笹門 優さまのひとつのおおきな(略)
そこは平和な場所だった。
広い広い水の国。
辺り一面水に覆われた水だけの国なのだ。
彼等はそんな水の中を揺蕩う。
ゆらゆら ゆらゆら と小さな波間を浮き沈みしていた。
波、といってもそれは穏やかなものだ。 まるでハンモックに揺られるかの様に、小さく優しく揺れる。
穏やかだ。
何処までも長閑な小さな広い世界。
だが、永遠に続くかの様な平穏は、あっさりと崩れ去ってしまうのだ。
突然現れた巨大な赤い『何か』。
それが国の中央に突き刺さったのだ。
平穏だった水の国は、この『何か』の来襲により地獄絵図と化した。
何故か『何か』は突き刺さり、持ち上がり、また突き刺さるのを繰り返すのだ。
水の国を覆う大量の水は巨大な波と化す。 波は水の塊となり彼等を包み込むと、国の外へと放り出してしまったのだ。
小さな飛沫となった水は彼等をその中から排出し、瞬く間に乾いてしまう。
彼等は絶望するしかなかった。
★☆★☆★
「ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷらんらんらん~♪」
畑の隅に出来た大きな水たまりで遊んでいるのは、赤い長靴を履いた小さな女の子だった。
何度も何度も水たまりに足を下ろし、そこに生まれるのは無数の水飛沫。
その小さな水の国に生まれた微生物の悲鳴など、彼女に聞こえる筈もない。
親は畑で野良仕事。
彼女は自由に遊ぶのだ。
無数の微生物たちの悲鳴を尻目に。
何かの叙述トリックだとは思ったけど……
予想を遥かに超えたスケール!(*^^*)




