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しいな ここみの青空
『青空』
屋上のフェンスにもたれて、ぼくは青空を見上げていた。
昨日、麻希とけんかをした。たった一言、「別にどうでもいいけど」と言っただけなのに、その一言が刃物みたいに鋭かったことを、家に帰ってから思い知った。
空は、そんなこととは関係なく澄みきっている。
雲ひとつない青空。あまりにまっすぐで、まぶしくて、逃げ場がない。
「……ごめん、言いすぎた」
もちろん、空に謝っても仕方ない。けれど声に出さないと、自分の中の意地が溶けてくれなかった。
ぎい、と鉄の扉が開く音がした。
「さぼり?」
聞き慣れた声。振り向くと、当の彼女が立っていた。少しだけ目を赤くしている。
「青空だよ」と、ぼくは意味のないことを言った。
「見ればわかる」
そっけない返事。でも、その声は昨日より柔らかい。
しばらく並んで、同じ空を見上げる。青空は広くて、ぼくらの小さな意地なんて包み込んでしまいそうだった。
「昨日さ」
「昨日……」
同時に口を開いて、同時に笑った。
青空の下では、謝るタイミングさえ、きっとやさしくなる。
「ごめん」
今度はきちんと、隣に向かって言えた。
青空は何も言わない。ただ、どこまでも広がって、ぼくらのこれからを照らしていた。
暇時間がないので半分AIさんに手伝ってもらいました←卑怯者




