表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無謀! 瞬発力企画2 会場  作者: しいな ここみ
第五回目 『ひとつのおおきなかたまりといくつものちいさなかけら』
118/155

しいなここみのひとつのおおきな(略)

 仕事帰り、スーパーマーケットでお惣菜のからあげを買った。

 見るからにぶっちゅぶっちゅにオイリーでうまそうだったので。

 見た目に一番そそるやつを選んだ。衣が海のように波打っていて、その中にお肉がたっぷりと潜んでいそうなやつだ。


 部屋に帰った時にはお腹がペコペコだった。

 ごはんが炊けるまでなんて待てない!

 仕方なく日本酒を紙コップに注ぎ、くぴっとやった。

 いや! 違うだろう! 日本酒で空腹は埋まらない!

 パックのからあげを興奮しながら開けた。


「おぉう……!?」

 思わず声が出た。

「な……、なんだこれは……」


『なんだなんだ』

 寝ていたフェレットのナッくんが気配を察して出てきた。

『どうした? 何があった? ミルクか?』


「これ見てよ、ナッくん」

『ミルクか?』


「ちがうちがう。このからあげ──」


 パックの中は衣の海みたいになっていたので、買う時には気がつかなかった。


 めちゃめちゃデカいかたまりが、ひとつある。ほんとうに中までちゃんと揚がっているのか!? と心配になるほどのデカさだった。

 そしてその他はすべてちっちゃなかけらだった。ほぼ衣と皮だけでできたかけらが、ちまちまとパックの中に転がっている。


 まるで巨大な太陽と隕石群!


 お箸を手に取り、当然のように、まずはおおきなかたまりを持ち上げた。


「重……っ!」


 お箸が折れかけた──なんてことはもちろんなかったが、重みで箸から落ちそうにはなった。

 一口で食べきるなんて到底無理だ。齧りついて三分の一ほどを引きちぎり、頬張った。三分の一でも口の中がいっぱいになった。


 期待通りのオイリーさについ、笑顔になった。


『おれもペロペロしたい』

 フェレットくんが目を輝かせて私の肩に手をかけてくる。

 

 ミルクを作ってフェレットくんを大人しくさせ、お次はかけらのほうへ箸を向けた。

 こちらはまたオイリーながらカリッカリ! 中身の皮はムッチムチ!


「うまーし!」


 ここのからあげは安くて美味しくて、ボリューミーなのだ。最近はお金がなくてあまり買えないが、以前はよく買っていた。

 ただ、いつもは同じぐらいのおおきさのが四個〜五個入っているのだが……


 今回はおおきなかたまりが一個と、ちいさなかけらが六個ぐらい。こんな偏ったのは初めてだった。


 面白い──


「あっ……」

 この時、思いついたのである。

「あさっての瞬発力企画に出すお題、これにしよう!」


 元々第五回目に出す予定だったお題は『漆黒の翼を喪失せし者』だったのだが──


 急遽お題を差し替えた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これはまさかのエッセイだと!? しかし、漆黒の翼だったら、堕天使系の話か中二的な話かの二極化しそうだな(・∀・)
あっぶねー! 『漆黒の翼を喪失せし者』 唐揚げに感謝!
 これは唐揚げに感謝ですね。  さすがに『漆黒の翼を喪失せし者』はキツいですから。  もしこれをやるとなればカラスを捌き唐揚げにするなんてことになっていたのかも?  きっとオチは烏骨鶏ならぬ烏滑稽とか…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ