斉藤寅蔵さまの青空
《こんな青空の下で、ずっと君と一緒に》
婚約者の涼斗との買い物の帰り。
公園のベンチで休んでふと上を見上げると、綺麗な青空が広がっていることに気づいて嬉しくなった。
「なに?美悠、どうしたの?」
「大したことじゃないよ。ただ、こんな青空の下で、ずっと涼斗と一緒に居たいなって思っただけ」
私の言葉に涼斗も笑顔で返してくれる。
「こんな青空の下、か。うん、僕もずっと美悠と一緒に居たいな」
このとき私は忘れていた。
私の婚約者がとてつもないアホだということを。
~1週間後~
「……で、改めて聞くけど、ここ、どこ?」
「あれ?言ってなかった?南極だよ」
「なんでこんなとこに私は連れてこられてるわけ?」
「はっはっは。なんでって美悠が言ったんじゃないか。『こんな青空の下で、ずっと一緒にいたいな』って。今、南極は白夜で日が沈まないから、来月末まではずっと青空の下に居られるんだよ」
「もしかしてと思うけど曇りの日は」
「この熱気球で雲の上に出ればそこは青空ブフオー!?」
私は右ストレートで涼斗を黙らせた。
「青空の下でずっと一緒にってそういう意味じゃねーよ!あとついでに普通の熱気球で雲の上に出られねーからな!帰るぞオラッ!」
私は涼斗を助手席に放り込み、雪上キャンピングカーで港へ向かった。
日本へ帰った私は、涼斗と住んでる部屋の壁に張り紙を貼る。
『青空は1日14時間まで!!』
他所様が読んでも意味不明であろう張り紙が増えた部屋で私はため息をついた。
せめて北欧にしときましょう(。-人-。)




