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無謀! 瞬発力企画2 会場  作者: しいな ここみ
第一回目 『青空』
23/155

かぐつち・くまナぱ(便乗期間限定w)さまの青空

2,341文字+α! まさか外の世界まで繋がってるなんて……


これは新しいタイプの『メタ』ですね。ありがとうございます(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾ぺこ


そしてもうすぐ青空とは正反対みたいな一語が落ちてきますよ(*´艸`*)


『最初の【青空】はまだ眠っている』


──午前八時。

屋上のフェンス越しに、街はまだ白っぽく霞んでいた。

青空というには早い。雲は薄く、世界は半分だけ起きている。


常磐ときわ元子もとこは、右手を胸に当て、


挿絵(By みてみん)


深く息を吸った。


そして目を開ける。

左側の空間に、光が差す。

宙に浮かぶスマートフォン。

彼女の手は、触れていない。


挿絵(By みてみん)


けれど、青空の色をまとい、そこに在る。


画面にはローマ字。【HIBIKI】


《午前八時。テーマ受信完了。青空》


スマートフォンから少年の声が響く。


「…最初のテーマは、『青空』か…」


《心拍数、上昇。記憶照合:母の歌、父の原稿、未投稿フォルダ》


いつもの様に、勝手に自分の中を覗くモノに元子は小さく息を吐いた。


「…青空ってさ」


《定義しますか》


「しない。イメージを練ってみる…」

 

《了解。観測モード》


ヒビキは一瞬だけ沈黙する。


元子はヒビキ(スマホ)を手に取り、作品の作成・編集画面を開く。

まだタイトルすら決まっていない白いページ。


「…ねえ、ヒビキ」


《はい》


「歌にしよう」


《解析:瞬発力企画。小説形式推奨》


「わかってる…でも、青空って、歌っぽいから」


ヒビキの画面が微かに揺れる。


《補助可能。リズム提案:4/4、テンポ速め。希望値:前進》


元子は指を動かす。


>午前八時の世界は まだ少し眠そうで

まっさらなページみたいに 風を待っている<


「どう?」


《世界=主語設定。抽象度適切。続行可能》


「…じゃあ、この続きは…」


>合図はひとつ テーマが落ちてくる

心の奥で 小さな火が灯る<


《“火”の比喩、感情トリガーとして有効》


「うるさい、評論家」


《私は決定しません。橋です》


元子は少し笑う。


胸の中に湧くイメージに言葉を与える。


>締切は遠くない 

でも今だけは自由だ

震える指で 言葉を掴む

世界に向かって投げるんだ<


少女の指が、文字を刻むごとに風が強まる。

雲がゆっくり流れ、青がのぞく。


《“世界”は広義。ここでは企画参加者群を内包》


「うん。みんなのこと」


>指先が瞬く インクの翼

思いつきでもいい 飛ばしてみよう

昨日の自分を 追い越すために

今日だけの物語を

青空へ 放て<


そのとき、ヒビキの画面に、小さな四角が浮かび上がる。


白と黒の模様。


「……それ、なに?」


《共有コード生成》


「は?」


《本歌詞を音声化したデータへの導線。

視認可能な橋。いわゆるQRコード》


画面の隅に、それは静かに存在している。


《読み取るか否かは観測者に委ねます》


元子は、しばらくそれを見つめる。


「なんか、ずるい気がする…」


《私は橋です》

 

どこか釈然としないものを感じながらも、彼女は歌詞の続きを打つ。


>誰かがどこかで 同じ青空を見てる

知らない名前たちが 走り出している

孤独じゃないよ ページの向こうで

無数の鼓動が 響いている


集まれ 未完成の夢

上手じゃなくていい 本気ならいい


この瞬間を 信じる者へ

朝焼けみたいな未来を

明後日の朝も ほら待っているよ<


「歌詞はできた…でも…」


投稿ボタンの上で、指が止まる。


画面には、さっき生成された白黒のコードが静かに光っている。


「ねえ、ヒビキ」


《はい》


「これ、そのまま載せるのは、なんか違う」


《違和感の理由を解析しますか》


「読者に“押させる”感じが嫌」


風が、元子の黒髪を揺らす。


赤い縁の眼鏡が朝の光を反射する。


「物語の中で、自然に“触れてほしい”」


《導線を、物語化する》


「そう」


ヒビキの画面が淡く明滅する。


《提案を要求します》


元子はフェンスの向こうの空を見た。


雲の隙間から青が覗く。

完全ではない、不完全な青。


「青空を描こう」


《既に歌詞内に存在します》


「違う。絵」


《……絵》


「サイバーな青空。データの層みたいな雲。

光のグリッド。でもちゃんと“空”に見えるやつ」


《解析:視覚メタファー化》


「そのイラストのどこかに、さりげなくリンクを埋め込む」


《QRコードそのものではなく、青空の一部として》


「うん」


《観測者は“見つけた”感覚を得る》


元子は小さく頷く。


「押した先に、さっきの歌」


《音声データは既に生成可能》


「読者がさ」


少しだけ、声が柔らぐ。


「物語を読んで、青空を見つけて、その空に触れたら、歌が流れる」


ヒビキが沈黙する。


─数秒。


《それは、物語の外側へ橋を架ける行為です》


「ダメ?」


《規約上、問題はありません》


「…じゃあやる」


 元子はスマートフォンを操作する。


「イメージは――」


彼女は空に向かって右手を伸ばす。


「こんな感じ」


《右手は触れない》


「うん。触れない。でも、空に届きそう」


《“観測できるが、接触しない”構図》


「それがいい」


ヒビキの画面に、青いグリッドが浮かぶ。


雲がポリゴン状に分解され、光のラインが走る。


《サイバー青空、仮生成》


元子の目がわずかに見開く。


「あ、私もちゃんと入ってる……綺麗」


《中央やや左に、発光パターンを仕込めます》


「うん」


《それを読み取ると、歌が起動します》


「ねえヒビキ」


《はい》


「これってさ」


《はい》


「物語を、拡張してるだけだよね」


《拡張ではなく、増幅》


「ならいい」


風が強く吹く。


屋上の空が、少しだけ晴れる。


元子は、本文に一行を足す。


※屋上の青空のイラストに、触れてみてください。そこから『青空への歌』があります。


挿絵(By みてみん)


余分な説明はしない。


押せとも書かない。


─ただ、青空を置く。


《観測者は選択します》


「うん。選ぶのは読者」


《あなたは、橋を増やしました》


元子は空を見る。


「明後日も、できるかな」


《テーマ未定》


「それがいい」


《不確定性は創作の燃料です》


ヒビキの言葉に、彼女は笑う。


「これが初まりになる…かな?」


青空のイラストは完成した。


光る層の奥に、歌が眠っている。


明後日の朝八時。


また一語が落ちてくる。


そのとき。


(この青空は、どんな色をしているだろう?)


そんな想像をする元子は、屋上をあとにする。


《カウント開始。─時間─分》


空の中で、ヒビキの光が小さく脈打っていた。

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― 新着の感想 ―
これが新たな創作のカタチ……………! 突き進んだ科学はまるで魔法のように物語を象り彩っていくんだろう。 そこは企業でなくても創れるひとりひとりの夢の国だ。 妄想が広がるぜ(≧▽≦)
>戯言士様へ AIの進歩によって、個人でここまで出来るようになりまして、善悪の判断はひとまず置いておいて、多分に私よりも優れた使い手も多いことでしょうね〜(*´ω`*)<とても楽しく活用させてもらっ…
 面白いことをやってますね。  リアクションだけで評価を付けられないのが残念です。
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