村


 木村ユーライアは吹奏楽部に所属する女子生徒である。

 担当はオーボエ。


 オーボエは二枚のリードを振動させて音を出す高音域の木管楽器だ。

 オーケストラではチューニングの基準音を出す重要な存在なのだが、構造が複雑で技術的には「世界一演奏が難しい」と称されることもある上に、メンテナンスにも知識が必要でさらに高い。高額だ。

 まあ、楽器はなんでも高いのだが、オーボエは入門用の一番安いものでも10万を超える。


 彼女は幼い頃から楽器を友として育ってきた。

 祖父母の代から音学家であるような家庭だ。 然もありなんというものだろう。


 そんな彼女は今、オーボエを片手にひとりの男子生徒と対峙していた。


 彼は大山ザングリライト。


 人呼んでドラムバトラー大山。


 両手にスティック、腹にドラムを装備したライバル高の一角である。

 今まで数々の棄威争嶽(すいそうがく)部員たちを下してきた偉丈夫。


 そう、吹奏楽は棄威争嶽。 己が威を以て争い、叩きのめした相手を地嶽へ棄てる、恐るべき闘いなのである。


 ちなみに音学家は怨嶽家。 叩きのめした相手は数知れず、ひたすらに怨まれ、地嶽へ堕ちろと言われ続けるような、殺伐とした家庭であった。


「ふふふ……………。 流石は音に聞こえし木村ユーライアだな。

 我が覇気にも動じず、立ち塞がるか。

 いや、ここでこの名を呼ばぬのは無粋。

 勝負といこうではないか!

 オーボエファイター木村よ!!」


 2本のスティックが不気味に構えられる。 その姿は異質。

 どの様な流派にもそんな構えはないだろう、なのにまるで隙のない様相。


「ええ、あたしは貴方を……いえ、十二神将を全て倒し、この棄威争嶽の覇者になってみせる!」


 対する様に構えられるオーボエ。

 そのリードは二枚。 だからこそ彼女はこの嶽鬼(がっき)を選んだ。


「ふははははははっ!

 吠える、吠えよる! その威勢、我が腹鼓が可笑しくて震えておるわ!」


 その言葉通り、彼のドラムはまるでドラムロールでもするかの様に細かく震えていた。


「そう笑っていられるのも今のうちよ。

 喰らいなさい! 『サイレンの魔女』!」


 ──ドォォォォォォォォォォ………ン


 吹き鳴らされたオーボエが、その高周波が辺りを吹き飛ばす!

 窓ガラスは全て砕け、椅子や机はひしゃげた。 床材は彼女を中心にクレーター状に破壊され、周囲を砂埃に隠してしまう。

 ちなみに今まで一言も発していない観客たちも全滅だ! そう、観客は静かに見て、聴く事だけを義務づけられているのだから仕方がないのだ。 吹っ飛ばされた時すら彼等は声を出さないのである。


「どう? 少しは効いた(聴いた)かしら?」


「大したモノだな、オーボエファイター木村よ! 十二神将の中でも三指に入る耐久性を持つ我でなければ、もっと痛手を負った所だぞ?」


 晴れた砂煙から姿を現したのは当然、ドラムバトラー大山。 幾つもの裂傷打撲傷を受けた様子だが、その姿は健在。


「流石、十二神将の一角は違うわね。 でも闘いは始まったばかりよ」


 そう、闘いは始まったばかり。


 頑張れ、オーボエファイター木村よ!

 けっぱれ、オーボエファイター木村よ!


 勝利を、掴み取るのだ!!


凄い世界だ……(゜Д゜)


すいそうがく……初めて聞いたけど、それって民明書房の本に載ってますか?


「どう? 少しは|効いた(聴いた)かしら?」

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― 新着の感想 ―
 オーボエは天然素材を吹き口に使った、一番弱くて、融通の利かない楽器ですよね。その弱くてダメなところを逆手にとれば、十二神将のなかでも勝ちぬけるかも。そういうバトルでなかったらすいません(笑)
>主催者 さま あれ? あれれ? うわ~ん、ここえもん、直してくださーい! >戯言士 さま あ! 審判役の指揮者が必要ですね! 鬼の司で司鬼者。それもいいんですが屍鬼者の方がワタシっぽいかなあ。
 求む司鬼者。狂争曲には調律が必要ですね。(苦笑)
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