表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無謀! 瞬発力企画2 会場  作者: しいな ここみ
第五回目 『ひとつのおおきなかたまりといくつものちいさなかけら』
124/180

Ajuさまのひとつのおおきな(略)2


  =ひとつの大きなかたまりといくつもの小さなかけら=   Aju




 初めに大きなかたまりがあった。

 そこから小さなかけらが生まれて世界のさまざまな地へと旅立っていった。


「男の子ですよ」

 取り上げた助産師の言葉に、アメリアは微笑んだ。

 父親は名前を考える。

 たくましく育って、幸せになれますように。

 この子の未来に、希望と神のご加護がありますように。


 あれから幾年経っただろうか。


「徴兵令状がきたんだ」

「行かないで、アドルフ」

「僕は臆病者じゃない。君の住む国を守るためだ」


「足を無くしてもまだいくの? スタイナー」

「ここでやめたら死んでいった仲間たちの命は無駄になってしまう」


「ヴォルフ首相。まだ戦いを続けるのですか?」

「彼の国の大統領を動かせば、まだ十分戦える。敵を滅ぼさなければ我々が滅ぶのだ」



 空を閃光が走る。

 その空の下、アドルフとスタイナーは「敵」として対峙している。

 その距離37キロ。

 互いに姿は見えない。

 発射される無人機を操るだけが、戦場での()()だ。


 かつての英雄たちのように、勇敢さも戦技も必要ない。

 ただその場から離れないことだけが勇敢さの証として、当然のように求められていた。

 その無人機の先にいる人の姿などは見えない。

 小さな画面に映るターゲットを捕捉。突っ込む。爆発直前までの映像で画面は消える。

 攻撃成功。‥‥だろう、たぶん。


 ヴォルフに至っては、その閃光さえ見えない。

 執務室で刻々と変化する戦場の報告を聞くだけだ。

 人的消耗が大きい。

 だが、ここで引くわけにはいかぬ。

 勝てば歴史に残る()()だが、引けば俺は()()()として処刑されるだろう。


 ほとんど何の前触れもなくビイイイィィという音が聞こえ、空の閃光はアドルフのすぐそばに堕ちてきた。

 激しい閃光が見えたところで、アドルフの意識は終わった。



 かけらたちは、ひとつの大きなかたまりに戻ってゆく。

 それははるか昔から変わらない。

 そこにはあらゆるものが「ひとつ」として存在していた。


 愛。希望。憎しみ。願い。喜び。悲しみ。絶望。幸福。安らぎ。嫉妬。恐怖。勇気。感動。欲望。誠意‥‥‥


 それは混沌と呼ばれ、太鼓の昔から()()()として存在した。

 かけらはそこから生まれ、そこへ帰ってゆく。




-------------------------------------------

 <後書き>

お誕生日ものばかりではなにかと思いまして、もう一つ。。(^^;)



どーん!( ✧Д✧) 9m


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
昔の太鼓……陣太鼓とか? じゃない! 誤字かこれ!
ほんと、嫌な世界だよね(´・ω・`)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ